2020年6月3日の相場解説
6月2日の日経平均株価は、昨日のNYダウの上昇を受けて、強含み。
幅広い銘柄が買われ、前日比263円22銭高の22,325円61銭で取引を終えた。
NYダウは、白人警官により黒人男性が死亡した事件を受けた抗議デモが全米に広がっていることが懸念されたものの、経済活動が低調な都市部を中心に起きていることから、市場への影響は限定的なものに。
そのため、NYダウは経済活動再開への期待感から続伸し、前日比267.63ドル高の25,742.65ドルで取引を終えた。
東京時間のドル円は、米国でのデモの激化を受けてNYダウ先物が下落したことから、円買い優勢に。
1ドル107円50銭台まで下落したものの、下値は堅く、1ドル107円60銭台まで浮上した。
午後に入り、日経平均株価が290円近く上昇すると、ドル円は1ドル107円75銭まで上値を伸ばす展開に。
欧州勢が参入すると、アジアや欧州株が堅調に推移したことから、1ドル107円84銭まで円安が進んだ。
その後はもみ合いとなり、ロンドン時間中のドル円は、1ドル107円70銭台で小動きとなった。
しかし、ニューヨーク時間の直前にはクロス円や欧州株高が後押しし、ドル円は、1ドル108円47銭まで浮上。
重要な節目となる200日移動平均水準である108円37銭を突破したため、リスクオンムードとなった。
そのため、ドル円は買い優勢となり、1ドル108円71銭まで上昇する場面もあった。
最終的にドル円は、1ドル108円64~108円74銭で推移した。
本日の日経平均株価は、NYダウの好調と円安の進行が好感され、買い地合いになりやすいだろう。
本日のニュース
金融商品「CLO」のリスク管理徹底を 日銀と金融庁【NHK】
信用力が低い海外の企業向けのローンを集めて作られたCLOと呼ばれる金融商品を日本の金融機関が多く保有していることから、リスク管理を徹底するよう求める報告を日銀と金融庁がまとめました。
新型コロナウイルスによる経済の落ち込みが長引く場合の損失に注意が必要だと指摘しています。
CLOは、信用力が低い企業向けのローンを集めたためリスクがある分利回りが高い金融商品で、IMF=国際通貨基金などによりますと世界全体の残高の80兆円余りのうち日本の大手金融機関が13兆8000億円を保有しています。
日銀と金融庁の報告書は日本の金融機関が保有しているCLOは99%が最も格付けが高いAAAで、4分の3は途中で売却せず満期まで保有する計画となっているため、直ちに損失を抱えるリスクは高くないとしています。
しかし新型コロナウイルスによる経済の落ち込みが長引いたり、ことし3月にみられたような世界的な金融市場の混乱が再び起こった場合は注意が必要だとしています。
特にCLOが格下げされた場合は価格が大きく下がり、会計のルール上、損失処理を迫られるおそれがあると指摘しています。
日銀と金融庁はCLOの元となっている企業向けローンが不良債権化していないか細かくチェックするなどリスク管理を徹底するよう促しています。

香港ドルの米ドルペッグ制、国家安全法制定で崩壊も 英が警告【ロイター】
英政府は2日、香港の統制強化に向け中国政府が制定を目指している「権威主義的な」国家安全法により、香港ドルの米ドルペッグ制が崩壊しかねず、中国の評判を損なう恐れがあると警告した。
ラーブ外相は議会で「中国には再考する時間がある。香港の自治を尊重し、自国の国際的な責務を順守し、瀬戸際から一歩後退すべきだ」と指摘。
そうしなければ、「長期にわたり経済面で輝かしい功績となっていた」香港ドルの米ドルペッグ制が崩壊するという「悲しい現実」を目の当たりにするかもしれないと述べた。
また国家安全法は1984年の中英共同宣言で認められた「一国二制度」に反しており、香港基本法第23条にも抵触するとした。
一方で、中国が方針を変更する可能性は低いと警告。
中国政府が国家安全法制定に向けまい進すれば、英国は他国と同盟を結び、説得に当たるとしたほか、英国海外市民旅券(BMO)を保有する香港人に対し、英市民権を獲得する道を開くとした。
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
王将フードサービス【9936】
王将フードサービスの5月の既存店売上高は、前年同月比11.9%減、既存店客数は同24.1%減、既存店客単価は同16.1%増で1,109円となった。
4月の既存店売上高は同21.7%減、既存店客単価は同11.0%増、既存店客単価は1,066円だったことを踏まえると、減収幅や客数の減少幅が縮小している。
さらに、客単価も上昇しているが、その原因はテイクアウトとデリバリーである。
同社は東日本100店舗で缶ビールの持ち帰りができるサービスを開始し、それが奏功したことも、客単価の上昇の原因になったと考えらえる。
新型肺炎による売上の減少などの底は抜けたとみられるが、まだ本格回復には至っていない。
それでも、テイクアウトなどで新たな需要が増えたことはポジティブ。
印象としてはニュートラル。