リターン・リバーサル戦略について

株式投資の基本

リターン・リバーサル戦略という、株の投資戦略をご存知でしょうか?これはアノマリーの一種とされている投資戦略で、投資初心者にもおすすめの戦略といわれているのですが、具体的にはどのような戦略なのでしょうか?
リターン・リバーサル戦略について、詳しく解説します。

リターン・リバーサル戦略とは

株価が相対的に下がった銘柄は、その後相対的に上がる、あるいはその逆の動きをする株価の変動を利用した投資手法を、リターン・リバーサル戦略といいます。リターンは収益率、リバーサルは逆転を意味します。つまり、収益率の逆転ということです。簡単に言うと、適正と思われる水準から大きく離れた価格になった銘柄が、将来的に適正な水準へと戻ることを予想して売買を仕掛けるという投資手法です。
株価というのは、様々な要因によって常に上昇、あるいは下落しています。その中で、一時的な材料に対して過剰な反応をする場合もあります。そういった銘柄の株価は、いずれ適正な水準へと戻る傾向があるので、それを前提として銘柄を選別します。
また、下落相場となった時期に市場平均を下回った銘柄であれば、その後株価が戻る相場となった際には市場平均を上回ることが多い、と考えられているのも、この投資戦略の肝となる点です。ただし、長期的に業績不振となり、株価が明らかに下落基調となっているような銘柄に対しては、十分に注意する必要があるでしょう。
リターン・リバーサル戦略に適した時期となるのが、決算発表です。決算発表をきっかけにして、標準的な範囲から乖離する銘柄というのは多いため、その時期には各企業の株価がどう動くのか、注目しておきましょう。決算発表が近づいている銘柄の中で、株価が下落傾向、あるいは上昇傾向にある銘柄を選んでおき、決算発表によって株価が大きく下落、あるいは上昇した際に売買します。あるいは、決算発表の予定日の日付でeワラントを買い付けておくと、損失を限定して利益を狙うこともできるでしょう。
リターン・リバーサル戦略は、株価の動きからわかりやすいので初心者でも実施しやすい投資戦略です。まずは決算発表予定日を把握して、その日に合わせるように株価が上下する銘柄を見つけたら、投資の候補と考えてみましょう。

リターン・リバーサル戦略の注意点

実際にリターン・リバーサル戦略を実行する際には、いくつか注意する点があります。リターン・リバーサル戦略は、簡単で有効な戦力ではあるものの、絶対に成功するというものではありません。その注意点についても、把握しておきましょう。
まず、中途半端な知識でリターン・リバーサル戦略を行うと、大きな損をする可能性があります。かつて、特殊な技術を持った大企業が経営難に陥って株価が下落した際には、このままで終わるわけがないと株価の回復を信じていた投資家もいました。しかし、その後株価はどんどんと下がっていき、倒産も目前という状況にまで追い込まれていたのです。その際は、結局海外企業によって買収されたことで株価が戻ったのですが、これは非常に危ない状況でした。リターン・リバーサル戦略は、しっかりとした知識の元で実施しなければ倒産リスクが生じる可能性もあります。少なくとも、株価が戻ると闇雲に信じるのではなく、損切りをするラインは決めておくべきでしょう。
リターン・リバーサルとは反対の意味を持つ言葉として、モメンタム効果というものがあります。これは、値動きの勢いがそのまま続くという意味です。つまり、株価が下がった際には上がって元の水準に戻るのを待つのがリターン・リバーサルであるのですが、モメンタム効果では下がったらそのまま下がり続け、上がったらそのまま上がり続けてしまうので、元の水準に戻ることを待っていても損失が拡大していくだけとなってしまうのです。
また、投資戦略としても、トレンドフォローという戦略があります。これは、相場の流れに従って売買を行う戦略なので、株価が下がっている銘柄はそのまま下がり続けることを狙って売りから入り、株価が上がっている銘柄は買いから入ってもっと上がることを狙う戦略です。
モメンタム効果も、トレンドフォローも、それが有効な戦略、あるいは信用のおけるアノマリーなので一般的に知られるものとなっています。つまり、これらに合致するような相場の動きをする銘柄に対しては、リターン・リバーサル戦略が役に立たないということになるのです。
アノマリーは、理論的な説明や理由付けが難しいものの、確かに確認されている効果です。そのため、予測することも難しいのです。しかし、多くの情報を集めることによって株価予測の精度は高めることができるでしょう。リターン・リバーサル戦略に限らず、投資戦略を有効に活用するにはしっかりと下調べを行いましょう。

寄り値リバーサル

最後になりますが、リターン・リバーサル戦略の一環として「寄り値リバーサル」という投資手法を紹介します。これは、デイトレードでリターン・リバーサル戦略を実施するための投資手法です。
方法としては、まずTOPIX500などの株価指標の構成銘柄を対象に、その日の引け値をベースにしてすべての銘柄の過去1か月間の株価変化率を算出します。そしてその値を順に並べ、最も変化率が低い方から100銘柄、高い方から100銘柄をそれぞれ選び、翌日の寄りで低い方の銘柄群を買いポジションで持ち、高い方を売りポジションで持つという方法です。
この方法では、企業の業績や財務内容などは一切考慮しません。単に一、定期間の株価の値動きから銘柄を選定するのです。ある意味ボリンジャーバンドやRSIに近く、それよりもシンプルなテクニカル指標といえるでしょう。
この変化率については、1か月ではなく6か月で見る場合もあります。通常、1か月で見る場合は短期リバーサル、6か月で見る場合は長期リバーサルといわれます。特に、高い効果を持っていた短期リバーサルは、これまで日本の株式市場では重宝されていました。しかし、近年ではリターン・リバーサル戦略のパフォーマンスが低くなっているといわれています。その背景には、幾度もの金融危機があります。
世界的な金融危機としては、リーマンショックが有名ですが、それ以外にも欧州債務危機など各国で様々な問題が発生しています。こうした問題が生じたことで、投資家はリターン・リバーサル戦略よりも、リスクが少ないクオリティ投資やETFなどを含めたパッシブ投資へと移行しつつあります。投資家がリスクを避けて、すでに上昇した銘柄ばかりを選んでしまうと、安い株はそのまま放置されてしまいます。そうなるとリバーサル投資は機能しなくなるのです。
そこで、昔と変わらない高い効果を発揮する戦略として考えられたのが、寄り値リバーサルです。これは、前日の引け値から当日の寄り値までの価格変化率に注目し、変化率が低い銘柄を買って高い銘柄を売る、という短期間での変化に注目した戦略です。長期的な変化には信頼が置けなくなったものの、短期的な変化なら確かに以前のような動きが見られるので、その点に注目したものです。ただし、短期間なのでデイトレードで有効な戦略、ということになります。リターン・リバーサル戦略を始めるのであれば、このように短期間で効果を発揮する戦略も考えておきましょう。

まとめ

株の投資戦略には、様々なものがあります。その中で、投資初心者でも実施しやすいシンプルな戦略の一つに、リターン・リバーサル戦略があります。株価の動きに注目し、株価は動きがあってもいずれ元の水準に戻るというアノマリーに注目したシンプルな戦略ですが、必ずしもそのような動きをするとは限らないので、有効に活用するにはやはり企業の業績や財務についても調べておきましょう。
また、短期の株価の変化率に注目することで、デイトレードでも有効な戦略となります。投資をする際は、一度その有効性を確かめてみましょう。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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