2019年12月17日の相場解説
昨日の日経平均株価は、米中貿易協議に関する問題について、前週末に米中貿易協議の第一段階の合意や15日に発動予定だった制裁関税の見送りが決定したことから、材料出尽くしに。
そのため、日経平均株価は前週末の終値を割り込んでスタートしたが、その後は下げ幅を縮める展開に。
後場に入ると、前日の終値を小幅に上回る場面もあったが、終盤に入ると利益確定売りから再び下げ幅を拡大した。
最終的に日経平均株価は、前週末比70円75銭安の23,952円35銭で取引を終えた。
水産・農林、不動産が強く、ゴム製日、海運業、金属製品、医薬品が軟化した。
NYダウは、前週末の米中貿易協議の第一段階の合意と15日発動予定だった対中制裁関税の見送りより、世界経済の見通しが改善されたことが好感され、買い地合いに。
また、この日発表された中国の11月の鉱工業生産と小売売上高が市場予想を上回ったことも、後押しし、一時前週末比202ドル高となる場面もあった。
これにより、NYダウは市場最高値を更新。
前日比100.51ドル高の28,235.38ドルで取引を終えた。
ドル円は、序盤、1ドル109円台30銭台で推移。
仲値近辺で実需筋によるドル買いが入ると1ドル109円45銭まで上昇する場面もあったものの、その後は上値の重い展開に。
1ドル109円30銭台半ば~109円40銭近辺で推移した。
欧州勢が参加する時間に入ると、NYダウ先物や米10年債利回りの上昇を受けて、ドル円は1ドル109円50銭まで浮上。
しかし、その後はもみ合いとなり、ドル円は1ドル109円40銭台で小動きとなる場面があった。
その後、NYダウの上昇や米10年債利回りの上昇を受け、ドル円も水準を上げる展開に。
ただ、新規材料が見当たらないことから、1ドル109円68銭まで上昇した後は、押し戻された。
最終的にドル円は、1ドル109円46銭~109円56銭で推移した。
本日の日経平均株価は、昨日のNYダウの上昇を受けて堅調に推移するだろう。
また、ドル円もやや円安になったことも、日経平均株価を下支えするとみられ、再び24,000円台を眺める展開になることが考えられる。
本日のトレンドニュース
12月米住宅建設業者指数は76、予想上回る【ロイター】
全米住宅建設業者協会(NAHB)が16日公表した12月のNAHB/ウエルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は76と、前月の71(改定)から上昇し、市場予想の70を上回った。
一戸建て住宅の販売指数は84と、前月の77から上昇。向こう6カ月間の住宅販売予測指数は79と、前月の78から上昇、潜在的な住宅購入者の見方を示す指数は58で、54から上昇した。

米製造業PMI速報値、12月はやや低下予想には一致【ロイター】
IHSマークイットが16日発表した12月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は52.5と、11月の52.6から低下した。市場予想は52.5だった。
製造業の生産指数は52.4、新規受注指数は53.2とそれぞれ11月の53.7、53.6から低下した。サービス部門PMIは52.2。
11月は51.6、市場予想は51.9だった。総合PMIは52.2で11月の52.0を上回った。
新規受注指数は52.5と11月の51.6を上回った。

米国の対中輸出倍増へ、「第1段階」合意受け=カドローNEC委員長【ロイター】
カドロー米国家経済会議(NEC)委員長は16日、米中が通商交渉で「第1段階」の合意に達したこと受け、米国の対中輸出は倍増するとの見通しを示した。
カドロー氏はFOXニュース・チャンネルに対し「米国の対中輸出は倍増する」と述べた。
米中は13日、第1段階の通商合意に至った。
トランプ米大統領は15日に予定していた対中追加関税の発動を見送り、発動猶予と引き換えに中国は米農産物の購入を拡大していくと強調。
中国も15日に予定していた一部の米国製品に対する追加関税の発動を見送った。
英政権、20日にEU離脱法案を議会提出=首相報道官【ロイター】
ジョンソン英首相の報道官は16日、政府が20日に欧州連合(EU)離脱法案を議会に提出し、クリスマスまでに採決に向けた手続きを開始したい考えと述べた。
12日投開票の総選挙でジョンソン首相率いる与党・保守党が下院で単独過半数を握ったことから、離脱法案は可決されるとみられる。
報道官は、新下院議長との同意を得て、「クリスマスまでに手続きを開始する計画」と述べた。離脱法案はEUとの合意を反映した内容とした上で、年明け1月末にEUを離脱し、2020年末までにEUとの通商協定を取り付けることが優先課題と強調した。
また、報道官によると、ジョンソン首相はこの日、トランプ米大統領と電話会談を行った。
声明で「両首脳は米英関係の重要性について協議し、安全保障のほか、野心的な自由貿易協定を巡る交渉を含む貿易面での緊密な連携の継続に期待を表明した」と明らかにした。
ジャビド英財務相も同日、ムニューシン米財務長官と電話会談した。同相の報道官は「ブレグジット(EU離脱)後の将来の好機を巡る両国の協議を見据え、両氏の対話は貿易に焦点が当てられた」と述べた。
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日のピックアップ銘柄
GA technologies【3491】
GA technologies の2019年10月期は増収増益。
売上高が前年比95%増、営業利益が前年比76%増と大幅な増収増益となった。
特に4Qに関しては、過去最高営業利益となる73.9億円(前年同期比170%)を達成した。
大幅な増収増益となったのは、前倒しで投資計画を完了させたことが主因。
同社は中古マンションの売買を行っているが、それを取扱うRENOXYの会員数は拡大しており、システムを内製化しているため、コストも抑制されている。
また、新規セールスの戦力化も実績が出ていることから、今後も成約件数は増加基調になると考えられる。
そのため、中長期的にも高成長が続くと考えられるものの、すでに株価には織り込まれている。
なお、同社は来期の会計基準がIFRSに変更となる。
そのため、のれん償却費がなくなることから、来期は利益が押し上げられる見込み。広告宣
印象としてはポジティブ。