2020年3月17日の相場解説
3月16日の日経平均株価は、前週末にNYダウが大幅上昇したにも関わらず、続落。
日銀が3年半ぶりとなる追加緩和を決定し、ETFの買い入れ額を2倍すると発表したが、市場の反応は薄く、大型銘柄中心に売りが集中した。
そのため、下げ幅は一時500円超まで広がった。
最終的に日経平均株価は、17,002円04銭で取引を終えた。
銀行、陸運、空運が強く、情報・通信、輸送用機器、電気機器が軟化した。
一方、NYダウは、新型肺炎の米国内での感染拡大を受け、景気悪化への懸念が広がったことから、大幅続落。
FRBが緊急利下げや量的緩和を行ったが、市場の不安は払しょくできず、一時3,000ドル超安となる下げ幅となった。
最終的にNYダウは、前週末比2997.10ドル安の20,188.52ドルで取引を終えた。
東京時間のドル円は、早朝、FRBが1%の緊急利下げを行ったことで、一気に円高が進む展開に。
ドル円は1ドル106円30銭台に水準を下げた。
また、JPモルガンなど米金融大手が自社株買いを停止すると発表したことから、米株価指数先物が大幅下落し、サーキットブレーカーが発動したため、ドル円は1ドル105円70銭まで円高が進む場面もあった。
しかし、仲値近辺で実需筋のドル買いが入ったことや、日銀が午後に金融の金融政策決定会合を開催するとの発表があると、期待感からドル円は106円99銭まで反発した。
いったんドル円はやや弱含む場面もあったが、FRBが株の購入を行うとの観測から、1ドル107円57銭まで浮上。
いったんドル円は売られたものの底堅く推移し、1ドル107円台で小動きとなった。
午後に入り、日銀が金融政策決定会合でETFの購入をこれまでの6兆円から12兆円と倍に拡大すると決定したとの報道があったが、新型肺炎の感染拡大による世界経済の減速懸念を払しょくするには至らないとの見方から1ドル106円50銭台まで下落。
その後も同水準での取引が続いた。
ロンドン時間に入ると、欧州株が下落したことから、ドル円は1ドル105円70銭台まで水準を下げた。
さらに、米10年債利回りも低下したことから、ドル売り・円買い優勢になった。
また、日経先物が下落すると、円買いがさらに加速し、ドル円は1ドル105円30銭台まで水準を下げる展開に。
ニューヨーク時間に入り発表された3月のニューヨーク連銀製造業景気指数が事前予想の5.0を大幅に下回る-21.5になると、ドル円は1ドル105円15銭まで下落した。
さらに、NYダウも2,000ドル超下落する展開となり、取引が一時停止したことも、ドル円の下値押下げ要因となった。
NYダウが下げ幅を縮めると、ドル円は1ドル106円00銭まで買い戻された。
また、G7首脳の緊急ビデオ会談がスタートすると、ドル円は期待感から1ドル106円30銭台まで水準を上げた。
その後のドル円は方向感のない動きが続いたが、NYダウが下げ幅を拡大すると、水準を下げる展開に。
1ドル105円80銭台まで軟化した。
最終的にドル円は、1ドル105円80銭~105円90銭で取引を終えた。
本日の日経平均株価は、前日のNYダウが大幅下落したことから、下押し圧力がかかることが考えられる。
ただ、売られすぎの水準にあることから、下値で拾う動きもみられると考えられ、値動きの荒い展開になるだろう。
本日のトレンドニュース
- 大手デパート各社3月売り上げ大幅減 消費現場にも深刻な影響
新型コロナウイルスの感染拡大で、消費者の間で外出を控える動きが広がっていることなどから、大手デパート各社の今月に入ってからの売り上げは、去年の同じ時期を20%から40%程度下回り、感染の広がりが消費の現場にも深刻な影響を与えています。
大手デパート各社によりますと、大丸松坂屋百貨店の今月1日から14日までの売り上げは、去年の同じ時期に比べて43%減少しました。
また、今月1日から15日までの比較で、三越伊勢丹ホールディングスは34.8%、高島屋は32.9%、そごう・西武は20%から30%程度、それぞれ去年の同じ時期を下回りました。
このうち外国人旅行者の免税売り上げは、各社とも去年の同じ時期に比べて70%から96%下回る大幅な落ち込みとなっています。
こうした状況について大手デパート各社は、外国人旅行者が大幅に減ったことに加え、国内で外出を控える動きが広がっていることが主な要因だと説明していて、新型コロナウイルスの感染拡大が実際の消費の現場にも深刻な影響を与えていることが鮮明になりました。

EXCLUSIVE-東京五輪の7月開催、5月中のコロナ終息必要=仏五輪委会長
フランス・オリンピック委員会のマセリア会長は16日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が5月末までに終息しない限り、2020年東京五輪を予定通り7月に開催することはできないと述べた。
マセリア会長はロイターとの電話インタビューで「新型コロナ危機が5月末まで続くとしたら、東京五輪がどのように(予定通り)開催できるのか分からない」と指摘。「ピークが過ぎ、状況が改善されれば」、少なくとも最悪の事態は免れるだろうと述べた。
また国際オリンピック委員会(IOC)が17日に各国内オリンピック委員会(NOC)と電話会議を行うと明かした。

【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
クリエイトSDホールディングス【3148】
クリエイトSDホールディングスの2月販売実績(月末締め)は、既存店ベースで前年同月比19.8%増、全店ベースで同26.6%増となった。
前年同月より1日多く、かつうるう年で土曜日と、曜日効果がポジティブだったことに加え、マスクをはじめ、様々な生活必需品の需要増加が売上の押し上げにつながった模様。
同社の、6-2月累計の既存店増収率は前年同期比3.8%増と、2020年.5月期通期会社計画(既存店:同0.6%増)を上回っている。
印象としてはポジティブ。