2020年7月2日の相場解説
7月1日の日経平均株価は、円高が進んだことや、NYダウが下落したことから軟調に。
午前中は上値の重い展開となったが、前場の終盤にマイナス圏に沈むと、後場は売り優勢となった。
そのため、日経平均株価は前日比166円41銭安の22121円73銭で取引を終えた。
NYダウは、米ファイザーが新型肺炎のワクチン候補について、初期の治験で良好な結果が出たと発表したことを好感し、買い優勢に。
しかし、買いが一巡した後はもみ合いに転じた。
さらに、ニューヨーク市が6日に予定していた店内飲食の再開を見送ることを発表すると、経済活動再開の遅れが懸念され、NYダウはマイナスに転じた。
そのため、NYダウは前日比77.91ドル安の25,734.97ドルで取引を終えた。
東京時間のドル円は、序盤、1ドル108円を上抜けて1ドル108円16銭まで上昇した。
しかし、実需筋によるドル売りが入ったため、仲値近辺で1ドル107円80銭台に下落。
また、日経平均株価が一時マイナス圏に沈んだこともドル円の下落を後押しした。
午後には1ドル107円50銭台まで水準を下げ、弱含みに。
香港統治を巡る米中の対立が懸念されたことも、円買い要因となった。
ロンドン時間に入ってからもドル円は軟調で、一時1ドル107円40銭台まで水準を下げた。
その後も上値は重く、小動きとなったが、ファイザーやバイオンテックがウイルスワクチン治療の初期段階での良好な結果を発表すると、NYダウ先物が上昇に転じ、米10年債利回りも上昇したため、ドル円は1ドル107円60銭台に上昇した。
また、この日発表の米ISM製造業景況指数が事前予想の49.8を上回る52.6となり、好不況の境目となる50を上回ったことも、ドル円の上昇を後押しした。
ニューヨーク時間のドル円も軟調で、1ドル107円36銭まで円高が進む場面もあった。
しかし、仲値近辺でドル買いが入ったことに加え、この日は五十日(ごとおび)だったことから、ドル円は1ドル107円73銭まで浮上した。
また、日経平均株価が400円超上昇したこともドル買いを誘ったが、1ドル107円77銭まで浮上した後は、1ドル107円70銭前後で推移した。
正午前に、ドル円は再び買われ、1ドル107円79銭まで値を上げたものの、その後は小動きとなり、1ドル107円70銭台で推移した。
欧州勢が参入すると、クロス円の下落につれ、ドル円は1ドル107円60銭台に水準を下げる場面もあった。
ロンドン時間に入ると、ドル円は1ドル107円70銭台で再び小動きとなったが、じり高となり、1ドル107円80銭台に浮上した。
ニューヨーク時間に入ってからもドル円は小動きが続いたが、6月米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が事前予想の45.0を下回ると、ドル円は1ドル107円52銭まで水準を下げた。
しかし、その後発表された6月の米消費者信頼感指数が事前予想の91.5を上回る98.1となり、前月の85.9からも上昇すると、再びドル買い優勢に。
ドル円は1ドル107円70銭台に再浮上したものの、買いが長続きせず、1ドル107円60銭台に下落した。
NYダウが一時マイナスに転じると、ドル円の戻りは頭打ちに。
さらに、「米政府が世界規模での中国制裁を準備する」と報じると、ドル円は1ドル107円40銭台に下落した。
最終的にドル円は、1ドル107円40銭~107円50銭で取引を終えた。
本日の日経平均株価は、米国での経済活動再開の遅れや、米中対立がマイナス材料となり、上値の重い展開になりやすいだろう。
本日のニュース
三菱航空機 債務超過4646億円 スペースジェット開発コスト影響【NHK】
産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット」を開発する三菱航空機が、ことし3月末の時点で4646億円の債務超過に陥ったことがわかりました。
初号機の納入時期の大幅な遅れで開発コストが膨らみ、巨額の最終赤字に転落したためです。
三菱航空機のことし3月期の決算は、「三菱スペースジェット」の初号機の納入時期が大幅に遅れ、開発コストが膨らんだことなどから、最終的な損益が5269億円の赤字に転落しました。
この結果、負債が資産を上回る債務超過に陥り、その規模は4646億円にのぼるとしています。
三菱航空機は、おととし3月期の決算でもおよそ1000億円の債務超過となり、その後、親会社の三菱重工業から債権の放棄などを受け、債務超過を解消させましたが、たび重なる納入延期で再び負債が資産を大幅に上回ることになりました。
三菱航空機は業績の悪化に加え、新型コロナウイルスの感染拡大で航空機の需要が見込めない中、およそ2000人いる従業員を半分以下に削減するほか、海外の2つの拠点を閉鎖するなど、開発体制を大幅に縮小させていて、経営環境は一段と厳しさを増しています。

G7サミット、米国が8月下旬開催を打診=関係筋【ロイター】
主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)の次回開催日程について、議長国の米国が8月下旬の開催を日本政府に打診していたことが分かった。
米国内で対面方式で開催するという。日本政府は安倍晋三首相が出席する方向で調整に入った。複数の関係筋が明らかにした。
米国は5月末、ドイツのメルケル首相が対面方式での会議を欠席する意向を示したことなどを踏まえ、G7サミットの開催時期を6月から9月に延期。
その際に参加国に韓国、オーストラリア、ロシア、インドも加える意向を示していた。関係筋によると、米国側から日本政府に8月下旬での開催打診があり、日本側は出席する意向を伝えた。
開催日程を前倒しする理由については明らかにしなかったが、米大統領選でトランプ大統領の苦戦が伝えられる中、「局面打開のため外交成果を模索している可能性がある」(政府関係者)との声が出ている。
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
カワチ薬品【2664】
カワチ薬品の6月度(5/16~6/15)の販売実績は、既存店ベースで前年同月比12.3%増、全店ベースで同13.1%増となった。
なお、曜日効果は前年同月より日曜日が1日多くポジティブだった。
また、前年同月は既存店が同3.8%減と苦戦していた。
しかし、このことを差し引いても、今回の数値は好調であると考えられる。
なお、4月~6月の既存店増収率は前年同月比12.7%。
会社計画比は前年同期比1.2%であるが、これを大幅に上回って推移している。
印象としてはポジティブ。