台風から考える防災関連銘柄

株式投資の基本

今年は台風が各地に大きな被害をもたらすこととなり、被災した方には心よりお見舞い申し上げます。
台風によって、工場がストップするなどの被害を受けている企業も多いのですが、その中で防災関連銘柄を中心に、値上がりしている銘柄もあります。
どのような銘柄が、台風によって値上がりするのか解説します。

防災関連銘柄とは?

日本は、毎年いくつもの台風に悩まされています。接近するものが年間で平均11個、上陸するものに限っても平均2.7個といわれていますから、年に2~3回は台風が訪れることを覚悟しなくてはいけません。
今年は特に大きな被害が出ましたが、例年の台風はそこまでの被害が出ることは少なく、台風が頻繁に訪れる地域では対策もしっかりと行われているので、防災関連銘柄といってもそれほどイメージしにくいこともあるでしょう。
防災関連銘柄というのは、台風に備えるような事業内容のものが多いのですが、それには実際に台風が訪れる頃に業績が上がるようなもの以外にも、数年かけて台風への備えをするような事業も含まれます。例えば、国土強靭化政策や電線地中化などをテーマとした銘柄です。
関連するものとして思い浮かぶのは、土木や建設関連株、そして防災グッズ株などでしょう。今回のような被害が出た場合、全国各地で急ピッチの作業が行われるので、復旧作業のために土木・建築関連の企業は大忙しとなり、その分業績も上がります。しかし、その作業に使われている重機は別に、その企業のものばかりとは限りません。
土木作業に用いられるクレーン車、ショベルカー、ダンプカーなどの重機は、レンタルで賄われていることも多いため、土木・建築作業が増えた際はそのレンタルをしている企業の業績も上がることになります。
防災関連グッズは、震災などの時にも注目を集めましたが、非常用持ち出し袋などを製造している企業は注目されるでしょう。他にも、非常用電源、ポータブルトイレ、手回し充電のラジオ付きライト、ソーラーバッテリー、スマホ用バッテリーなど、必要とされるものは数多くあるため、その分関連する企業も増えていきます。
何より、忘れてはいけないのがそれらのグッズを販売しているホームセンターです。最近では家電量販店や大型スーパーでも売られていることが多いのですが、やはり真っ先に思い浮かぶのはホームセンターでしょう。台風が過ぎてからでも、数年前に買ったものの使用期限が切れていたことに気づいた人などが改めて重要性を認識し、買い直すことも増えると思われるので、台風が過ぎた後で売り上げが伸びやすくなると思われます。
また、台風情報予想に関連した銘柄もあります。気象情報を提供する企業は一般的に馴染みがないことも多いのですが、希少アプリを提供している企業などは台風が近づくと加入者が増えるため、業績アップにつながりやすくなります。
防災関連銘柄は、実際に防災が必要とされる頃には株価が急激に伸びるため、台風に備えるのであれば台風が増えてくる6月にはすでに仕込みを終えておき、その後台風が過ぎるまでは保有しておいて被害が生じた際の値上がり時に売却するというのが一般的な投資方法になります。

今後注目が集まる防災関連銘柄

防災関連銘柄は多岐に渡りますが、その中でも今後特に注目が集まると思われる銘柄とは、どれなのでしょうか?
今後、注目が集まる銘柄としては、気象データ関連銘柄が挙げられます。これまでも、気象データは過去のデータを参照しながら予測を立ててきており、その精度は近年かなり高いものとなっています。しかし、最近ではその気象データにAIを組み合わせることで、より精度が高く、細かい点まで予測可能な気象情報を提供できる見込みが高まってきているのです。
また、IoTの普及もこのことに一役買っています。各地にあるIoTセンサーからもたらされる情報がAIによって分析されることで、予報はリアルタイムに更新されていくことになります。気象情報は、台風のシーズンになると大いに注目されることとなりますが、それ以外の時期でも農家をはじめ、必要とする人は多いでしょう。
そもそも、気象データは宝の山ともいわれるほど重要なものですが、日本でそのデータを十分に活用しているとはいえず、まだまだ活用する余地はあるとされています。企業が分析に活用しているデータ量としては、顧客データが46.7%であるのに対して、気象データはわずか1.3%にとどまっているともいわれているのです。
気象情報の分析が進み、あらかじめ正確な予報がわかるようになれば、企業の機会損失や売れ残りの計算も進めることができ、その経済効果はおよそ18兆円にも上る、という試算の結果もあることから、気象データ分析の進歩は急務であるともいえるでしょう。
単純な話としては、「今日は雨が降る」という予報があるとコンビニでは傘売り場を前に出します。しかし、傘が通常通りの数量であれば、売り切れてしまい傘を買いに来たお客を逃してしまうことになるかもしれません。これが1か月前から正確にわかっていれば、あらかじめ傘の在庫を増やしておくことで、売り切れによる機会損失を最小限に抑えることができるでしょう。
気象情報というのはいわゆるビッグデータにあたり、過去数十年のデータをすべて比較していくのは大変なことです。現在の天気図を過去のものと比較して、近い天気図を探し出し、そこから今回の予報を出すことはできますが、それでは細かい差異がどのように結果へと影響するのかと言われれば、そのデータを探すのは難しいでしょう。しかし、AIを利用することでビッグデータの多くを分析することができるようになり、さらにIoTセンサーから収集されたデータも参照することでより精度が高い予報を出すことができます。
IoTセンサーは、現在どんどん増えつつあります。特別に設置されるものもあれば、別の目的で使われる他の機器についているものもあります。IoTセンサーを付けて、賞味期限の管理をする冷蔵庫なども登場しているほどです。そして何より、IoTセンサーとして利用しやすいのがスマートフォンです。ほとんどの人が持っているスマートフォンからデータ収集ができれば、それを分析していくことでリアルタイムに予報を修正していくことができるでしょう。
こうした試みは、データ量が多いほど進歩も早くなるため、気象データを扱う企業では事業提携やM&Aといった動きが活発になりつつあります。また、気象情報企業を買収してAIを利用した新たな試みへと参入してきた、大手IT企業などもあり、にわかに注目を集めている業界となっています。
気象情報は、防災関連銘柄としても注目を集める中で、AIを活用した新たな情報サービスの提供へと取り組んでいることから、台風シーズン以外でも大いに注目される銘柄となるでしょう。防災関連銘柄として気象情報関連銘柄を買った場合は、台風シーズンが過ぎて売るという選択肢の他にも、今後の成長を楽しみにするという選択肢が考えられます。

まとめ

台風のシーズンを迎えると、防災関連銘柄に注目が集まります。直接的に防災へと関連する銘柄も多いのですが、それ以外にも重機をレンタルする企業や、防災グッズを販売するホームセンターなどもその関連銘柄になります。
その中でも、特に最近注目されているのが気象情報関連銘柄です。台風の規模や進路、天気などを予測する気象情報は重要な役割を持っていますが、AI技術の台頭によってその予測精度などはさらに向上すると考えられています。今後の成長を見守るという選択肢も考慮してみましょう。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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