PERの欠点その2

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前回は、PERが十分に低く割安なのに、その後も株価が下がってPERが低下する銘柄や、反対にPERが高いのに株価が上がっていく銘柄があるのですが、なぜそのような事が起こるのか、という事をお伝えしました。
とは言っても、そういう銘柄があるからと過剰に気にしては、PERを参考に銘柄を選ぶ事にためらいを感じてしまうかも知れません。
PERを活かす為には、前回の説明したような銘柄を避けていく事が非常に重要なのです。
そこで今回は、買うべき銘柄の見分け方について解説していきたいと思います。

業績が良好でPERが低くても株価が上がるとは限らない

業績があまり良くなければ、PERもそれに応じて低くなってしまういうのは納得がいくでしょう。
ただ、中には将来の業績が増収増益と企業側が予想しているにも関わらず、PERと株価が低いまま、更に下がってしまうケースも有ります。
このような銘柄は、なぜ株価が上がらないのでしょうか?
その理由として考えられるのが、市場参加者はその銘柄の業績が増収増益になるとは予想していない、という事です。
企業としてはそう予想していたとしても、その予想は必ず当たるものではありません。
また、来期は増収増益になると思っていたとしても、2年後や3年後には減収減益になると予想しているのかも知れません。
そうなると、PERも1株当たりの純利益が減少する事で割安とは言えなくなる可能性が高くなるので、その銘柄の株価は下がっていくのです。
このような銘柄を探してみると、意外と散見されます。
こういった銘柄が複数あるという事は、やはり市場参加者の予想によってそうなっている可能性は高いという事なのです。

PERが低いのに、株価が下がっていく銘柄の見分け方

PERを見て、割安だと思って買った銘柄が、その後、どんどん株価が下落し、回復しそうにない時にはPERを信じられなくなってしまうでしょう。
では、どうすれば株価が下がる割安株を見分けられるのでしょうか?
まず、最優先で注視しておくべき項目としては、今後の業績です。
この先、業績がどの様に予想されているのか確認するのです。
PERに注目する投資家が多い事から、低PER銘柄という項目でランキングが発表されています。
それにランクインしている銘柄の中には、当期の利益が前期の実績よりも減益となっている銘柄や、これまでは増収増益が連続していたにも関わらず、当期は横ばい、あるいはこれまでよりも増収増益の幅がゆるやかになると予想されている銘柄等、何らかの形で今後の業績に対して不安材料を抱えているものが多数含まれています。
単にPERが低い銘柄を探すだけなら、ランキングを参照するだけなので容易な事です。
しかし、そんな単純なものではありません。
投資対象をしっかりと探すのであれば、少なくとも日経会社情報や会社四季報等を確認して、その銘柄の業績をこまめに注視しておく必要があるのです。
今後の業績が横ばい、もしくは減益になると予想されている銘柄に関しては、その事を考慮した株価となっています。
実際に、PERが低いのに更に株価が下がっていく銘柄を注視してみると、今後の業績予想が横ばいや減益となっているものばかりです。
このような銘柄については、たとえPERが10倍等の低い水準であっても、そこから株価が上昇する理由も見つからない為、投資対象とするには少々難があると判断できます。
その一方で、PERが極端に低いのに、きちんと利益は得られている銘柄も有ります。
例えば、利益水準については確かに上下があるものの、毎期確実に利益があって業績も安定しているので、さすがにそのPERは低すぎるという印象を受ける銘柄があったとします。ところが、よく調べてみると、その企業の売り上げの半分以上が石油製品であるという事が判明したとします。
しかし裏を返せば、石油製品が売り上げ半分を占めているという事は、その業績は原油価格の変動に大きく左右されるという事になります。
そうなると、将来的に原油価格が高騰した際は業績に大きな変動が生じてしまう事になるので、その点をリスク要因と考える市場参加者が多かったとすれば、PERが低いままとなってしまうのです。

PERが高い銘柄で注意する事

PERが低い銘柄でも、更に株価が下がっていくのと同様に、PERが高い銘柄であっても、更に株価が上がる事は有ります。
その理由もPERが低い銘柄の場合とほぼ正反対で、今後の業績が順調に上がっていき1株当たりの純利益がどんどんと増えていくと予想されているので、数年後には決してPERが高いとは言えなくなるだろう、と予想しているからです。
ただ、PERが高い場合に注意するべき点として、現状高いPERとなっている銘柄の中には、業績以外にも論理的な説明が難しい、プレミアとしての価値が付随しているケースが有ります。
ですが、そのプレミアにはあまり実体がないので、それがはがれてしまったときには株価が大きく下落してしまう恐れがあるのです。
また、業績が良好な銘柄の中には、高成長というプレミアが株価に上乗せされているケースも有ります。
この場合も、高成長に陰りが見えてしまった途端、株価が急暴落する可能性もあるので、気を付けましょう。
PERが高い銘柄に投資をするのであれば、きちんと株価チャートを注視しながら株価が下落トレンドにならないか確認し、下落トレンドになったと思ったら保有株を売却できるように構えておきましょう。

PER以外の判断基準

このように、PERだけを頼りに銘柄を選んでも、上手くいかない事は多々有ります。
そうなると、何を基準に投資する銘柄を見つけていけば良いのでしょうか?
PERが低いのに株価が下がっていく銘柄は、やはり業績が悪化していくと予想されているのがその大きな原因となっています。
投資家の多くは企業の発表値を頼りにその予測をしていて、独自で判断している事はあまり多くありません。
ただ、投資家の中でもプロの投資家であれば、企業の発表値を参照するのではなく、独自に将来の業績を予想して、現状の株価が割安といえるかどうかを判断します。
そこで、そのプロの投資家の予想に便乗していく事で、独自の予想は難しくても企業の発表値を鵜呑みにする必要はなくなります。
ただ、便乗するとはいっても直接質問する事はできないでしょう。
それではどこでプロの投資家の予想を知るのかといえば、株価のトレンドから読み取っていく、という方法があります。
まず、現状PERが低いと思える銘柄を見つけたら、その株価の動きをチャートで注視してトレンドを確認します。
もしもその銘柄が現在上昇トレンドとなっているようなら、プロ投資家もその銘柄を割安と判断して買っている可能性が高くなる為、そのトレンドに乗って自分も新規で買うと良いでしょう。
反対に、現在は下落トレンドとなっているようであれば、プロ投資家が興味を示していない可能性は高いので、買わないでおくと良いでしょう。
また、株価のトレンドに注目する事で、企業が予想業績を現状維持、もしくは微増としているのに対して、自分の予想が増収増益だった場合でも、株価のトレンドに便乗するようにして売買をしていけば、たとえ失敗したとしても損失を抑える事ができます。
企業の業績予想が必ずしも正しいとは限りませんが、それと同様に自分の予想も正しいとは限りません。
これを自分だけで判断しようとしても正解は得られない為、株価のトレンドに合わせる事で市場全体にその正解を問うようにすると良いでしょう。

まとめ

PERは非常に便利な指標では有りますが、これだけに頼っても本当に買うべき割安株を見つけるのは困難です。
これは、計算式にも問題があるのですが、そもそもPER単体での信頼性はあまり高くないという事もその理由として挙げられます。
株価というのは、現在の状況や業績だけで決まるのではなく、先を見通したうえで変動していきます。
こうした先見性はPERに決して反映されない為、単体での判断は危険となるのです。
PERを使って投資するべき銘柄を見つけるには、それ以外にも業績の予想や株価のトレンド等に注視し、場合によっては他の指標とも組み合わせて銘柄を探していきましょう。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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