2020年5月12日の相場解説
5月11日の日経平均株価は、欧米での経済再開の動きを好感し、買い優勢に。
ただ、利益確定売りも出たことから、午後は買いの動きが弱まり、上値の重い状態となった。
最終的に日経平均株価は前日比211円57銭高の20,390円66銭で取引を終えた。
NYダウは、中国や韓国、ドイツ等で感染者が一転して増加したことから、感染第二波への懸念が広がり、売られる展開に。
午後に入り、ニューヨーク州のクオモ知事が州内の10地域中、北部の3地域で経済再開の基準を満たしたため、一部の業種が再開可能と発表したことが好感され、NYダウは小幅にプラス圏に浮上する場面もあった。
しかし、売り圧力が強く、NYダウは再び下落。
最終的にNYダウは前日比109.33ドル安の24,221.99ドルで取引を終えた。
東京時間のドル円は、序盤、実質的に連休明けとなる実需筋がいることが意識され、ドル買い需要が高まるとの見方から1ドル106円95銭まで浮上。
東京株式市場がスタートし、日経平均株価が上昇すると、ドル円は1ドル107円台を回復する場面もあったが、利益確定売りなどに押され、昼頃には1ドル106円70銭台に下押しされた。
午後に入ると方向感のない動きが続いたが、欧州勢が参入すると再びドル買い優勢となり、ドル円は1ドル107円28銭まで強含んだ。
ロンドン時間中もドルが主要通貨に対し強含んだため、ドル買いが継続し、ドル円は1ドル107円42銭まで円安が進んだ。
ニューヨーク時間に入ると、NYダウが300ドル近く下落する一方で、米10年債利回りが上昇したためにドル円は堅調に推移し、一時1ドル107円55銭まで浮上した。
また、米財務省が過去最大となる420億ドル規模の3年債入札を実施し、最高落札利回りが0.23%と過去最低となったことから、米10年債利回りは上昇。
そのため、ドル円は1ドル107円77銭まで上昇した。
最終的にドル円は、1ドル107円61銭~106円71銭で取引を終えた。
本日の日経平均株価は、米中対立への懸念から軟調になりやすいと考えられる。
また、米国の雇用関係の指標が悪化したことも、日経平均株価の上値抑制要因となるだろう。
本日のニュース
マイナス金利政策、あまり支持せず=米アトランタ連銀総裁【ロイター】
米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は11日、マイナス金利政策について、「政策ツールの中でも弱いものの1つ」との考えを示し、あまり支持していないと述べた。
この他、連邦準備理事会(FRB)は株式の買い入れは行わない公算が大きいとの見方を表明。物価については、「いつかは」上昇に向かうとしながらも、向こう半年から1年の間には起こらないとの見通しを示した。ただ物価上昇が見られたら、FRBは対応すると述べた。
市場では新型コロナウイルスの感染拡大に対応するためにFRBもマイナス金利政策を採用する可能性があるとの見方も出ているが、これまでのところFRB当局者はマイナス金利導入に反対する姿勢を示している。

大手コンビニ3社 先月の売り上げ減少 新型コロナ影響で【NHK】
先月の大手コンビニ3社の売り上げは、去年の同じ月に比べ5%から14%の大幅な減少になりました。
新型コロナウイルスの感染拡大で、オフィス街や繁華街にある店舗の売り上げが落ち込んだことが響きました。
各社の先月の売り上げは、既存店ベースで去年の同じ月に比べて、ファミリーマートが14.8%、ローソンが11.5%、セブン‐イレブンが5%それぞれ減少しました。
コンビニ各社は、緊急事態宣言が出たあとも原則として、通常どおりの営業を続けていますが、人の動きや企業の活動が低調になったため、オフィス街や繁華街の店舗を中心に客数が大きく落ち込んだことが売り上げ減少の大きな理由だとしています。
コンビニ各社は、感染拡大を防ぐ対策を取り、需要が伸びている総菜や冷凍食品の品ぞろえを強化していますが、消費者の外出の自粛で厳しい状況が続きそうだとしています。

【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
イリソ電子工業【6908】
イリソ電子工業の2020年3月期は減収減益。
4Qにコロナウイルスの影響を受けたことが減収減益の要因としては大きいが、会社計画は達成した。
今回の決算でコロナウイルス関係の悪材料はいったん出尽くしたものの、2021年3月期1Qまで影響は残ると考えられるが、同社の株価はすでに底を抜けているため、織り込み済みと考えられる。
そのため、今後株価は徐々に戻すと考えられるものの、限定的なものに留まると考えられる。
印象としてはニュートラル。