2020年5月11日の相場解説
5月8日の日経平均株価は、新型肺炎による外出制限等の緩和が進むとの期待感により上昇した欧米市場の流れを受けて、序盤に2万円台を回復。
また、ライトハイザー米通商代表部代表とムニューシン米財務長官、劉鶴副首相が電話会談を行ったことが好感されたことも日経平均株価の上昇を後押しした。
最終的に日経平均株価は前日比504円32銭高の20,179円09銭で取引を終えた。
NYダウは、この日発表の米雇用統計が統計開始以来最悪となる失業率14.7%となったものの、事前予想の16.0%を下回ったことから、上昇。
さらに、ライトハイザー米通商代表部代表とムニューシン米財務長官、劉鶴副首相が電話会談を行ったことが好感され、米中対立への懸念が後退したため、NYダウは一時474ドル高となる場面もあった。
最終的にNYダウは前日比455.43ドル安の24,331.32ドルで取引を終えた。
東京時間のドル円は、日経平均株価が上昇したため1ドル106円台半ばまで上昇したものの、日経平均株価が20,000円を割り込むと、ドル買いが後退。
そのため、ドル円は1ドル106円台前半まで下落した。
午後に入り日経平均株価が再び上げ幅を拡大すると、ドル円は円安が進み、1ドル106円46銭まで値を上げる場面もあった。
欧州勢が参入する時間になると、ドル円は膠着状態に。
ただ、この日は英国市場がアーリーメイバンクホリデーのために休場だったことから、ロンドン時間に中は1ドル106円30銭台で膠着状態が続いた。
ニューヨーク時間に入ると、4月の米雇用統計が発表され、失業率は1930年代の大恐慌以降最悪の14.7%となったものの、事前予想の16.0%を下回ったほか、この日にライトハイザー米通商代表部代表とムニューシン米財務長官、劉鶴副首相が電話会談を行ったことから、米中対立の激化への懸念が後退。
そのため、ドル円は円売り・ドル買い地合いとなり、一時1ドル106円72銭まで浮上する場面もあった。
しかし、その後は上値の重い展開が続き、米10年債利回りが低下し、米2年債利回りが0.1032%と過去最低となると1ドル106円39銭近くまで反落した。
終盤、米10年債利回りが上昇すると、再びドル買い優勢となり、ドル円は1ドル106円75銭まで上昇。
さらに、NYダウが一時470ドル超上昇したことも、ドル買いを後押しした。
最終的にドル円は、1ドル106円60銭~106円70銭で取引を終えた。
本日の日経平均株価は、米中対立への懸念から軟調になりやすいと考えられる。
また、米国の雇用関係の指標が悪化したことも、日経平均株価の上値抑制要因となるだろう。
本日のニュース
全日空 新型コロナで経営環境悪化 夏の一時金減額提案【NHK】
全日空は、新型コロナウイルスの感染拡大で経営環境が急速に悪化していることから、この夏、社員に支給する一時金を例年の半分の水準に減額する方針を固め、組合側に提案しました。
全日空は、世界各国の入国制限や日本国内の移動自粛などの影響で、国際線・国内線のおよそ9割が運休や減便になっています。
このため、経営側はこの夏に社員に支給する一時金を減額する方針を固め、組合側に提案しました。
全日空では例年、月例賃金の2か月分を一時金として支給していますが、労働組合と合意すれば、例年の半分の1か月分に減額します。
一時金の減額が決まれば、リーマンショック後に利用者が大幅に落ち込んだ2010年以来となります。
全日空を傘下に置くANAホールディングスは、ほかのグループ会社でも同様に一時金の減額を行い、およそ70億円の人件費を削減する方針です。
ANAホールディングスは、このほかグループの4万2000人の社員を対象に一時的に休みを取らせる「一時帰休」を行うほか、来年春に卒業する大学生などを対象にしたグループの採用活動の一時、中断を決めていて、新型コロナウイルスの感染拡大は、大手航空会社の賃金や採用にも大きな影響を及ぼしています。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200509/k10012423121000.html?utm_int=news-business_contents_list-items_036
マツダ 3000億円規模の融資要請 新型コロナウイルス影響【NHK】
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、自動車の需要が大きく落ち込む中、マツダは、手元の資金を手厚くするため、取引銀行との間で3000億円規模の融資を受ける協議を進めていることが分かりました。
関係者によりますと、マツダは、三井住友銀行をはじめとする大手銀行のほか、日本政策投資銀行などに対して合わせて3000億円規模の融資を要請し、協議を進めているということです。
マツダは、去年からアメリカなどで販売不振が続いていました。
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な需要の落ち込みで、ことし3月下旬から国内外の工場の稼働を一時的に止める生産調整を続けています。
会社としては、現時点では手元の資金に問題はないものの、影響の長期化に備えて資金をより厚く確保しておくねらいがあるとみられます。
自動車業界では、トヨタ自動車が主力銀行に合わせて1兆円の融資枠を設定するよう求めているほか、日産自動車や三菱自動車工業も手元の資金を厚くするために融資の協議を進めるなど、資金面の対策を講じる企業が相次いでいます。

【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
ミネベアミツミ【6479】
ミネベアミツミの2020年3月期は増収減益。
新型肺炎による影響で4Qに94億円のマイナスとなったことや、1Qでタイおよび日本の退職給付、ユーシン経営統合関連費用が発生したことが主な原因である。
4月の月次売上高を確認すると自動車の依存度が高いユーシン以外は前年と同水準となっている。
自動車向け、航空機向けが新型肺炎の影響により1Qは低迷しているものの、データセンター向けは好調、スマホ向けやゲーム向けも巣ごもり需要により堅調に推移している。
1Qは新型肺炎の影響が続くものとみられるが、上記のとおりポートフォリオ効果が出ていることや、2Q以降に新型肺炎の影響が軽減され回復傾向に向かうと考えられることから、印象としてはポジティブ。