2019年12月20日の相場解説
昨日の日経平均株価は、売り優勢に。
クリスマス休暇に向けて、海外勢がポジションを手じまう動きが強まったことも、日経平均株価の下落要因となった。
ただ、日経平均株価の下値は堅く、下落幅は拡大しづらい展開に。
最終的に日経平均株価は、前週末比69円58銭安の23,864円85銭で取引を終えた。
鉱業、情報・通信、不動産が強く、パルプ・紙、証券・商品先物、その他製品が軟化した。
NYダウは、クリスマス休暇を前に商いが乏しかったが、ムニューシン米財務長官が、午前中に米CNBCテレビのインタビューに対し、対中貿易協議の第一段階の合意署名が年明けの1月初めに実施されることに非常に自信があると発言したことを受け、買い優勢に。
午後に入っても堅調な地合いが続き、NYダウは2日ぶりとなる、終値での史上最高値を更新。
前日比137.68ドル高の28,376.28ドルで取引を終えた。
ドル円は、東京時間の序盤は小動きとなり、1ドル109円50銭台で推移した。
仲根近辺で実需筋によるドル買いが入ったことから、ドル円は1ドル109円68銭まで浮上する場面もあった。
しかし、その後は再び1ドル109円50銭台に水準を下げる展開に。
東京時間の終盤まで、同水準でこう着状態が続いた。
欧州時間に入ると、ドル円はユーロドルの上昇やポンドの下落の影響を受け、円高方向に振れて1ドル109円40銭台まで下落。
さらに、ニューヨーク時間に入ると、この日発表の12月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や7-9月期米経常収支、前週分米失業保険申請件数が事前予想を軒並み下回ったことが嫌気され、1ドル109円43銭まで下落した。
また、11月米中古住宅販売件数や米コンファレンスボードによる11月景気先行指数が事前予想を下回ると、ドル円は1ドル109円20銭を割り込む水準まで下落した。
その後もドル円は上値の重い状態が続いたが、米下院がUSMCAを本日中に採決予定との報道がされると、これを好感し、1ドル109円30銭近くまで戻した。
最終的にドル円は、1ドル109円30銭~109円40銭で推移した。
本日の日経平均株価は、昨日のNYダウはじめ、ナスダック、S&P総合500種が軒並み最高値を更新したことが、買い材料となるだろう。
ただ、海外はクリスマス休暇を前に商いの薄い状態が続くため、積極的に上値を追う展開にはなりにくい。がマイナス圏に沈んだことから、上値の重い展開となる可能性があると考えられる。
本日のトレンドニュース
原油先物3カ月ぶり高値、米中間の緊張緩和や米原油在庫減が支援【ロイター】
米国時間の原油先物は薄商いの中、3カ月ぶりの高値を付けた。
米中貿易摩擦を巡る緊張が緩和する中、前日の米原油在庫の減少が引き続き支援した。
北海ブレント先物の清算値は0.37ドル高の1バレル=66.54ドルと6日続伸。
米WTI原油先物は0.29ドル高の61.22ドル。
ブルー・ライン・フューチャーズのビル・バルーク社長は「市場は12月15日の対中追加関税の見送りと通商面での停戦に満足している」と述べた。
中国財政省はこの日、今月26日から来年12月25日まで関税を免除する米国製品6品目のリストを新たに公表した。

フィラデルフィア連銀業況指数、12月は0.3に低下【ロイター】
米フィラデルフィア地区連銀が19日発表した12月の連銀業況指数は0.3で、11月の10.4から低下し、6月以来の低水準となった。
ロイター調査のエコノミスト予想は8.0だった。新規受注指数が9.4、支払価格指数が19.0と、それぞれ前月の8.4、7.8から上昇したものの、従業員数指数が前月の21.5から17.8に低下した。
業況6カ月予測は前月の35.8から35.2に低下した一方、設備投資6カ月予測は前月の19.4から27.6に上昇した。
JPモルガンのエコノミスト、ジェシー・エジャートン氏は調査結果について「通商政策の進展やリスク資産市場の堅調さを背景とするセンチメントの大幅な回復を明確に示しているわけではないが、一段と悪化する兆しもほとんどない」と述べた。
https://jp.reuters.com/article/usa-economy-phillyfed-idJPKBN1YN28F米
米中古住宅販売、11月は予想超える減少物件不足解消せず【ロイター】
全米リアルター協会(NAR)が19日に発表した11月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.7%減の535万戸となった。
連邦準備理事会(FRB)の一連の利下げで住宅市場は全般的に恩恵を受けているものの、中古住宅市場では物件不足が解消せず、予想を上回る減少となった。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は0.2%減の544万戸だった。
10月の販売戸数は544万戸に下方改定された。前年比では2.7%増。
5カ月連続での増加となった。
FRBは今年は3回の利下げを実施。
連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、30年固定住宅ローン金利は昨年11月に付けたピークから130ベーシスポイント(bp)を超えて低下し、平均3.73%で推移している。
販売は地域によりまちまちとなり、中西部では2.3%増、北東部は1.4%増、南部は3.9%減、西部は3.5%減となった。
11月の販売ペースに基づく在庫の消化期間は3.7カ月。前年同月は4.0カ月だった。
需給バランスを健全に保つにはこの期間が6ー7カ月である必要があるとされている。
販売価格は中央値で前年比5.4%上昇の27万1300ドル。
93カ月連続で上昇した。
NARのバイス・プレジデント、ジェシカ・ラウツ氏は「米国は住宅不足に直面している。より多くの住宅を建設する必要がある」と述べた。
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日のピックアップ銘柄
島津製作所【7701】
島津製作所は、3月に発表した液体黒的グラフ新製品が今後の同社の業績をけん引すると考えられる。
これまで同社は、中国が国による規制強化を行ったことを背景に、計測事業が伸長してきた。
今後はこれまでのような官需から民需にシフトしていき、成長はこれまでよりも緩やかなものになると考えられる。
しかし、液体クロマトグラフ新製品がそれに代わるけん引役になると考えられ、同製品のAIでの活用やマルチ分析機能による分析力の大幅な向上により、既存顧客の同製品へのシフトと新顧客の獲得が期待できる。
なお、同社が重点を置く機種の半分ほどが液体クロマトグラフ新製品であることから、同製品の業績への寄与は大きなものになると考えられる。
印象としてはポジティブ。