クオリティ株投資

株式投資の基本

株には、バリュー株やグロース株など、様々な分類があります。その中でも、特に注目したいのがクオリティ株です。世界的に注目を集めているものの、日本ではまだそれほど注目されていないといわれているクオリティ株投資とは、どのようなものなのでしょうか?
今回は、クオリティ株がどのようなものなのか、という点とともに、クオリティ銘柄に投資するメリットや注意点などを解説していきます。

クオリティ株とは?

クオリティ株というのは、企業としての質が高い株のことをいいます。そして、そういった株を選んで投資するのが、クオリティ株投資です。しかし、企業の質が高いと言われても、ピンとこない人が多いでしょう。企業の質というのは、何も大企業のことを指しているわけではありません。基本的には、次のような要件を満たしている企業であれば、クオリティ株と見なされます。
クオリティ株の要件としては、まず資本コストを超える利益を上げてきた実績を持っていることが挙げられます。簡単にいうと、利益率が高ければよりクオリティが高いとみなされます。また、その際はレバレッジによらない収益力が必要とされ、特に投下資本に対する利益率であるROICを重視して考えます。
貸借対照表が健全であるかどうかも重要です。貸借対照表の内容を確認した時、まずは自己資本と他人資本との比率をチェックします。返済が不要な自己資本が多く、他人資本である負債などが少なければ健全です。そして、負債の内訳として流動負債と固定負債がありますが、そのバランスや流動資産、固定資産などのバランスも確認しましょう。そこで、バランスがとれていればクオリティが高いとみなされます。
その企業が、高い競争力を持っているかどうかもクオリティ株の要件に含まれます。競争力が弱い企業は、他社との競争に負けて売上が落ち込む可能性が高くなります。しかし、高い競争力を持つ企業の場合は競争に負けたとしても一時的なものとなりやすく、すぐにでも復活することが期待できるでしょう。競争力が高ければ、それだけクオリティも高いことになります。
ここまで解説してきましたが、実際のところクオリティ株には明確な基準となるものがありません。要件の中で、具体的な数値で示すことができる部分は少ないので、どちらかというと相対的な判断になります。しかし、その中でも特にクオリティが高い株に関しては、比較しなくても分かりやすいものが多いでしょう。
つまり、クオリティ株投資については、Aよりもクオリティが高いBに投資するというのではなく、誰が見てもクオリティが高いCに投資するというのが正しい方法なのです。

クオリティ株投資のメリット

クオリティ株投資には、高いリターンの期待ができるというメリットがあります。どんな局面であってもベンチマークを上回るリターンに期待できるのですが、特に市場が下落局面となったときでも良好なリターンに期待できるのが、メリットとして大きいのです。
クオリティ株の特性としては、ディフェンシブの傾向が強く見られます。そのため、市場が上昇局面にあるときは他社に出遅れる傾向が強くなり、時には敬遠されがちです。しかし、市場が下落局面になったときには、下方耐性があるため長期的に見ると魅力的なリターンを実現できる可能性が高まるのです。
現在、クオリティが高いと見なされる企業へと投資する際は、その企業の成長性にはあまり期待できません。すでにクオリティが高い企業というのは、十分に成長している企業がほとんどだからです。しかし、株式の株価変動リスクに関しては、下落する可能性が低くなるため長期的な保有によって少しずつ成長していき、収益性の高さから選ばれることが増えるとさらにその傾向は高くなっていきます。そうすれば、株価の上昇はさらに加速していき、配当についても少しずつ増えていくことになるのです。
クオリティ株への投資は、景気サイクルを繰り返していく上でポートフォリオの体制を強化する方法として重要なものとなっていきます。長く投資を続けていくには、景気に左右されない企業をポートフォリオの基礎とすることが重要になってくるため、自ずとクオリティ株が選ばれやすくなるのです。
ただし、クオリティ株の欠点としては、市場が急騰する局面などではそのパフォーマンスが他の銘柄よりも劣る場合がある、という点です。こういった局面では、低クオリティ銘柄こそが高いパフォーマンスを発揮しやすいため、株価の急騰を狙って投資するのであればクオリティ株投資は不向きとなるのです。しかし、長期的な平均パフォーマンスとしてみた場合は、やはりクオリティ株の方が高いパフォーマンスを見せるのです。つまり、長期的な投資を前提とするのであれば、クオリティ株は有効な手段となるのです。

日本の市場におけるクオリティ株投資

クオリティ株かどうかを判断するうえで重要なファクターとして、自己資本と利益率の比率を示すROEという指標があります。この指標は、欧米の株式市場では投資の目安としてかなり重視されているのですが、実は日本の株式市場ではあまり重視されていないのです。
欧米の企業では、ROEの平均が10%台になっています。それに対して、日本の企業は8%程度が平均です。日本企業の収益性は欧米企業よりもその水準が低いのですが、その分日本ではROEの重要性が低くなっているのです。
そのため、日本の株式市場ではROEの高い企業に投資してもリターンが少ない、といわれています。これにより、これまではクオリティ株投資の有効性は欧米市場のものとされてきました。しかし、近年はそれが変化する兆しを見せています。
日本では、アベノミクスが実施されてから徐々に収益性が向上する企業が増えてきています。特に、近年導入されたJPX日経400インデックスでは、ROEが高い企業を多数含んでいます。このインデックスの動向に注目すると、クオリティ株投資の有効性を知ることもできるでしょう。
日本の投資家の投資スタイルにも、変化が見られます。以前は、株式投資の中でも特にデイトレードやスイングトレードなど、短期的な投資に注目が集まっていました。しかし、ここ数年では老後の資産形成を目的として投資を始める人も増えており、長期投資の人気も高まってきているのです。
現在、長期投資の中でも人気があるのはバリュー株投資やグロース株投資です。ただ、これらの投資は結果が出るまでに長い時間がかかり、大きなリターンには期待できるものの確実性にも欠ける面があります。より安全な投資を求める投資家が増えてくると、クオリティ株投資に注目が集まるようになるでしょう。
まだ注目度が低い今だからこそ、先んじてクオリティ株への投資を始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ

収益力が高く、安定した成長を見せる企業を選んで投資することを、クオリティ株投資といいます。クオリティ株には様々な判断材料がありますが、特にクオリティが高い企業の場合はすぐにそれと判断できるでしょう。
クオリティ株投資は、欧米では注目を集めていますが日本の場合はROEの水準が低いこともあってあまり効果的とはみなされず、意味がないと思われがちです。しかし、長期的に見た場合はリターンの確実性も高く、特に下落局面への体制が高いことから長期投資には欠かせないものとなります。長期投資を考える投資家が増えた今、日本でもクオリティ株投資を考えていくべきでしょう。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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