2020年6月8日の相場解説
6月5日の日経平均株価は、利益確定売りに押されたため、反落してスタート。
しかし、その後は景気敏感株を中心に押し目買いが入り、プラス圏に浮上した。
最終的に日経平均株価は前日比167円99銭高の22,863円73銭で取引を終えた。
NYダウは、この日発表の5月の米雇用統計が発表され、失業率が事前予想の19.0%に対し13.3%と大幅に予想を上振れた上、4月からも改善したことが好感され、買い優勢に。
また、トランプ米大統領が給与税減税を議会に求めると表明したことや、中小企業の給与費を肩代わりする雇用維持制度の拡充法案に署名したことも、NYダウの上昇を後押しした。
そのため、NYダウは前日比829.16ドル高の27,110.98ドルで取引を終えた。
東京時間のドル円は、日経平均株価がマイナス圏でスタートしたのとは対照的に、五十日(ごとうび)によるドル買いで、1ドル109円23銭まで上昇。
しかし、買いの勢いは続かず、1ドル109円05銭まで下落した。
日経平均株価が下げ幅を縮めると、ドル円は1ドル109円10銭台まで浮上したものの、この日は米雇用統計が発表されるとあって様子見ムードとなり、小動きに。
後場に入りプラス圏に浮上した日経平均株価が終盤も堅調推移し、さらには時間外のNYダウ先物が堅調に推移すると、ドル円は再び上昇し、1ドル109円31銭まで上昇。
欧州時間に入ると、米系筋の買いが入ったことからドル円はさらに上値を追い、1ドル109円42銭まで円安が進んだ。
ロンドン時間に入ると、NYダウ先物や日経225先物が上げ幅を縮小したため、ドル円は1ドル109円17銭前後まで弱含み。
ただ、欧州株高となったことから、ドル円は1ドル109円20銭前後で下げ渋り、その後は米雇用統計を前に、同水準で膠着状態となった。
ニューヨーク時間に入ると米雇用統計が発表され、失業率が事前予想の19.0%に反して13.3%となり、4月の14.7%から改善されたことが好感され、NYダウが一時1,000ドル超上昇。
これを受けてドル円も円安が急速に進み、ドル円は1ドル109円85銭を付ける場面もあった。
その後もNYダウの堅調を受けてドル円は1ドル109円70銭台で推移したものの、1ドル110円がレジスタンスとなったことでドル買いが一服。
そのため、1ドル109円60銭台に軟化した。
最終的にドル円は、1ドル109円54銭~109円64銭で推移した。
本日の日経平均株価は先週の米雇用統計の結果を好感し、日経平均株価は買い優勢になると考えられる。
各国の金融緩和策や日銀のETF購入が株価の下支え材料となるだろう。
本日のニュース
米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週連続で過去最低=ベーカー・ヒューズ【ロイター】
エネルギーサービス会社ベーカー・ヒューズが発表した6月5日までの週の米国内石油・天然ガス掘削リグ稼働数は、前週比17基(6%)減の284基となり、新型コロナウイルス流行による需要急減と価格急落を背景に1940年の統計開始以来の最低水準を5週連続で更新した。
リグ稼働数は前年比で71%減少。
原油価格の持ち直しを受けて一部の生産会社が減産計画を変更し始めているものの部分的な動きにとどまっており、アナリストは米エネルギー会社が年内は引き続きリグの稼働を取りやめ、2021年と22年の稼働数も低水準にとどまると予想している。

ネット金融大手SBI 地方企業支援で3銀行と新会社設立へ【NHK】
新型コロナウイルスの影響で厳しい状況が続く地方の企業を支援するため、ネット金融大手のSBIホールディングスが政府系の金融機関や大手銀行などと共同で新会社を作り、販路の拡大や新分野への進出を後押しすることになりました。
関係者によりますと、ネット金融大手のSBIホールディングスは日本政策投資銀行と新生銀行、それに山口県の地方銀行、山口フィナンシャルグループと共同で新会社を設立する方針です。新会社はSBIが50%以上を出資して設立し、近く4社で基本合意する見通しです。
新会社はそれぞれの会社の営業網やIT関連の技術などを生かして新型コロナウイルスの影響で厳しい状況に直面している地方の企業が販路を拡大したり新分野へ進出したりするのをアドバイスします。
またITと金融を融合したフィンテックを生かした決済サービスなどを地方の別の金融機関に提供することにしています。
SBIは福島銀行や島根銀行など地方銀行との提携を広げ、地域での顧客の開拓を強化しています。
政府系、大手、地方の銀行と新たに手を組むことで地方の企業に対する支援を手厚くし、みずからのビジネスにもつなげていくねらいです。
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
丸和運輸機関【9090】
丸和運輸機関は2017年にアマゾンジャパン向けの業務を開始したことで業績が拡大したことから、株価も上昇した。
今回の新型肺炎によりインターネット通販の需要が拡大しているため、同顧客向けの業務は拡大し、2021年3月期以降もその傾向は続くとみられる。
その一方で、2021年3月期はココカラファインの物流業務受託とそれに伴う人材採用を行うことから、関連コストが増加するとみられる。
また、マツモトキヨシのインバウンド減少とそれによる売上減少で、同社の取扱数量も減少するとみられる。
さらに、新型ウイルス対応による生産性低下も懸念される。
このことを考慮すると、同社の現在の株価は上がりすぎていると考えられる。
これ以上株価が上昇するためには、マツモトキヨシの業績改善と取扱数量の増加、アマゾンジャパンの業務のさらなる拡大、生産性の改善などが確認されなければならない。
印象としてはネガティブ。