2020年7月13日の相場解説
7月10日の日経平均株価は、前日のNYダウの下落を受けて売り優勢に。
また、東京での感染者数の増加も下押し材料となり、日経平均株価は下げ幅を拡大した。
最終的に日経平均株価は、前日比238円48銭安の22,290円81銭で取引を終えた。
NYダウは、ギリアド・サイエンシズがレムデシビルが新型肺炎の死亡リスクを低減するとの分析結果を公表したことや、独バイオ医薬品ビオンテックの首脳が、同社とファイザーが開発するワクチン候補の承認申請の準備が年末までに整うとの見方を示したとの報道があったことから、リスクオン地合いに。
また、原油先物相場が上昇に転じ、エネルギー株の上昇を後押ししたこともNYダウの上昇を支援した。
最終的にNYダウは、前日比369.21ドル高の26,075.30ドルで取引を終えた。
東京時間のドル円は、序盤、1ドル107円20銭近辺で推移。
東京株式市場がスタートすると、日経平均株価が軟調だったことから、ドル円は下落。
この日は五十日(ごとおび)だったが、仲値近辺で実需筋のドル売りが入ったことから、ドル円は1ドル107円01銭まで円高が進んだ。
いったん1ドル107円05銭近辺まで上昇したものの、ドル売りの流れは続き、午後に入ると日経平均株価の下落に加え、NYダウ先物、上海総合指数も下落し、ドル円は1ドル106円88銭まで下げる展開に。
欧州勢が参入すると、1ドル106円77銭まで弱含んだ。
ロンドン時間に入ると、ドル円は1ドル106円80銭台でもみ合いに。
ニューヨーク時間に入ると、この日発表された6月米生産者物価指数が事前予想の前月比+0.4%を下回る同-0.2%となったことから、ドル円は1ドル106円75銭まで下落した。
さらに、コロナウイルス治療薬への期待感が広がり、リスク選好の動きが強まったこともドル売りを後押しし、ドル円は1ドル106円65銭に下落する場面もあった。
しかし、ドル売りが一服し買い戻しの動きが出たことから、ドル円は1ドル106円90銭台に浮上。
最終的にドル円は、1ドル106円86銭~96銭で推移した。
本日の日経平均株価は、買い戻しの動きが出る可能性があることに加え、NYダウの上昇を受けて買い優勢になると考えられる。
ただ、米国や東京における新型肺炎の感染者数が増えていることや、米国における感染者数の拡大が、米経済の回復を遅らせるのではないかとの懸念が、日経平均株価の下押し材料となるだろう。
本日のニュース
中国新車販売 3か月連続前年上回る【NHK】
中国の先月の新車の販売台数は、経済活動の再開を背景にトラックなど商用車の販売が大幅に伸びたことなどから、去年の同じ月よりも10%以上増えて、3か月連続のプラスとなりました。
中国の自動車メーカーでつくる中国自動車工業協会の発表によりますと、先月の中国国内の新車の販売台数は230万台で、去年の同じ月よりも11.6%増えました。
新車の販売台数が前の年を上回るのは3か月連続で、前の月に続いてふた桁の伸びとなりました。
車種別に見ると乗用車が1.8%のプラスとなったほか、トラックなど商用車は63.1%のプラスと大幅に伸びて1か月の販売台数としては過去最高となり、新車市場全体をけん引しました。
中国の新車販売は新型コロナウイルスの影響で、2月には前の年を80%近く下回る水準まで落ち込みました。
その後、地方政府が相次いで新車への買い替えに補助金を出すなどして販売のてこ入れを図ったうえ、経済活動が本格的に再開して物流の需要が伸びたことで、商用車の販売が急速に増えました。
ただ、業界団体は、ことしはじめの販売台数の落ち込みが大きかったことから、年間の販売台数の見通しについては、ウイルスの感染がある程度コントロールできた場合でも、去年を10%程度下回るという厳しい見方を崩していません。
【日系も販売増 トヨタはふた桁】
先月は日系の自動車メーカーの販売台数も、大手4社のうち3社が去年の同じ月を上回りました。
このうち、トヨタ自動車は17万2900台と去年の同じ月を22.8%上回り、前の月に続いてふた桁の伸びとなりました。
日系メーカーとしては販売台数が最も多く、1月から先月までの累計でも去年の同じ期間に比べて2.2%のマイナスにとどまり、回復に向かっています。
また、日産自動車の先月の販売台数は13万6929台で4.5%の増加、マツダは2万1002台で7.3%の増加となりました。
一方、ホンダは14万2363台で、去年の同じ月を4.1%下回りました。
中国に2社ある合弁企業のうち、新型コロナウイルスの感染が最も深刻だった、湖北省武漢に拠点を置く1社の販売台数がマイナス14.8%とふるいませんでした。

英、2025年までに5Gからファーウェイ機器排除の見込み=報道【ロイター】
英政府は中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)製の危機を次世代通信規格「5G]通信網から排除する期限を2025年に設定する見込みだと、英テレグラフ紙が10日報じた。
報道によると、ダウデン・デジタル・文化・メディア・スポーツ相がファーウェイに関して14日に議会で発表する。
閣僚らは5年以内のファーウェイ排除を望んでいるという。
デジタル・文化・メディア・スポーツ省の報道官からのコメントは現時点で得られていない。
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
アース製薬【4985】
アース製薬の2020年12月期1Qは増収増益だったが、営業利益は51.6億円(前年同期比245.9%増)と大幅増益となった。
これを受けて同社は上期会社計画を上方修正し、営業利益については当初の10.4億円から16.0億円に変更した。
上方修正を期待し株価は上昇が続いていたが、下期については前年の駆け込み需要の反動や暖冬の影響でハードルが高く、また、4Qは同社は例年営業赤字になる。
さらに、来期については、今期のハードルが高いものになるため、それを超えるだけの業績になるには、ハードルが高い。
また、同社はMSワラントを発行することを発表しているが、これにより株価は下押しされると考えられる。
このことを踏まえると、同社の株価はすでに買われすぎの水準にあるため、ネガティブ。