2020年5月19日の相場解説
5月18日の日経平均株価は、国内での新型肺炎の新規感染者数の減少や前週のNYダウの上昇を好感したことから、マイナス圏から回復。
一夫緒で、米中対立の深刻化やレナウンの経営破綻などが意識され、上値を追う展開にはならなかった。
そのため、日経平均株価は週末比96円26銭高の20,133円73銭で取引を終えた。
NYダウは、米バイオ医療品のモデルナが新型肺炎のワクチンの臨床試験第1フェーズで、参加者全員が抗体を獲得し、有効性を示すデータを得たと発表。
これにより、ワクチンの早期開発への期待が広がり、NYダウは大幅上昇した。
また、欧米での経済再開活動の動きも、株価の上昇を後押しした。
最終的にNYダウは、前日比911.95ドル高の24,597.37ドルで取引を終えた。
東京時間のドル円は、序盤、パウエルFRB議長がこの日出演のCBSテレビの番組の中で、ETF購入への言及をしなかったことから、1ドル107円20銭台前半で伸び悩む展開に。
東京株式市場がスタートし、時間外のNYダウ先物が上昇したりと株式市場が堅調だった一方で、ドル円は対資源国通貨でのドル安の影響で上値の重い展開に。
そのため、1ドル107円07銭まで下落した。
その後のドル円は膠着状態となり、1ドル107円15銭前後で小動きとなった。
ロンドン時間に入るとドル円は、ユーロドルの買いに支えられて1ドル107円20銭台まで上昇する場面もあったが、上値の重い状態が続いた。
その後、NYダウ先物が堅調に推移したことからドル買いが入ったため、1ドル107円30線前後まで水準を上げたものの、上値の重い展開となった。
ニューヨーク時間に入ると、米モデルナ社が新型肺炎のワクチンの臨床試験第1フェーズに成功したとのニュースが好感され、ドル円は1ドル107円39銭まで浮上。
さらに、NYダウ先物が740ドル高まで上昇すると、ドル円も1ドル107円50銭まで上昇した。
ただ、対ユーロでのドル売りの勢いが強まったため、再びドル円は1ドル107円20銭台に下落する場面もあった。
終盤に入ると再びドルが買い戻され、ドル円は1ドル107円40銭台まで水準を上げた。
最終的にドル円は、1ドル107円27銭~107円37銭で推移した。
本日の日経平均株価は、米中対立などの懸念材料はあるものの、為替が安定的に推移していることや、前週末のNYダウが小幅上昇したことは好感され、2万円をはさんだ動きになりやすいと考えられる。
本日のニュース
SUBARU 生産調整は15万台規模の見込み 新型コロナ影響【NHK】
自動車メーカーのSUBARUは新型コロナウイルスの感染拡大による生産調整が少なくとも15万台規模と、年間の生産台数のおよそ15%に当たるという見込みを明らかにしました。
SUBARUは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、群馬県の群馬製作所の操業を先月半ばから今月上旬まで停止したほか、アメリカの工場でも、今月上旬まで生産の一時停止を余儀なくされました。
18日、電話会議で行った決算会見で、会社は、国内の生産調整は、来月19日まで続ける計画だと説明しました。
そのうえで、日米を合わせた生産調整は少なくとも15万台規模と、年間の生産台数のおよそ15%に当たるとの見込みを明らかにしました。
SUBARUのことし3月期の決算は、売り上げが6%、最終利益が7.9%それぞれ前の年を上回る増収増益でしたが、来年3月期の業績予想は未定だとしています。
中村知美社長は「アメリカ市場が業績に与える影響が非常に大きく、影響を見極めるにはもう少し市場の状況を確認する必要がある」と述べました。
また会社は、影響の長期化に備えて、既存の融資枠の活用や新たな融資によって、18日までに1900億円余りを調達したことも明らかにしました。

米FRB議長「景気回復 来年末までかかるおそれ」新型コロナ【NHK】
アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、景気回復は来年の終わりまでかかるおそれがあるという見通しを示しました。
FRBのパウエル議長は17日、CBSテレビで放送されたインタビューで、新型コロナウイルスの感染拡大で悪化した景気の先行きについて「回復にはしばらく時間がかかるだろう。来年の終わりまでかかる可能性もある」と述べました。
そのうえで「景気が完全に回復するためには、人々が確信を持つ必要があり、ワクチンの開発を待たなければならないかもしれない」と述べ、ワクチン開発の状況が景気回復にも影響する可能性があると指摘しました。
さらに失業率について、1930年代の世界恐慌の時と同じ水準の25%まで悪化するおそれがあるのかという質問に対し、「さまざまな見方があるが、ピークでそれくらいではないか」と述べ、先月、14.7%となった失業率が、さらに悪化する可能性もあるという厳しい見方を示しました。
アメリカの多くの州では、感染拡大のピークは過ぎたとして経済活動を再開させる動きが始まり、経済や雇用の回復への期待が出ていますが、FRBとしては感染の第2波への警戒もあり、慎重な見方を示した形です。

【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
住友ゴム工業【5110】
住友ゴム工業の2020年12月期1Q(1-3月)は、 1Qの営業利益が前年同期比54%減の27.5億円となった。
新型コロナウイルスの影響を受けたため大幅減益となったが、その影響の82億円を除くと、営業利益は110億円程度となり、期初時点での上期会社計画の165億円に対して良好な進捗であると考えられる。
北米やインドネシアなどで市販用タイヤの販売が良好であったこと、費用の抑制効果があったことが寄与したと考えられることはポジティブ。
ただ、先行きに関しては不透明で、会社側は通期計画について、配当予想も含め未定としている。
中国に関しては好調で、現状は当初計画を上回る水準へ回復している模様。
一方で、中国以外の北米やインドネシアなどの地域では、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が残っており、販売が減少している。
2Qに反映される見通しであり、これらの地域での販売回復のタイミングや水準の確認が必要である。
また、1Qは原材料安メリットが同業他社相対で大きかった模様で、これが持続するのかどうか、ということやや下期にかけての価格とのバランスを見極める必要がある。
印象としてはニュートラル。