2020年1月22日の相場解説
1月21日の日経平均株価は、中国で発生した新型肺炎への懸念から円高が進行。
これを嫌気し、日経平均株価は下落した。
また、アジア株が下落したことも、日経平均株価の下押し材料となった。
そのため、日経平均株価は前日比218円95銭安の23,864円56銭で取引を終えた。
建設、パルプ・紙、輸送機器が強く、空運、化学、鉄鋼が軟化した。
同日のNYダウは、中国で感染者が確認された新型肺炎に対する懸念から、投資家のリスク回避姿勢が強まった。
さらに、米国内でも新型肺炎の感染者が見つかったことを受け、NYダウは一時200ドル超下落した。
また、米航空大手ボーイングの新型旅客機「737MAX」について、米当局が6月か7月まで運航再開の承認をしないとの報道を受け、株価が大幅下落したことも、NYダウの押下げ要因となった。
最終的にNYダウは、前週末比152.06ドル安の29,196.04ドルで取引を終えた。
ドル円は、東京時間の早朝は1ドル110円10銭台で小動きとなったが、仲値にかけてドルが買われ、1ドル110円22銭まで浮上。
しかし、マイナス圏で始まった日経平均株価が下げ幅を拡大したことや、新型肺炎への懸念から、香港・上海株が下落したことを受けてリスク回避の円買いが進み、ドル円は1ドル109円90銭台まで下落。
さらに、米10年債利回りが下落したことも、円高を後押しした。
ドル円は1ドル109円89銭まで下落したものの、終盤は日銀の緩和政策への期待が強まり、ドル円は再び1ドル109円90銭台後半で小動きとなった。
ロンドン時間に入ると、欧州株が全面安となったが、英独の指標が改善されたため、ポンドやユーロが買われたことから、円売り優勢に。
ドル円も円安が進み、1ドル110円12銭まで上昇した。
ニューヨーク時間に入ると、NYダウがマイナス圏で始まった後も軟調に推移したことから、ドル円は1ドル109円86銭まで下落する展開に。
また、米国内で新型肺炎の感染者が確認されたことや、それを受けたNYダウの下落により、米10年債利回りが下落。
リスク回避の円買いが優勢となったことから、ドル円は1ドル109円76銭まで下落した。
その後やや買い戻されたものの、ドル円は終始上値の重い展開となった。
最終的にドル円は、1ドル109円82銭~109円92銭で取引を終えた。
本日の日経平均株価は、新型肺炎の感染拡大に対する投資家のリスク回避姿勢の高まりから、下落基調になるだろう。
昨日のNYダウが下落したことに加え、円高が進行したことから、下押し圧力がかかりやすいものと考えられる。
その一方で、感染予防製品を販売している会社の銘柄への人気が高まると考えられる。
本日のトレンドニュース
ボーイング737MAX、年央まで認証ない見通し株価5%安【ロイター】
米ボーイング(BA.N)は21日、737MAX機の運航再開に向けた連邦航空局(FAA)による再認証を年央まで取得できない可能性があるとの見通しを発表した。
飛行制御システムを巡る審査などが理由という。運航再開がさらに遅れる見通しから、ボーイングの株価は約5%下落した。
ボーイングは再認証を巡る新たな日程見通しを航空会社やサプライヤーなどに通知したことを明らかにした上で、「安全な737MAXの運航再開がわれわれの最優先課題であり、運航は再開すると確信している」とした。
さらに、来週発表する四半期決算に合わせ、追加情報を明らかにする方針とした。
FAAも声明で「安全が最優先条項」とした上で「認証作業が完了する明確な日程は設定しない」とした。
マスク大手24時間態勢で増産新型ウイルス肺炎感染拡大で【NHK】
中国で新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎の感染が広がっていることを受けて、国内でもドラッグストアなどからのマスクの注文が急増し、大手メーカーが24時間態勢でマスクを増産しています。
大手日用品メーカーのユニ・チャームでは、今月中旬以降、ドラッグストアなどからのマスクの発注が大幅に増加しました。
今月24日から始まる旧正月=春節の連休に合わせて、日本を訪れる中国人観光客がお土産として日本のマスクを大量に買い込むと見込まれていることなどから、多い日で1日当たりの注文が例年の10倍以上に増えたということです。
注文の急増を受けて、この会社では、マスクを生産する工場を今月いっぱいは臨時に24時間態勢にして、増産にあたる計画です。
米、欧州車に高関税検討トランプ氏、貿易交渉要求【日本経済新聞】
トランプ米大統領は21日、欧州連合(EU)に貿易交渉入りを要求し、合意できなければ欧州車への関税発動を「真剣に検討する」と述べた。
中国などとの貿易交渉が一段落したものの、関税政策を手放さず、EUを次の照準として圧力をかける。
スイスでの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に参加したトランプ氏は21日、EUのフォンデアライエン欧州委員長と会談。
ホワイトハウスによると「貿易交渉に向けた実質的な進展を求めた」という。
トランプ氏は記者団に対して「欧州とは取引できると思っているが、できなければ(関税発動を)極めて真剣に検討するだろう」と述べ、対EU協定の締結に強い意欲をみせた。
米政権は2019年5月、安全保障を理由に輸入制限できる「通商拡大法232条」を基に、自動車関税の検討に入った。
トランプ氏が発動の是非を判断する期限は19年11月だったが、その後も留保したままだ。
日本にも自動車関税の発動をちらつかせて貿易交渉を要求し、農業市場の開放などで米政権は一定の成果を得ている。

【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
東洋合成工業【4970】
東洋合成工業の2020年3月期2Qは増収増益。
主力の感光性材料でロジック向け製品や新規EUV世代向け感光材料が好調に推移したために増収増益となったことや、化成品事業が、スマホ、データセンター向けメモリ半導体需要軟化の影響を受けたものの、先端半導体プロセス向け高付加価値・高純度溶剤製品の増加や香料材料製品が海外を中心に拡販したことで、減収増益となり、全体としては増収増益を達成。
2Q時点での進捗率は、営業利益が64.9%と高進捗。
会社計画を上振れる可能性がある。
それに加え、EUVやArFマルチパターニングフォトレジストや、半導体パッケージ材料等の需要拡大による成長が見込める。
これを受けて同社株は、大幅に株価が上昇したが、すでに現時点での株価上昇材料を織り込んでいると考えられる。
今後、通期業績や中計が上方修正されたり、EUV最高工程数の増加、EUV採用企業数の増加などの材料があればさらなる株価上昇が見込めると考えられる。
印象としてはニュートラル。