2020年1月24日の相場解説
1月23日の日経平均株価は、新型肺炎が中国で感染拡大したことが懸念材料となり、売り優勢に。
新型肺炎の感染拡大により、中国の経済活動の低下につながるのではないかとの見方から、景気敏感株を中心に下落した。
また、中国株の下落や、円高も下押し圧力になった。
そのため、日経平均株価は前日比235円91銭安の23,795円44銭で取引を終えた。
その他製品とその他金融業が強く、情報・通信、小売、化学、銀行が軟化した。
同日のNYダウは、新型肺炎の感染拡大が報じられたことが重しとなり、続落。
WTOが緊急事態宣言を見送ったことから、終盤には幾分買い戻され、NYダウは下げ幅を縮小した。
最終的にNYダウは、前日比26.18ドル安の29,160.09ドルで取引を終えた。
ドル円は、東京時間の序盤、NYダウ先物が50ドル超の下落をしたことから、1ドル109円60銭台まで円高が進行。
東京株式市場がスタートした時には1ドル109円70銭台まで戻したものの、中国の新型肺炎の感染者が571人に増加したとの報道を受け、再び下落。
一時1ドル109円60銭まで水準を下げた。
後場に入って日経平均株価下げ幅を拡大し、終始軟調に推移したことから、ドル円は1ドル109円60銭を割り込む展開に。
中国株が下落したことも下押し材料となり、1ドル109円50銭まで値を下げた。
ロンドン時間に入ってからも、リスク回避の円買いが続き、一時1ドル109円49銭まで下落する場面もあった。
ただ、大きな方向感は出ず、その後は1ドル109円50銭台で小動きとなった。
ニューヨーク時間に入り、ラガルドECB総裁が会見を行い、「ユーロ圏の成長見通しのリスクは依然として下向き」「長期間、非常に緩和的な政策が必要」「インフレが回復しないため、政策を再検討する」と発言したことが材料視され、ユーロが売られる展開に。
この発言を受けてユーロ円が下落した影響がドル円に波及し、ドル円は1ドル109円27銭まで下落した。
しかし、その後、WTOが新型肺炎に関し緊急事態宣言を見送ったことを受け、NYダウが下げ幅を縮小。
ドル円はドルが買い戻されたため、1ドル109円50銭台まで水準を戻した。
最終的にドル円は、1ドル109円44銭~109円54銭で取引を終えた。
本日の日経平均株価は、WTOが新型肺炎の緊急事態宣言を見送ったことを受け、昨日のNYダウが終盤下げ幅を縮小したこと下落したことが好感され、日経平均株価は反発することが考えられる。
ただ、ドル円は1ドル109円50銭台と昨日と同水準のままになっていることや、週末ということもあってポジション解消の動きが強まることが考えられ、上げ幅は限定的なものに留まるとみられる。
本日のトレンドニュース
イギリスEU離脱法案成立今月31日に離脱へ【NHK】
イギリスではEU=ヨーロッパ連合からの離脱に必要な関連法案が成立しました。
来週開かれるヨーロッパ議会で承認を得たうえでイギリスは今月31日にEUから離脱することになります。
イギリスではEUからの離脱に必要な関連法案が22日に上院を通過して議会での手続きがすべて終わり、エリザベス女王の裁可を経て23日、成立しました。
イギリスは2016年に行われた国民投票以来、EUからの離脱の是非をめぐって、社会が大きく分断し、当初、去年3月に予定されていた離脱は3回にわたり延期されました。
しかし去年12月に行われた総選挙で、速やかな離脱を訴えた与党・保守党が圧勝し、議会下院で過半数の議席を獲得したことで、離脱のために必要な関連法案の議会での審議がスムーズに進み、総選挙後に新たに始まった議会で、審議の開始からほぼ1か月で法案が成立しました。
これで離脱に必要なイギリス側の手続きはほぼ終了し、来週行われるEUの議会での承認を経て、イギリスは今月31日にEUから離脱することになります。
中国武漢行きの航空便欠航三国志ツアーも中止【NHK】
中国で新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎の感染が広がっていることから、成田と武漢を結ぶ航空便の欠航や日本からのツアーの中止などの影響が出てきています。
新型コロナウイルスによるとみられる肺炎が中国で広がり、最も状況が深刻な武漢では日本時間の23日午前11時から現地を離れる航空便などの運航が当面、停止される事態となっています。
これ以前の午前10時ごろに現地を出発した中国東方航空の便が、午後1時すぎに成田空港に到着し、マスクを着用した観光客などがターミナルに姿を見せました。
春節に伴って休みをとり、日本を観光するために訪れた20歳の女子大学生は、武漢の様子について「人の往来が少なく、少し不安を感じていました。
現地では手を洗ってマスクを着け、あまり出歩かないようにしていました」と話していました。
家族3人で長野県にある夫の実家に行くという26歳の女性は「子どもが肺炎を移されるのが心配で、飛行機に乗っているときはずっとマスクを着けていました。帰りの便を予約していますが、予定どおりに運航するか分からず、帰国できない場合は別の方法を考えなければなりません」と話していました。
中国の春節に伴う大型連休は24日から始まり、多くの観光客などが日本を訪れるとみられるため、成田の検疫所は引き続き、体の表面の温度を示すサーモグラフィーによる確認を入国するすべての人を対象に実施するとともに、せき止めや解熱剤を服用している場合も検疫官に申し出るよう呼びかけています。
メルカリがスマホ決済のOrigami買収事業統合へ【NHK】
フリマアプリ大手のメルカリはスマートフォン決済を手がける子会社を通じて、同じスマホ決済のOrigamiを買収すると明らかにしました。
スマホ決済は相次ぐ事業者の参入で乱立状態になっていますが、生き残りに向けた再編の動きになります。
発表によりますと、メルカリの子会社でスマホ決済サービスを手がけるメルペイは同じスマホ決済サービスのOrigamiの株式すべてを取得し買収するということです。
株式の取得は来月25日を予定していますが、買収金額は公表されていません。
スマホ決済サービスを4年前に始めたOrigamiはこの分野の草分け的な存在で、現在は全国の19万か所で利用することができます。
一方、メルペイはフリマアプリの売り上げをそのままコンビニなどでの支払いに使えるのが特徴で、170万か所で利用できるとしています。
両社のスマホ決済のサービスは買収後、一定の周知期間を経てメルペイに統合するということです。
スマホ決済は相次ぐ事業者の参入で乱立状態になっていますが、生き残りに向けた再編の動きになります。
また、メルカリは23日、信用金庫の全国組織にあたる信金中央金庫と業務提携を結び、今後、地域の中小の小売店などに共同でサービスの導入を働きかけることも決めました。
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
フリー【4478】
フリーは、クラウド会計ソフト市場に早期参入した後、売上が伸長している。
競合のマネーフォワードに比べ、ビジネス向けに関しては、フリーの売上高、売上成長率が上回っている。
クラウド会計ソフト市場をフリーが市場開拓する余地は高く、今後も売上高については高成長が続くものと考えられる。
ただ、現在の株価はすでに同社の今後の業績成長を織り込んでいる。
今後同社株がさらに上昇するためには、高水準の売上成長率が継続しつつも、営業損失が改善されることが重要である。
あるいは、営業損失が改善されるための道筋がつくことでも、株価上昇要因になるだろう。
懸念すべき点は、今後、クラウド会計ソフト市場に新規参入が相次ぎ、競争が激化した場合である。
そうなると、同社は現在のような高い売上成長率を維持できなくなるだろう。
印象としてはニュートラル。