2019年11月7日の相場解説
昨日の東京株式市場は日経平均株価が続伸し、投資家のリスク選好姿勢が強まった。
とはいえ、目先が過熱しているとの見方もあり、大型株の中には軟化するものもあった。
一方で、中小型株を物色する動きもあり。
値上がり銘柄数と値下がり銘柄数は拮抗。
紙・パルプ、鉄鋼、海運が強く、食品、情報通信、精密が軟化した。
その後のニューヨーク株式市場は、4日ぶりの小反落。
NYダウは前日比0.07ドル安の27,492.56ドルと横ばい、ナスダック指数は0.29%安、S&P500は0.07%高。
相場のリスクオン姿勢が強まる一方で、これといった材料がなく、利益確定売りが出たことからもみ合いに。
また、昨日はNY原油相場が大幅下落し、エクソンモービルなどエネルギー関連株が売られたことも、昨日の米国市場の上値抑制要因となった模様。
このことから、本日の日経平均株価は上値の重い展開になることが考えられる。
ただ、押し目買いが好業績株や中小型株に入る可能性もあるため、注意が必要だ。
なお、本日の為替動向は、第一段階の米中貿易合意が12月にずれ込むとの報道から、東京時間のドル円相場は軟調に推移する可能性が高い。
円高が日経平均株価の重しとなる可能性に注意したい。
本日のトレンドニュース
米中通商合意署名、12月にずれ込む公算 ロンドンで首脳会談か【ロイター】
米中の「第1段階」の通商合意の署名が12月にずれ込む可能性があると、米政府高官が6日明らかにした。条件や開催地を巡る協議がなお続いているという。
同高官は、第1段階の合意が達成しない可能性もまだ残されているとしつつも、達成する確率の方がより高いと述べた。
合意文書に署名する米中首脳会談の新たな開催地を巡ってはこれまでに数十の候補地が提案されたという。
高官によると、来月3─4日に北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開催される英ロンドンが候補地に上がっており、トランプ大統領と習近平・中国国家主席が同会議に後に署名する可能性がある。
高官はロンドンが「検討されているが、何ら決定はしていない」と述べた。
その他、欧州やアジアの都市が含まれるが、欧州となる公算が大きく、スウェーデンやスイスなどが候補国に上がっているとされる。
トランプ大統領はこれまでに米国内有数の穀倉地帯とされるアイオワ州で署名する可能性を示していたが 、その可能性は排除されたもようという。
また、中国からギリシャとの案が出されているものの、複数の米政府筋はその可能性を否定している。
署名は当初、今月中旬に開催が予定されていたチリ・サンティアゴでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、トランプ大統領と習近平・中国国家主席が合意に署名する算段となっていた。
また、中国が第1段階の合意の一環として求めている対中関税の撤回についても協議される見通しとなっているものの、合意に向けた進展を頓挫させることはないとみられているという。
来年の米大統領選で再選を目指すトランプ大統領が議会の大統領弾劾調査の圧力にさらされていることを踏まえ、中国側は早い時期での合意こそが最良の条件を引き出せるとにらんでいるとみられると、同高官は指摘する。
参考:https://jp.reuters.com/article/usa-trade-china-prospects-idJPKBN1XG2PB
米労働生産性、第3四半期は0.3%低下15年以来の大幅マイナス
米労働省が6日発表した第3・四半期の非農業部門労働生産性(速報値)は季節調整済みの年率で前期比0.3%低下し、市場予想の0.9%上昇に反して落ち込んだ。
2015年第4・四半期以来の大幅なマイナスだった。
17年の税制改革を受けた生産性の基調改善に対する一部の見方が後退する可能性がある。
第2・四半期の労働生産性は当初発表の2.3%上昇から2.5%上昇へ小幅に上方改定された。
第3・四半期の前年同期比は1.4%上昇だった。
07―18年の年間伸び率の平均である1.3%を0.1%ポイント上回るが、1947―2018年の長期平均である2.1%は大幅に下回っている。
生産単位当たりの報酬を示す単位労働コストは3.6%上昇した。
労働時間は2.4%増、生産は2.1%増だった。
製造業の生産性は前期比0.1%低下し、2四半期連続でマイナスとなった。
参考:https://jp.reuters.com/article/usa-economy-productiviy-idJPKBN1XG28C
シカゴ連銀総裁:利下げによって米景気は良好な状態になった【Bloomberg】
シカゴ連銀のエバンス総裁は、今年に入り実施した3度の利下げによって米国の景気は良好な状態になったと述べた。
エバンス総裁は6日、ニューヨークの外交問題評議会での講演後記者団に対し、「リスクマネジメントを考慮に入れた適切な調整を図った」と語った。
総裁は「金融政策の内容は、経済が直面する現実的なリスク対して有効だ」と述べ、「インフレを2%にする上で適切だ」と指摘した。
さらに「今の経済は良好な状態にある」と分析し、「個人消費は非常に力強い。直近のデータもそれを裏付けていると考える」と述べた。
参考:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-06/Q0K834SYF01S01
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【bloomberg】
参考:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-06/Q0K1VPT0AFB401
本日のピックアップ銘柄
イソライト工業【5358】
イソライト工業の2020年3月期2Qは、減収増益となった。
2Q単独(7-9月)の営業利益は前年同期比11.3%増の8.4億円と伸長。
断熱関連事業は各種工業炉向けを中心に断熱関連製品が堅調。
中でも、耐火断熱れんがの売上が拡大し、自動車・半導体関連向けセラミックファイバー向け製品の減収をカバーした。
また、その他事業については、機能性セラミックス製品の売上が拡大した一方、環境緑化製品および建設関連資材が減収となった。
売上高営業利益率は19.9%。今1Qの16.6%、前年同四半期の2Qの17.6%からも伸長。
会社計画では、2Qは14億円だったが、14.8億円と上回る結果となった。
なお、通期会社計画は、営業利益が28億円。
今2Qの結果から、営業利益は通期会社計画を上回る着地となる可能性が高くポジティブ。