2020年6月17日の相場解説
6月16日の日経平均株価は、前日にFRBが発表した個別企業の社債購入を購入し、上昇。
また、昼頃にはトランプ米政権が1兆ドル規模のインフラ支出をするとの報道があったことに加え、日銀が新型肺炎対応の資金繰り支援策として、資金繰り支援プログラムを110兆円超規模に拡大すると発表したことも好感され、上げ幅を拡大した。
そのため、日経平均株価は前日比1,051円26銭高の22,582円21銭で取引を終えた。
NYダウは、この日発表の5月の米小売売上高が大幅増加したことから、景気に対する懸念が後退し、上昇。
また、トランプ米政権が1兆ドル近いインフラ投資を計画しているとの報道も、投資家の懸念が緩和する材料となった。
そのため、NYダウは前日比526.82ドル高の25,763.16ドルで取引を終えた。
東京時間のドル円は、日経平均株価が前日比プラス圏で寄り付き、上昇したことから、1ドル107円50銭まで浮上。
しかし、対オセアニア通貨を中心にドル安が進んだことから、上値が抑えられ、1ドル107円30銭台で推移した後、1ドル107円23銭まで軟化する場面もあった。
再び1ドル107円30銭台に浮上したドル円は、昼前に日銀金融政策決定会合で、日銀が資金繰り支援プログラムを110兆円超規模に拡大することを決め、円・外貨供給、国際買い入れ・ドルオペを無制限に行うことを決定すると、1ドル107円40銭台に浮上。
さらに、トランプ米政権が1兆ドルのインフラ支出を検討との報道を受けると、ドル円はドル買い地合いとなり、1ドル107円60銭台に浮上した。
後場に入り日経平均株価が続伸したことがドル円を下支えし、ドル円は1ドル107円50銭前後で推移。
ただ、日銀の資金繰り支援プログラムの拡大の発表で円売りは一巡したため、その後のドル円はもみ合いが続いた。
終盤、南北朝鮮境界線で爆破があったとの報道がされると、ドル円は小幅に売られ、1ドル107円30銭台まで軟化した。
ロンドン時間に入るとドル円は1ドル107円20銭台~30銭台前半で推移し、上値の重い状態に。
ニューヨーク時間に入ると、この日発表の米経済指標が強弱まちまちだったことから、ドル円はもみ合いに。
また、対ユーロでドル買いが進んだことも、もみ合いの原因となった。
その後、対ユーロでのドル買いが緩むと、ドル円は1ドル107円21銭まで下落。
方向感のない動きが続き、最終的にドル円は、1ドル107円28銭~107円38銭で推移した。
本日は、前日の急騰の利益確定売りに押され、下落しやすいと考えられる。
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本日のニュース
鉄鋼需要減少「再編ではなく生産能力削減を」日本鉄鋼連盟会長【NHK】
日本鉄鋼連盟の会長に就任した日本製鉄の橋本英二社長は記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大による鉄鋼需要の減少に対して、経営統合などの再編ではなく、まずは各社が生産能力削減といった対策を徹底すべきだという考えを示しました。
日本鉄鋼連盟の橋本会長は、新型コロナウイルスの感染拡大が鉄鋼需要に与える影響について「国内海外ともに需要の減少は大きい。回復は見通せず、今年度の粗鋼生産量は前の年の9割程度の8000万トンを下回るだろう」と述べ、鉄鋼製品の需要はすぐには回復しないという厳しい見通しを示しました。
そのうえで、国内の大手鉄鋼メーカーの再編が必要になるという指摘があることについて「再編が生き残る答えだとは個人的には思わない。まずは各社が抱える余剰生産能力を徹底的に絞ることが必要だ」と述べ、経営統合などの再編ではなく、まずは各社が生産能力削減などの対策を徹底して行うべきだという考えを示しました。
鉄鋼業界は世界的な鉄鋼需要の減少で、国内の大手3社のことし3月期の決算がそろって最終赤字となり、厳しい状況が続いています。
このため日本製鉄が広島県呉市の製鉄所の閉鎖を決めるなど、各社は生産能力の削減を相次いで打ち出しています。

株式相場「過大評価」との見方、買い意欲は強く=バンカメ調査【ロイター】
バンク・オブ・アメリカが16日に公表したファンドマネージャー対象の月次調査によると、98%の投資家が株式相場について過大評価されているとみている。各国の景気刺激策により株式相場は3月の安値から記録的なペースで持ち直した。
各国が数兆ドル単位の刺激策を導入したほか、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための封鎖措置が徐々に緩和される中、世界の株式相場は3月に付けた数年来の安値から38%持ち直した。
こうした高揚感に伴い現金が運用資産に占める割合は6月に4.7%と、5月の5.7%から低下。2009年8月以来の大幅な低下だった。
現金保有率の低下は、景気低迷が長引くという不安が後退したことも一因だ。景気後退(リセッション)の長期化を見込んでいるとの回答は46%。
4月は93%だった。
ただバンク・オブ・アメリカは、新型コロナ感染第2波が「最大のテールリスク」と投資家がみていることから、最近の強気相場は不安定だと指摘。
実際、中国・北京市での集団感染発生を受け、株式と原油は15日に一時値下がりした。
不安が漂う中でも投資家の買い意欲は強い。調査によるとヘッジファンドの株式のエクスポージャーは52%と、前月の34%から上昇し、18年9月以来の高水準を付けた。
バンク・オブ・アメリカによると、割安とされるバリュー株の最近の値上がりを演出したのは売り持ち高を抱えた投資家による積極的な買い戻しだ。
テクノロジーと成長株が2カ月連続で「最も取り引きが多い」分野だった。
調査は総合資産運用額が5980億ドルの212人のファンドマネジャーを対象に行われた。
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
新光電気工業【6967】
新光電気工業は2021年3月期に減価償却費を前期比43億円増加させるが、FC-BGA基板を増産させ、ミックス改善も見込めるため、今期は増益になると考えられる。
来期も減価償却費が増加する可能性があるため、増益幅は縮小すると考えられるが、2023年3月期以降は減価償却費の増加が一巡し、増益拡大基調になると考えられる。
円高が進行するなどのネガティブ材料が発生する可能性もあるが、基本的には業績拡大基調が続くと考えられ、印象としてはポジティブ。