四半期決算の見方のコツ

株式投資の基本

企業が四半期決算を行うと、投資家が反応して株価は大きく上下します。しかし、この株価の大きな動きというのは投資家が四半期決算を見て受けた印象に基づいた動きであり、いうなれば直観的な反応です。
その後、プロの投資家が冷静に四半期決算を見て判断した結果、最初の動きとは真逆に動く銘柄や、元の水準に戻る銘柄も多いのですが、これはどのような見方をしているのでしょうか?
四半期決算の見方のコツについて、解説します。

業績の推移をチェックする

四半期決算で見るべき点は、業績の推移です。業績を単体で見てプラスであればいいというわけではなく、これまでと比較してプラスとなっている度合いはどの程度か、というところをチェックしていくのです。
業績の推移をチェックするには、大きく2つの方法があります。まず一つ目は、四半期ごとの業績がどのように推移しているのかをチェックすることです。
例えば、第3四半期決算で発表された内容が、前年比20%など2桁増益となっていた場合でも、株価が大きく下落してしまうことがあります。どうしてだろうと不可解に思う人も多いでしょう。そんな時、四半期決算をチェックすることで理由がわかるかもしれません。
例えば、その年の第1四半期の結果が前年度の第4四半期の結果より30%増益、第2四半期単独は第1四半期よりも40%増益となっていたのに、第3四半期単独は5%の増益にとどまった結果、前年比20%増益という結果になったのだとしたら、これまでの成長と比較してその勢いがそがれていると感じることになるでしょう。そうなると、たとえ増益であっても不安材料となり、株価が下がる原因となります。
新聞やネットで見ることができる決算内容は、基本的に累計で発表されることになるので、第1四半期なら第1四半期、第2四半期なら第2四半期だけの数値や四半期ごとの推移などを見るためには、自分で計算して出さなくてはなりません。ずっと確認している銘柄があるのなら、エクセルに表にしてまとめておくと、各四半期ごとの単独決算が出しやすくなります。業績の推移を遡る際は、できれば5年分は欲しいところです。
もう一つの業績の推移の見方は、前年同期と比較する方法です。企業の中には、季節によって大きく売り上げや利益が変動することもあるので、異なる季節の数値は参考になりにくいのです。
そのためには、まず第3四半期には9か月分の業績の累計である数値を登記と前期、前々期、もしくはそれ以上遡って比較して、その上で第3四半期に関しても同じように当期、前期、前々期と比較していくのです。そうすれば、累計では業績が伸びているにも関わらず、第3四半期だけを見ると減益になっている、ということもあり得ます。もしも累計の数値は業績が伸びているのに株価が下がっている時は、このような点が理由となっていることが考えられるのです。
こうして確認していくことで、業績が伸びているのに株価が下がっているような銘柄を見つけた時に買ったものの、株価が回復しないという事態を避けることができます。

業績予想の癖を見つける

企業の業績については、これまでの結果とともに業績予想が出されるのですが、その業績予想には企業によって癖があるため、その癖についても知っておきましょう。
例えば、業績予想が毎回控え目で保守的な企業もあれば、「本当に達成できるのか?」と疑問に思うような強気な数値を打ち出している企業もあります。見通しによって業績は予想されますが、その際も修正をこまめに出す企業と、まったく修正しないまま決算を迎えるような企業もあります。
特に、上方修正が出されることは好材料となるので、こうした企業には注目しておくべきでしょう。上方修正する企業を見つける際は、これまでの実績を踏まえたうえで絞り込んでいきましょう。
ただし、上方修正を出しても株価にはあまり影響しない銘柄も中にはあります。これは、業績よりも違う点に注目して買われている銘柄や、そもそも流動性が低い銘柄などにみられるのですが、こうした銘柄を避けるためには過去の上方修正と、それに伴う株価の反応についてのデータをチェックしてみましょう。
業績を上方修正する可能性が高い企業の候補を見つけるには、まず4月から6月にかけての第1四半期経常利益が、通期計画に対して過去5年の平均を上回る進捗率となっている銘柄を見つけましょう。そして、昨年の年末に通期計画を上方修正していること、上方修正によって株価が5%以上値上がりしていること、第1四半期の経常利益が前年同期比で20%を目安としてそれ以上に増益となっていること、といった条件で絞り込んでください。
この条件に当てはまる銘柄であれば、今後上方修正される可能性も高く、またその結果として株価も大きく上昇することに期待できます。特に、現在は米中貿易摩擦の影響から世界的に景気も減速しつつあります。企業の業績見通しも慎重な姿勢を見せているので、その中で上方修正をする企業には例年以上の注目が集まるでしょう。

銘柄選びの注意点

四半期決算に伴う、銘柄選びの注意点についても解説します。四半期決算の影響で株価が乱高下した後、プロの投資家の判断によって再度株価が動くこととなりますが、タイミングを逃してしまうと通常通りの相場に戻ってしまうので、他の動きに負けないようにいち早く動いておく必要があります。そのためには、まず投資のタイミングが重要となるでしょう。
投資する銘柄を選ぶ際は、冷静に企業分析を行ったうえでチャートなどの動きから直感的に判断する必要があります。企業分析については、過去の業績トレンドや現在およびこの直近の四半期決算の見通し、ROEやPERなどの株価指標、決算が発表された際の市場における業績予想の平均などがあり、証券会社のホームページにある銘柄分析や投資情報などから調べることができます。また、決算時の市場の業績予想に関しては、IFISというサイトで調べることもできます。
直感的な部分で用いるチャートは、テクニカル分析で細かい情報を知ることもできるのですが、別にそこまで行う必要もありません。過去数年分のチャートの形や出来高の推移をみていくと、今後株価がどう動いていくのかがなんとなく予想できるでしょう。あまり難しく考えずに、シンプルな判断をしていくといいでしょう。
最後に、株の売買においてはドライな判断が必要です。単にこのメーカーが好き、この企業を応援したいというのは、その企業に成長性がある場合や、その意見に共感する人が多い場合にだけ有効です。そうでなければ、自分が好きではなくても大多数の人が好きなメーカーや、成長性を感じられる企業にだけ投資するよう判断するべきです。
特に、四半期決算時の投資では値動きが大きくなりやすいことから、長期投資は避けて数日から1か月程度を目途と短期投資になることを前提として投資したほうがいいでしょう。そして、もし予想が外れたと感じた時は即座に見直すようにしましょう。

まとめ

四半期決算時は、株価も大きく動くことが多いので投資の判断も普段とは異なる方法で行わなくてはいけません。その際は、慌てて買いに走るのではなくプロの投資家が判断する方法を参考にして、落ち着いて判断しましょう。
特に、業績の上方修正に期待できる銘柄については、より細かくチェックして上方修正が出た際の株価上昇に期待しましょう。ただ、上方修正されてからでは遅いので、あらかじめ予想しておくといいでしょう。
冷静に判断すれば、勝ちやすい銘柄も見つかりやすくなります。判断は素早く、ドライに行いましょう。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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