景気後退期と株式投資

株式投資の基本

現在、景気は後退期にあるといわれていて、株価指数も下落基調になっています。こういった景気後退期には、株式投資をしづらいと考える方も多いと思いますが、景気後退期こそ株式投資のチャンスと考えている投資家もいるのです。
景気後退期における、株式投資の方法と注意点について、解説していきます。

景気の変化

契機というのは、低迷から拡大、拡大した景気がその高水準を保った状態で横ばいになる高原、後退を繰り返していくものと考えられています。現状の景気がこのうちどの状態であるかによって、投資における戦略は変化してくるため、景気の状態を把握することは非常に重要な意味を持ちます。
現在は、2010年を過ぎてから拡大期にあった景気が高原状態となり、やや後退期に入り始めていると考えられています。過去の例から見る景気後退期を示す特徴がいくつかあるので、その特徴を紹介していきます。
まず、景気が拡大していると物価が上昇し、それに伴って金利も上昇していきます。後退している場合は、反対に金利が下がっていきます。金利には主に、1年未満の短期金利と10年以上の長期金利とがあるのですが、この短期金利が低く長期金利が高い状態のことは順イールドといい、反対に短期金利が長期金利を上回っている状態になると逆イールドといわれます。将来的な景気が現状よりも拡大すると予測されている場合は、利上げが実施されて長期金利が短期金利を上回る順イールド状態になるのですが、今後の景気が後退すると見られた場合は利上げが停止されて、長期金利が急低下することで短期金利を下回る逆イールド状態に陥ります。過去50年の金利の状態を見ると、逆イールド状態が8回生じていて、そのうち7回はその後景気後退局面へと移っています。このことから、金利の逆イールド状態は景気後退局面への前触れと考えることができます。
逆イールド状態になると、すぐに景気後退局面になるわけではありません。過去の例から見ても、平均で13ヵ月ほどが経過してから景気後退局面と判断できる状態に移行しているため、この寄帳を察知したら景気後退局面への備えが必要となるでしょう。
また、日本の重要な貿易相手である米国の景気も、国内の景気に大きな影響を与えることとなるため、米国の景気についても確認する必要があります。米国の景気を知るために注目するべき指標が、米国ISM製造業指数です。
この指数は景気転換の先行指標ともいわれていて、50を超えているうちは景気拡大局面とみられ、50を切るようだと景気後退期に入ったと判断される重要な指標です。2019年に入ってからは50台前半を推移していたのですが、8月にはついに50を切ってしまい、9月にもそのまま50未満の数値となっています。米国でも景気回復に努めるのですが、それでも今後もこの低水準が続くようであれば、株価にも大きな影響が出てくるでしょう。
こういった情報から、景気の変化についてはいち早く察知しておく必要があります。

景気後退期の株式投資

景気後退期に入る見通しとなった場合は、その状態に合わせた株式投資をしていかなくてはいけません。株価は、景気循環よりも半年から1年ほど早く動き始めるため、景気後退期となる前の景気拡大期、高原期から株価は下がり始めます。その後、景気後退期に入ってからも株価は下がり続け、景気後退期が終わって低迷期、景気拡大期へと移行する頃に株価が上がり始めます。そのため、景気後退期の後半というのは株式投資において絶好の狙い目となります。
それとは反対に、景気拡大期の後半というのは最も株式投資に向いていない時期といえます。景気がいいのに株価が下落している場合、一時的な下落ではなくその後景気後退期へと移行することを示しているかもしれないのです。その時に株を買ってしまうと、株価がどんどん下がっていくことになるのでいずれ損切りを視野に入れるか、数年後の景気拡大期に移行するのを待つことになるでしょう。
景気後退期に備えた株式投資では、まず大型の高配当利回り株を狙っていきましょう。以前の高配当利回り株といえば2%から3%が一般的だったのですが、最近の高配当利回り株には5%を超えるものも増えています。これは、財務状況が良好で増配しているものの、景気の先行き不安から株価が低迷していることが多いため、配当利回り水準が徐々に高くなっているのです。
証券会社では、各銘柄の配当利回りを掲載しているので、スクリーニングで配当利回りが高い銘柄を探してみるといいでしょう。ただし、掲載されている配当利回りは今期の配当金と現在の株価から計算されたものであり、場合によっては減配や増配となる可能性もあるため確定したものではありません。また、株価が大きく変動することもあるため、配当利回りが高いだけではなく業績の安定性などもチェックしたほうがいいでしょう。
また、業種や銘柄によっては景気の影響を受けにくいものもあるので、なるべく多くの業種で複数の銘柄へと分散投資することを考えましょう。

中小型銘柄の選び方

銘柄選びの際に、特に中小型銘柄は数が多いため、選ぶのに苦労するでしょう。そこで、景気後退期に投資するべき中小型銘柄の選び方について解説します。
まず、注目するべき点は予想PERです。高PER銘柄は常に避けるべきですが、景気が高原状態から後退期へと移り変わるタイミングでは、特にPERを気にするべきです。そこで、投資する対象は予想PERが12倍以下の銘柄に限定しましょう。
また、その中でも安心感のある銘柄を選ぶために、財務体質が良好であることに注目しましょう。財務体質が良好であれば、自社株買いが行われたり、あるいは配当が増えたりする可能性があるので、狙い目となります。ただし、そのような銘柄を見つけたとしても1つの銘柄に集中して投資してはいけません。多くても、資金の20%までに抑えるようにして複数の銘柄へと分散投資しましょう。
銘柄を選ぶ際は、売上と営業利益を増やしている成長株であり割安な銘柄であること、一時的に利益水準が下がっている銘柄であること、シェアを占めている比率が高く利益率が高い銘柄であること、の3点を念頭に置いて選定しましょう。
現状、売上や営業利益が増えている銘柄であれば今後も増えていく可能性が高く、買ったタイミングが高値であっても保有しているうちに株価へと反映され、いずれ高値が更新されると考えられます。
また、一時的に利益水準が低くなると株価が低迷することとなるものの、通常の利益水準からみると株価が割安となっているため、その要因が過ぎれば株価が回復していくと考えられます。
シェアを占める比率が高く利益率が高い銘柄については、その市場において価格支配力を有しているため、今後の事業の見通しが多少暗くなっていたとしても、現在が低PERとなっていれば株価水準は訂正されていくだろうと考えられます。
個別株への投資では、銘柄によっては業績が良好でも株価が下落したり、決算発表の内容が良好なのに株価が下落したりすることも珍しくありません。しかし、その動きに一喜一憂していると、中長期で利益を積み重ねることは難しくなっていきます。利益が伴っていれば、株価が下がったとしてもその選択を信頼するべきです。株価が下がった際はその要因を確認し、その時点で見切るか保有して上がるのを待つかを考えなくてはいけません。
株価は、最終的にその企業の利益が基準となって決まるものと考えておけば、中長期の投資でも不安にならず上手くいく可能性は高くなるでしょう。

まとめ

景気が悪化してくる景気後退期に入ると、株式投資は難しいというイメージを持たれるようになります。しかし、景気後退期こそ割安の株価を探すのにちょうどいい時期であるという考え方もできます。
ただし、景気拡大期と景気後退期で同じような銘柄選びをしても、上手くいくものではありません。景気後退期には、それに合った銘柄選びをするように心がけましょう。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

おススメの証券会社

株式投資の基本
投資塾~今から始める株のお話~
タイトルとURLをコピーしました