総合商社株にはどんな特徴がある?

株式投資の基本

五大総合商社を中心とした総合商社株ですが、そこには共通した特徴があります。取り扱う品目が多岐に渡ることから、どれに影響を受けやすいのかが分かりにくいと敬遠する投資家も多い総合商社株ですが、投資先としての魅力が高いのも事実です。
総合商社株も投資対象にできるよう、その特徴について理解しておきましょう。

総合商社株とは?

総合商社株は、大手総合商社である伊藤忠商事、丸紅、三井物産、住友商事、三菱商事の五大総合商社を中心としています。数は多くはありませんが、時価総額はいずれも上場企業の中でもかなり上位です。
全体的に、PERやPBRといった代表的な株価指数の評価では割安になっていて、配当利回りも3~4%と平均より高いため、長期投資の対象として考えた場合は高い魅力を持っています。
しかし、総合商社株に魅力があって問題ないのであれば、その分投資家からの人気も高くなって株価も上がるはずなのですが、実際には割安のままです。魅力的なはずなのに、なぜ人気がないのでしょうか?その理由は、総合商社株が世界景気敏感株という点にあります。
世界景気敏感株は、世界景気や資源価値などが変動した場合、その影響を強く受けることから、株価が乱高下しやすいという特徴もあるのです。そのため、分散投資をする際に総合商社株にも投資するというのは問題ないのですが、あまりその割合が高くなると不安が残るので、高い割合で保有するべきではないでしょう。
総合商社の場合、特に資源事業がその利益のうち多くの比率を占めています。資源価格が上がることは業績にとって追い風となりますが、技術革新が進んで世界的に資源の供給が拡大しつつある昨今では、原油や石炭、天然ガスといった代表的なエネルギー資源が供給過剰となる構造となりつつあります。現在の資源価格は、世界的に景気が拡大方向へと向かっていることで上昇基調になっているのですが、それがいつまでも続くわけではありません。世界景気が下落基調へと転換した時には、資源価格も下落へと転じるというリスクもあります。その不安があることで、たとえ現在は資源価値が高いといっても商社株の株価には素直に反映されにくいのです。
また、総合商社は国内だけではなく、世界中でビジネスを展開しています。特に、市場が未成熟な新興国で積極的なビジネス展開を見せているのですが、現在は世界景気も後押しして良い結果へとつながっています。
しかし、世界景気は常にいいものではなく、悪化することももちろんあります。影響を受けやすい総合商社株の場合、現在は業績が良好だったとしても、いつ悪化してしまうかが読みにくいことから、株式市場での評価は低く見積もられているのです。どちらかというと、景気の影響を受けにくいIT株や消費関連株などのディフェンシブ株のほうが、株価バリュエーションでは高評価となるのです。
総合商社株は多くの国とかかわりを持っているため、多くのカントリーリスク、地政学的リスクを背負っています。そのリスクの多様性から、手を出しにくいものとなっているのです。

総合商社が影響を受けるもの

それでは、総合商社株がどのような事態に影響を受けるのか、これまでの出来事から見てみましょう。
2015年に原油や銅などの資源価格が軒並み下がってしまったときは、総合商社株にとって逆風となりました。大手総合商社の中でも赤字に転落したところがありましたが、実はそれが1社だけであり、他の4社については堅調となっていたのです。それはなぜかというと、非資源事業において利益拡大となっていたからです。連結純利益が増益となっていたため、資源価格が下落したにも関わらず堅調となっていたのです。これは、総合商社が資源事業の利益ばかりにならないように、非資源事業の利益拡大に何年も前から取り組んでいた成果でしょう。
また、この時は円安だったので、それも利益拡大の追い風となっていました。海外でのビジネス展開が多い総合商社は、その利益にも外貨建てが多いため、円に換算した時は円安の影響で利益が普段よりも大きくなるのです。
また、連結包括利益を見ると、こちらも大幅に増益となっています。総合商社には投資会社としての側面もあるのですが、この投資先は海外にもあります。円安の影響で、海外の外貨建て資産についてもその評価額は日本円に換算すると高くなっているのです。さらに、株や不動産などの投資資産は世界的に値上がりしていたため、その効果もありました。
2017年には、世界景気の拡大によって資源価格は軒並み反発しました。これは総合商社にとって、追い風となる状態です。原油や銅、石炭などの資源価格は、今後の価格についての予想を見ることができますが、しばらく高値が続くようであれば、総合商社株も買い時と言えるでしょう。ただし、あまり長い間保有していると相場が転換してしまうかもしれないので、高値で業績が好調のうちに利益を確定しておいた方がいいでしょう。

総合商社の変化

現在、総合商社はかつてのイメージから乖離しつつあります。かつては資源事業が中心で、資源価格の変動にも大きな影響を受けていましたが、最近では新たなビジネスモデルを展開しています。そのおかげで、資源価値が暴落した時も減損損失は巨額でもある程度で収まり、非資源事業での利益拡大にもつながっていったのです。
非資源事業としては、食品や消費関連ビジネス、海外独立電力事業などがあります。いずれも市場規模が大きく、資源事業とのバランスをとって利益構成を変動させています。
また、カントリーリスクについても調整されていて、特定のリスクを取らず適度に分散して幅広い種類のリスクへと転換しています。
総合商社というのは、事業拡大に対して積極的でス。少子化が進んでいく日本がどう進んでいくべきか、その道しるべとなる成長戦略に総合商社はほとんど手を出しています。総合商社は、資源を独自に持たない日本にとっては、日の丸資源会社となっていて、さらに新興国では発電所や鉄道、上下水道など社会インフラ整備にも力を入れています。
また、すぐには成功しなくても将来的には期待できる、ITや新エネルギー、バイオベンチャー、ロケット事業など、多くの分野へと手を出しています。この姿勢が、総合商社の持つ成長力へとつながっていくのでしょう。
リスクの取り方や事業の内容は、証券会社によって異なります。しかし、共通しているのは、新興国の成長に合わせて取り組みを増やし、リスク管理に関しても分散できるようにしています
こういった動きを見せる総合商社なら、投資対象として考えるのも問題はないでしょう。そうなると、割安で配当利回りも高い総合商社株は非常に魅力的となります。投資する際は、非資源事業の割合などもチェックしてください。

まとめ

総合商社株は、その値動きが資源と連動しやすく不安定なこと、世界景気に影響されやすいことなどから、投資家の間では割安で配当利回りが高いにも関わらず、手を出しにくい銘柄で下。
しかし、非資源産業の割合を増やしたり、将来的に成長すると見込んだ分野へと手を出したりするなど、総合商社はいまだに成長することに意欲的な取り組みをしています。今後、非資源産業の割合が十分に増えて、割安が続きそうな総合商社株を見つけた場合は、投資対象として検討してみてください。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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