2020年2月18日の相場解説
2月17日の日経平均株価は、新型肺炎のさらなる感染拡大とそれによる世界経済の停滞への懸念から、売り優勢に。
それに加え、2019年10月~12月期のGDPが事前予想の年率換算-3.7%を下回る同-6.3%となったことも株式相場の下押し材料となった。
そのため、日経平均株価は前日比164円35銭安の23,523円24銭で取引を終えた。
ゴム製品、水産・農林が強く、電気機器、金属製品、輸送用機器、銀行が軟化した。
また、同日のNYダウは、米国がプレジデントデーの祝日のため休場だった。
一方、ドル円は、東京時間の序盤は1ドル109円70銭台で小動きに。
東京株式市場がスタートすると、日経平均株価が一時350円超安となったことからドル円は下落。
1ドル109円72銭まで弱含んだ。
また、直前に日本の10月~12月GDPが発表され、前期比、前年比ともに事前予想を大幅に下回るマイナス成長となったことも、ドル円の下押し材料となった。
しかし、中国株が上昇すると、日経平均株価が下げ幅を縮める展開に。
ドル円も1ドル109円85銭近辺まで浮上した。
午後に入るとドル円は小動きに。
1ドル109円80銭台で推移した。
欧州勢が参入する時間になっても、ドル円は方向感のない動きながらも1ドル109円88銭まで浮上。
ただ、この日は米国がプレジデントデーの祝日で休場だったことから、動きの乏しい展開となった。
その後、ロンドンフィキシング付近にドルが全般で強含んだことから、ドル円は1ドル109円96銭まで浮上したが、米アップルが「1月~3月期の売上高ガイダンスを達成すると予想していない」との見解を示すと、株安になるとの見方が広がり、ドル円は再び1ドル109円80銭台まで水準を下げた。
最終的にドル円は、1ドル109円86銭~109円96銭で推移した。
本日の日経平均株価は、前日の米国市場が休場だったため、方向感に欠ける展開になると考えられる。
中国株や為替相場の動向に左右されやすい展開になるだろう。
とはいえ、新型肺炎の感染拡大への懸念が相場の上値抑制要因になることが考えられる。
本日のトレンドニュース
新たな対中貿易規制を米検討、半導体製造機器の使用を制限-DJ【Bloomberg】
米政府は中国に対する新たな貿易規制として、米半導体製造機器の使用に制限を設けることを検討していると、ダウ・ジョーンズが匿名の関係者情報として報じた。
報道によれば米商務省は現在、規定変更案をまとめようとしている。
この変更案に基づくと、中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)向けに半導体を製造する工場は、米当局にライセンスを申請しなくてはならなくなる。
ファーウェイの広報担当者はこの報道についてコメントを控えたという。
トランプ大統領はまだ、この案の評価を下しておらず、政権内が賛成で一致しているわけではないと、複数の関係者がDJに述べた。

“世界の工場”広東省従業員戻れず日本メーカーも出荷遅れ【NHK】
中国で新型のコロナウイルスの感染が拡大する中、日本のメーカーが多く進出する南部広東省では、従業員が帰省先から戻れず、稼働が落ち込んで日本向けの出荷に遅れが出るなどサプライチェーンへの影響が深刻になっています。
「世界の工場」とも言われる広東省でトラックのブレーキやエンジンの部品を製造する自動車部品メーカーの三好次夫会長は、今月14日に工場を再開させました。
しかし、交通規制の影響で帰省先から戻れなくなったり、戻る際に湖北省を通過したため2週間の自宅待機になったりして、従業員140人のうち7割しか出社できていません。
湖北省出身の従業員8人は出社のめどが立たず、このうち製造管理者の男性はスマートフォンのビデオ通話を通じて「街が封鎖され、近所でも2人の感染者が出た。自分も4日間、家から出ていない。早く仕事に戻りたい」と話していました。
会社は製品の7割近くを大手トラックメーカー向けに日本に出荷していますが、人手不足で稼働が落ち込み、一部の出荷に遅れが出ているほか、今月の売り上げは去年の同じ時期の半分程度に落ち込む見通しだということです。
さらに、材料は来月分まであるものの、材料を供給している湖北省にある企業の再開の見通しが立たないため、代替品の調達を行っているということです。
会社は、工場内での感染を防ぐため従業員の体温測定や手の消毒を励行しているほか、食堂では従業員どうしの接触をなるべく避けるため、1つのテーブルに1人だけ座るようにしていました。
また、外務省が中国に滞在する日本人に一時帰国を至急検討するよう呼びかけていることについては、当面は現地にとどまり生産を維持する方針だとしています。
三好会長は「事態は予想以上に深刻で、いつまで続くのか見通しが立たないのが心配です。毎日不安ですが、頑張るしかありません。会社で1人も感染者を出さずに生産を続けていきたい」と話していました。

中国で新型肺炎に新療法、回復患者の血漿投与医師「効果確信」【ロイター】
上海公衆衛生臨床センターの共同ディレクター、盧洪洲教授は17日、新型コロナウイルスの感染者に対し、すでに回復した患者の血漿を投与したところ、試験的な段階だが効果が出ていると明らかにした。
上海市内での感染者は17日時点で332人、死者が1人。
盧教授によると、感染者の184人が入院しており、そのうち166人が軽症、18人が重症という。
同センターが血漿療法を行う専門クリニックを開設し、血漿を提供してくれる患者を選定。
使用の際には、提供患者がB型肝炎やC型肝炎など他の病気に罹患していないかが検査されるとした。盧教授は「この方法が患者に非常に効果的であると確信している」と語った。
世界保健機関(WHO)で緊急事態対応を統括するマイク・ライアン医師はジュネーブで記者団に対し、狂犬病やジフテリアなど他の感染症では回復期にある患者の血漿が「効果的であり、命を救う」ことが証明されており、研究を進める分野として「非常に重要」と述べた。
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日のトレンド銘柄ニュース
ブリヂストン【7832】
ブリヂストンの2019年12月期は減収減益。
OE中心にグローバル全体でのタイヤ需要の減少と、為替差損、一部連結子会社のIFRS第16号適用の影響を受けたものの、概ね会社計画に沿った結果のため、サプライズはない。
来期に関しては、売上収益が前期比1%増の3兆5,500億円、調整後営業利益が同5%増の3,600億円。
為替前提は1ドル108円、1ユーロ121円と2019年12月期よりやや円高傾向。
ただ、値上げに加え、乗用車用、トラック・バス用、鉱山車両用のいずれについてもタイヤ販売を増加させ、これにより円高の影響を吸収する計画となっている。
なお、今回の同社の来期会社計画には新型肺炎の影響は織り込まれていない。
鉱山車両用に関しては、超大型を含めた市販用で新商品を投入する予定であることや、2019年12月期の生産面でのボトルネックが解消されるため、販売が伸長する見通し。
前述のとおり、新型肺炎の影響が織り込まれておらず、外部環境を考慮すると来期会社計画はやや強気。
今後の中期経営計画を確認したいところである。
印象としてはニュートラル。