2020年2月4日の相場解説
2月4日の日経平均株価は、新型肺炎の感染拡大への懸念が後退し、前週末のNYダウが大幅下落したことを受け、売り優勢に。
取引直後に下落幅を400円超拡大した。
ただ、株価下落による値ごろ感から買い戻しが入ったことや、春節明けの上海総合指数の下落幅が想定内に収まったこと、NYダウ先物が上昇したことから、下げ幅を縮める展開となった。
最終的に日経平均株価は前営業日比233円24銭安の22,971円94銭で取引を終了した。
電気・ガスが強く、海運、非鉄金属、証券・商品先物取引が軟化した。
一方、同日のNYダウは、この日発表の1月のISM米製造業景況指数が事前予想の48.5を上回る50.9となり、好不況の分かれ目となる50を昨年7月以来半年ぶりに上回ったことが好感され、上昇。
一時370ドル超上昇する場面もあった。
その後は上値を縮小したものの、底堅く推移した。
最終的にNYダウは、前週末比143.78ドル高の28,399.81ドルで取引を終えた。
一方、ドル円は、東京時間の序盤は1ドル108円50銭前後で推移。
東京株式市場がスタートし、日経平均株価が400円超下げ幅を拡大したものの、ドル円は1ドル108円40銭前後まで軟化して小動きとなった。
NYダウ先物が上昇すると、ドル円は1ドル108円56銭近くまで浮上したが、その後、1ドル108円50銭近辺まで軟化すると小動きに。
欧州勢が参加する時間になると、ドル円は1ドル108円60銭台まで浮上。
ロンドン時間に入ると米10年債利回りの上昇により1ドル108円70銭近くまで強含む場面もあったが、米10年債利回りの上昇が一服したことに加えクロス円の下落や日経平均先物が下落したことで、1ドル108円40銭台に軟化した。
しかし、ニューヨーク時間に入ると、この日発表された1月の米ISM製造業景況指数が50.9と、昨年7月以来となる50を上回る数字となったことに加え、NYダウが360ドル超上昇したことから、ドル円は1ドル108円80銭台まで上昇。
その後NYダウが上げ幅を縮小するとドル円も水準を下げ、1ドル108円60銭台に。
その後、米疾秒予防管理センターが2件目となる、新型肺炎の人から人への感染を発表したことで、ドル円は1ドル108円50銭台に再び下落する場面もあったが、一時的なものに留まり、ドル円は買い戻されて1ドル108円60銭台に浮上。
最終的にドル円は、1ドル108円62銭~108円72銭で推移した。
本日のトレンドニュース
米ISM製造業景況指数、50.9に上昇-6カ月ぶりの活動拡大【Bloomberg】
米供給管理協会(ISM)が発表した1月の製造業総合景況指数は、大幅に持ち直し、市場予想も上回った。
昨年7月以来の活動拡大となり、低迷に陥っていた製造業セクターの成長を示唆した。
活動の拡大・縮小の境目である50をわずかに上回る水準だが、月間の伸びとしては2013年半ば以来で最大だった。
ISMは先週、2012年までさかのぼってデータを修正していた。
ISM製造業総合景況指数は50.9に上昇。
ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は48.5。前月はほぼ4年ぶり低水準の47.8。

米建設支出、12月は前月比0.2%減19年は8年ぶりの減少【ロイター】
米商務省が3日発表した昨年12月の建設支出(季節調整済み)は年率換算で前月比0.2%減の1兆3280億ドルとなった。
民間と公共部門の双方が軟調だったことで市場予想の0.5%増に反して減少。
減少は昨年6月以来初めて。
ただ11月の建設支出は0.7%増と、当初発表の0.6%増から上方修正された。
12月は前年比では5.0%増となる。
2019年は0.3%減。
11年以来の減少となった。
18年は3.3%増加していた。
12月は民間部門が0.1%減。
11月は0.6%増加していた。
工場や鉱業設備などを含む非住宅建設が1.8%減少し、18年11月以来の低水準となったことが重しとなった。
前月は0.5%減少していた。
住宅建設は1.4%増。
伸び率は前月の1.5%からやや鈍化したものの、住宅ローン金利の低下が住宅建設の支援要因となっている。
公共部門は0.4%減。
前月は1.0%増加していた。
州・地方政府は0.6%減。一方、連邦政府は2.1%増加し、12年12月以来の高水準となった。
11月は州・地方政府が0.9%、連邦政府が1.7%、それぞれ増加していた。

原油先物、約1年ぶり安値新型コロナウイルスが需要圧迫との見方【ロイター】
3日の取引で原油先物が下落し、昨年1月以来の安値を付けた。
新型コロナウイルス感染拡大が中国の原油需要に影響するとの見方や、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」が協調減産の拡大を検討しているとのニュースが売りにつながった。
北海ブレント先物の清算値は2.17ドル(3.8%)安の1バレル=54.45ドル。
米WTI先物も1.45ドル安の50.12ドル。
一時、49.91ドルまで下落する場面もあった。
関係筋によると、中国石油化工集団(シノペック)は今月の1日当たりの処理能力を約60万バレル削減。
新型コロナウイルスの急速な感染拡大が燃料需要を押し下げるとの見方が背景という。
また、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で原油需要に影響が及ぶ可能性があるとして、OPECプラスが現在実施している協調減産の規模の日量50万バレル拡大を検討していることが、複数の関係筋の話で明らかになった。
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日のトレンド銘柄ニュース
村田製作所【6981】
村田製作所の2020年3月期3Qは減収減益。
営業利益は3Q累計で前年同期比11%減の2,009億円であったが、通期計画の進捗率は87%と高進捗。
同社は、コロナウイルスの影響が不透明であるとして、通期計画を据え置いている。
なお、3Qの営業利益は795億円。
2Qの588億円から大幅に改善した。
その理由として、2Qで計上した電池事業の減損費用198億円が剥落したことにより、貴金属売却益の減少11億円と棚卸資産の評価に伴う影響20億円の減少を吸収したことが考えられる。
そのため、今3Qは167億円と大幅な増益になったものの、この一過性の影響を除くと、2Q比で40億円程度の増益となった。
なお、3Qの受注は前年同期比9%増、2Q比5%増と5四半期ぶりに前年同期比プラス転換している。
中でもセラミックコンデンサが前年同期比25%増、2Q比33%増と回復を確認。
なお、ピーク時だった2019年3月期1Qの受注と比べ94%となっている。
また、売上についてもピーク時だった2019年3月期3Qの99%水準まで回復している。
5G基地局関連需要が3Qから本格化していることが大きい。
同社は、足元で通信関連受注が底堅く推移しており、4Q売上は計画比を上回る可能性があると予想している模様。
今後、5Gへのシフトの本格化や自動車のCASEの再加速、また、データセンター投資の回復、通信モジュールにおけるシェア拡大が確認できれば、さらなる株価上昇が望めるだろう。
印象としてはポジティブ。