2020年6月19日の相場解説
6月18日の日経平均株価は、米テキサス州や中国の北京での新型肺炎の新規感染者数が増加したことが嫌気され、軟調に。
後場には押し目買いが入ったものの、前日比100円30銭安の22,355円46銭で取引を終えた。
NYダウは、米国の南部や西部などで新型肺炎の新規感染者が増加したことや、中国の北京で集団感染が確認されたことが懸念され、軟調に推移。
そのため、NYダウは前日比39.51ドル安の26,080.10ドルで取引を終えた。
東京時間のドル円は、序盤、前日のニューヨーク時間の流れを受けてやや円高が進み、1ドル106円90銭前後で推移した。
東京株式市場がスタートし、前日比マイナスで始まると、ドル円は下げ幅を拡大し、1ドル106円70銭台までじり安に。
仲値にかけて1ドル106円80銭台まで浮上したが、日経平均株価が300円超下落すると再び弱含み、1ドル106円70銭まで下落した。
昼頃にはドル売りが一服したため、ドル円は1ドル106円90銭台に浮上したが、その後はもみ合いが続き、1ドル106円90銭を挟んで小動きとなった。
ロンドン時間に入るとドル円は1ドル107円を回復し、1ドル107円13銭に浮上する場面もあったが、欧州株が軟調となったため、1ドル107円00銭近辺でもみ合いとなった。
ニューヨーク時間に入ると、ドル円は再び軟化して1ドル106円90銭台に水準を下げた。
この日発表の米経済指標が強弱まちまちの内容となったことから、ドル円の反応は薄く、NYダウが軟調に推移していることや、米長期金利が軟化したことから、ドル円は1ドル106円75銭まで弱含んだ。
NYダウが270ドル超安からプラス圏に転じると、ドル円は1ドル107円01銭まで買い戻されたが、長続きせず、1ドル106円80銭近辺まで押し戻された。
さらに、対欧州通貨中心のドル買いが後退すると、ドル円は1ドル106円67銭まで下落する場面もあったが、買い戻しが入り、1ドル106円80銭台まで上昇した。
その後、NYダウが引けにかけて下げ幅を縮小すると、ドル円は1ドル107円10銭近辺まで切り返す展開に。
しかし、再び1ドル107円を割りこみ、1ドル106円92銭~107円02銭で取引を終えた。
本日の日経平均株価は、米国や中国での新型肺炎の新規感染者数の増加が下押し材料となり、軟調に推移しやすいだろう。
本日のニュース
東海道新幹線 来月以降 ほぼ通常どおりのダイヤに JR東海【NHK】
JR東海は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて運行本数を減らしている東海道新幹線について、来月以降はほぼ通常どおりのダイヤに戻していく方針です。
東海道新幹線は感染拡大の影響で、今月1日から17日までの利用者数は去年の同じ期間と比べて77%もの大幅な落ち込みとなりましたが、90%の減少となった先月と比べると回復してきています。
19日からは都道府県をまたぐ移動の自粛が全国で緩和されることから、JR東海は今後、東海道新幹線の本数を徐々に回復させる方針です。
今月は、去年の同じ月の80%程度となる1日当たり310本を運行していますが、7月には95%程度の350本、8月には97%程度の390本に増やす計画です。
また、会社ではことし3月のダイヤ改正で1時間当たりの「のぞみ」の運行本数を従来より2本多い最大12本に増発する計画でした。
これまで感染拡大の影響で実現していませんでしたが、8月のお盆には初めて12本の運行を行う見通しだとしています。
JR東海の金子慎社長は記者会見で「自粛が解除されれば、その分、人の移動は増えてくると見ている。混雑した列車を避けたい人もいるので、当面は乗車率が低くても余裕を持って座れるようにしたい」と述べました。

ヨーロッパ 5月の新車販売 大幅落ち込み 日本メーカーも苦境【NHK】
ヨーロッパ市場で先月販売された新車の台数は前の年の同じ月を5割以上、下回って、またも大幅な落ち込みとなり、日本の自動車メーカーの販売も苦しい状況が続いています。
業界団体のまとめによりますと、ドイツやフランスなどEU=ヨーロッパ連合の加盟国とイギリスなどを合わせたヨーロッパ市場では、先月の新車販売台数が62万3812台となり、前の年の同じ月を56.8%下回りました。
新型コロナウイルスの影響で移動や経済活動が制限されたためで、78.3%の減少だった4月に比べると改善はしたものの、引き続き大幅な落ち込みとなっています。
メーカー別では、シェアが最大のフォルクスワーゲンが56.7%、2位のプジョー・シトロエンが59.7%、3位のルノーが53.7%、それぞれ減少しました。
日本メーカーの販売も苦しい状況が続いていて、下落率はホンダが69.9%、日産自動車が66.4%、マツダが60.4%、トヨタ自動車が54.5%、三菱自動車工業が48.1%などとなっています。
ヨーロッパでは各国で経済活動を再開する動きが本格化していますが、販売台数が回復するスピードが遅いうえ、感染の第2波への懸念もあり、需要がいつ持ち直すかは不透明です。

【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
日本特殊陶業【5334】
同社はアフターパーツが利益の大半を占めているという、収益構造。
自動車市場は今期、新型肺炎の影響を受けると考えられるが、同社のプラグは中国での新製品投入による拡販効果や米国でのバックオーダー解消が2022年3月期には期待できる。
また、プラグやセンサは、環境規制対応による需要増加が見込めるため、シェアも上昇すると考えられる。
なお、同社は今後、内燃機関への売り上げ依存度を2030年までに今期の82%から60%に引き下げ、情報通信分野、医療分野で成長事業や新規事業を創出する方針。
今後、同社の売上依存度が高い(約25%)欧州の自動車市場が回復すれば、同社の業績は回復・拡大が望めると考えられる。
印象としてはポジティブ。