2020年1月6日の相場解説
12月30日の日経平均株価は、年末年始の休みの前の利益確定売りが優勢となったことに加え、円高が重しとなり、前日比181円10銭安の23,656円62銭で取引を終えた。
鉱業が強く、金属製品、電気・ガス、建設が特に軟化した。
また、翌12月31日のNYダウはトランプ米大統領が米中合意文書への早期署名を表明したことが好感され、小反発し、前日比76.30ドル高の28,538.44ドルで取引を終えた。
1月2日に欧米の株式市場がスタートし、NYダウは中国の景気刺激策を好感したことから、前営業日比330.36ドル高の28,868.80ドルで取引を終了。
しかし、翌1月3日の取引では、中東情勢の緊迫化により幅広い銘柄が売られ、一転してNYダウが下落することに。
一時370ドル近く下落する場面もあった。
その後、防衛関連銘柄の買い戻しにより下げ幅を縮めたNYダウは、前日比233.92ドル安の28,634.88ドルで取引を終了した。
今回の株価下落の原因となったのは、米国防総省が3日にイラン革命防衛隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害したと発表したことと、それに対し、イランの最高指導者であるハメネイ師がTwitterで報復を宣言したことである。
これにより、地政学的リスクが高まり、市場は一気にリスクオフムードに。
株は売られ、安全資産である円が買われる展開となった。
なお、円は年末にポジション調整によるドル売りにより、1ドル108円60銭台まで円高が進んだ。
年明け1月2日には、中国株の好調により1ドル108円80銭台まで浮上する場面もあったが、上値は重く、米長期金利が低下したことで再び下落。
1ドル108円40銭台まで円高が進んだ。
そんな中、中東情勢の悪化による地政学的リスクの高まりにより、さらに円高が進行し、1ドル107円台まで水準を下げた。
その後、いったん有事のドル買いが優勢となり、ドル円は1ドル108円台を回復する場面もあったが、3日に発表された12月の米ISM製造業景況指数が5か月連続で50を下回り、2009年6月以来の低水準となったことから、円高・ドル安地合いとなったため、再度1ドル107円台まで水準を下げた。
急激にドル安が進んだことからニューヨーク時間の終盤にドルが買い戻されたため、ドル円は1ドル108円台前半まで値を戻して取引を終了している。
中東情勢の緊迫化により、本日の日経平均株価には下押し圧力がかかりやすいと考えられる。
また、2019年の日本の株取引の最終日となった12月30日から、1円以上も円高が進んだことも、株式相場の下押し材料となるだろう。
本日のトレンドニュース
トランプ氏「最新鋭の軍事装備品を投入」…イランが攻撃の場合【読売】
米国のトランプ大統領は4日、イランが米国人や米国の資産を攻撃した場合には「イランにとって非常に重要な52か所の標的を即座に激しく攻撃する」とツイッターへの投稿で強く警告した。
米軍がイラン革命防衛隊の精鋭部隊「コッズ部隊」のスレイマニ司令官を殺害したことに対し、イラン側が報復を予告していることを踏まえたものだ。
52か所という標的の数は、1979年の在テヘラン米大使館占拠事件で人質になった米国人の数と同じにしたという。
「イランやイランの文化にとって極めて高位で重要なもの」が含まれているとしている。
トランプ氏は「最新鋭の軍事装備品をちゅうちょせず投入することになる」とも書き込み、イラン側の行動を強くけん制した。
司令官殺害の舞台となった隣国イラクの治安当局によると、4日夜には、米大使館がある首都バグダッドの旧米軍管理区域(グリーンゾーン)や、米軍が使用するバラド空軍基地などにロケット弾計4発が撃ち込まれた。
イランに近いイスラム教シーア派民兵組織の関与が疑われている。
ポンペオ米国務長官は4日、同盟国のサウジアラビアやイスラエル、バーレーンなどの首脳や閣僚と相次いで電話会談し、イラン情勢を協議した。
イラン側もカタールやトルコなどの友好国と電話で協議した。
一方、ロシアと中国は米国を非難し、イラン擁護の姿勢を明確にした。
中国の貿易交渉団、1月13日のワシントン派遣で調整-SCMP紙【Bloomberg】
中国は米国との貿易交渉における第1段階合意に署名するため、1月13日に代表団をワシントンに送る方向で暫定的に計画している。
香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が関係者情報として報じた。
これによると、劉鶴副首相率いる代表団は16日に帰国する予定。
当初は今月のもっと早い時期の訪米を計画していたが、トランプ大統領が昨年末に突然のツイッター投稿で、15日にホワイトハウスで合意に署名すると表明したことから、中国側は予定を変更せざるを得なかったという。
同紙によれば、米中とも1月中に第1段階の合意が最終的にまとまると見込んでいたが、トランプ氏が一方的に、習近平国家主席が不在にもかかわらず合意書に署名する意向や日程を表明したのは中国側にとって想定外だった。

ドイツ失業者数:12月は8000人増、市場予想の2倍-不透明感脱せず【Bloomberg】
ドイツの失業者数は昨年12月に増加した。欧州最大の経済大国であるドイツの製造業は縮小し、財政出動を求める声には政府が抵抗している。
同国が不透明感からまだ抜け出せずにいることを示している。
ドイツ連邦雇用庁が発表した12月の失業者数は前月比8000人増と、市場予想の増加幅の2倍となった。
失業率は引き続き5%で、過去最低付近で推移している。

【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】
