2020年3月18日の相場解説
3月17日の日経平均株価は、前日のNYダウが大暴落したことから、序盤は売り優勢に。
前日比600円超値下がりする場面もあった。
しかし、大幅に値下がりすると、値ごろ感から押し目買いが入り、日経平均株価は上昇。
さらに、NYダウ先物が上昇したことも、買いを後押しした。
しかし、買いが一巡すると再び押し戻され、もみ合いが続いた。
最終的に日経平均株価は、前日比9円49銭高の17,011円53銭で取引を終えた。
パルプ・紙、電気・ガス、水産・農林が強く、鉱業と保険が軟化した。
一方、NYダウは、FRBがCPの購入を、また、トランプ米大統領が国民に現金給付を含む1兆ドル規模の経済対策をまとめたことが伝わったことから、ディフェンシブ株を中心に上昇。
一時1190ドル高を付ける場面もあった。
最終的にNYダウは、前週末比1048.86ドル安の21,237.38ドルで取引を終えた。
東京時間のドル円は、早朝、NYダウ先物が上昇したことから、1ドル106円20銭台に浮上。
東京株式市場がスタートし、日経平均株価が下げ幅を拡大すると1ドル106円10銭台まで弱含んだが、日経平均株価が下げ幅を縮め、プラス圏に転じると、ドル円は1ドル106円60銭台に水準を上げた。
さらに、NYダウ先物が700ドル超上昇すると、1ドル107円台に。
NYダウ先物が急上昇したことでサーキットブレーカーが発動すると、1ドル107円19銭まで円安が進んだ。
しかし、日経平均株価が再びマイナス圏に沈むと、ドル円は一転して1ドル106円70銭台まで弱含む展開に。
日経平均株価がもみ合いになると、ドル円は円売りが一服し1ドル106円50銭台まで下落した。
また、米10年債利回りが上昇幅を削ったことも、ドル円が弱含む原因となった。
その後は様子見ムードとなり、ドル円はもみ合いが続いたが、欧州勢が参入する時間になると、欧州株の反発を見込んだドル買いが入り、ドル円は1ドル107円04銭台まで浮上する展開となった。
しかし、NYダウ先物や米10年債利回りが上昇幅を縮めると、再び1ドル106円60銭台に軟化した。
さらに、欧州株が反発から下落すると、円買い優勢に。
ドル円は1ドル106円30銭まで下落する展開となった。
しかし米国が8500億ドル相当の大規模な経済刺激策を検討しているとの報道がされると、ドル円は一転して上昇し、1ドル106円80銭台を回復。
ニューヨーク時間に入ると2月の米小売売上高が前月比-0.5%と事前予想の+0.2%を大幅に下回る結果となり、変動の激しい自動車を除く小売りは同-0.4%と昨年11月以来のマイナスとなったため、ドル円は1ドル106円72銭まで弱含んだ。
しかし、その後は再び1ドル107円台を回復。
また、この日発表の、米2月鉱工業生産が事前予想の前月比+0.4%を上回る同0.6%になったことから、ドル円は1ドル107円台で底堅く推移した。
しかし、米株式市場がスタートし、NYダウが上げ幅を縮めると、ドル円は1ドル106円85銭まで弱含む展開に。
FRBがCP購入を再開することを発表すると、ドル円は一時1ドル107円48銭まで上昇した。
さらに、トランプ米大統領が現金給付を含む1兆ドル規模の経済対策をまとめたことが伝わると、ドル円はさらに水準を上げ、1ドル107円86銭まで上値を広げた。
最終的にドル円は、1ドル107円62銭~107円72銭で取引を終えた。
本日の日経平均株価は、前日のNYダウが大幅上昇したことに加え、円安も下支えし、堅調に推移すると考えられる。
また、中国がアビガンが新型肺炎に効果があると発表したことから、親会社の富士フイルムHD(株)は上昇しそうだ。
それと同時に、インフルエンザ薬の関連銘柄にも思惑買いが入る可能性に注意したい。
本日のトレンドニュース
米政府 100兆円超の経済対策を検討 企業支援や納税猶予など【NHK】
アメリカのトランプ政権は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済への悪影響を和らげるため、経営が悪化している企業の支援や納税の猶予など、合わせて100兆円を超える大規模な経済対策を検討していることを明らかにしました。
17日の記者会見で、トランプ大統領とムニューシン財務長官が明らかにしました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、経営が悪化している航空や観光などの企業に対する資金支援や、仕事を休んでいる人の納税の猶予などが含まれ、小切手などの形で直接給付する措置も検討しているということです。
対策に要する予算は合わせて1兆ドル、日本円で100兆円を超える異例の大規模になるとしています。
会見でトランプ大統領は「わずか4週間前までうまくいっていたのに、仕事を失ったり、生活費がなくなったりしてはいけない。
今回の措置で経済は大きく成長していく」と述べました。
新型コロナウイルスの感染拡大が実体経済へ及ぼす影響はこれから本格化すると見られる中で、トランプ政権としては積極的な財政出動で影響を和らげたい考えですが、議会側との調整は続いていて、速やかに実施に移せるかは不透明です。

トヨタ、欧州・フィリピンの3工場を稼働停止 新型コロナ拡大で【ロイター】
トヨタ自動車(7203.T)は17日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、ポルトガル、フランス、フィリピンの工場を稼働停止すると明らかにした。
新型コロナの影響でこれらの工場が稼働停止するのは初めて。
新型コロナの感染拡大による現地政府の措置に伴い、ポルトガルは3月16日から2週間、フランスは18日から31日まで、フィリピンは17日から4月半ばまで稼働停止する予定。
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄トレンドニュース
アークス【9948】
アークスの2月販売実績(月末締め)は、既存店ベースで前年同月比7.8%増、全店ベースで同8.2%増。
うるう年により、前年同月より1日多く、かつ土曜日と曜日効果はポジティブであったことも既存店の増収につながったが、前年同月は既存店が同2.0%減と苦戦していたことを考慮すると、そこから徐々に回復してきたことによる売上増加も今回の増収の要因になったと考えられる。
なお、12から2月累計の既存店増収率は前年同期比1.9%増となっていて、2020年2月期4Q(12-2月)の会社計画の既存店増収率の同2.0%増と同程度の水準となっている。
印象としてはニュートラル。