2020年7月20日の相場解説
7月17日の日経平均株価は、半導体関連株を中心に買いが入ったため、上昇して始まったものの、上げ幅を縮める展開に。
東京の新型肺炎感染者数が前日と同程度であるとの小池都知事の発言が報じられると、景気回復の遅れが懸念され、後場はマイナス圏に沈んでスタートした。
その後も上値が重く売り優勢となったため、日経平均株価は前日比73円94銭安の22,696円42銭で取引を終えた。
NYダウは、この日発表された7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が事前予想の79.0を大きく下回る73.2となったことが懸念され、下落。
また、米疾病予防管理センター(CDC)が、米国の新型肺炎新規感染者数が7.2万人と前日の6.7万人を大幅に上回ったことが発表されると、米国の消費の鈍化や景気回復の遅れが懸念されたため、軟調に推移した。
最終的にNYダウは、前日比62.76ドル安の26,671.95ドルで取引を終えた。
東京時間のドル円は、序盤、1ドル107円20銭台で小動きとなった。
東京市場がスタートし、小幅にプラス圏で推移した一方で、ドル円は一時1ドル107円36銭まで上昇したものの、失速し、1ドル107円20銭台で値動きに乏しい展開が続いた。
午後に入ると日経平均株価が下落しマイナス圏に転落したことに加え、東京における新型肺炎の新規感染者数が前日と同程度であると小池都知事が発言したため、ドル円は1ドル107円18銭まで円高が進む展開に。
しかし、1ドル107円20銭台を回復すると、再び小動きとなった。
欧州勢が参入すると、東京における新型肺炎の新規感染者数が293人となったことが嫌気され、ドル円は一時1ドル107円10銭を割り込む展開に。
ロンドン時間に入ると1ドル107円10銭台で小動きとなった。
ニューヨーク時間に入ると、この日発表された米6月住宅着工件数が事前予想の119万戸を下回る118.6万戸、同住宅建設許可件数が事前予想の129.0万戸を下回る124.1万戸となったものの、5月からは上昇したことが好感され、ドル買いが再燃。
ドル円は1ドル107円28銭まで上昇した。
しかし、その後発表された7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が事前予想の79.0を大きく下回る73.2となったことが懸念され、再びドル売り優勢に。
安全資産である円が買われたため、ドル円は1ドル107円00銭まで円高が進行した。
また、米疾病予防管理センター(CDC)が、米国の新型肺炎新規感染者数が7.2万人と前日の6.7万人を大幅に上回ったことが発表されると、米国の消費の鈍化が懸念されたため、ドル円は1ドル106円95銭まで下落。
最終的にドル円は、1ドル106円97銭~107円07銭で取引を終えた。
本日の日経平均株価は、NYダウが軟調だったことから、手がかり材料にかけ、もみ合いになりやすいと考えられる。
ただ、ナスダックは反発して取引を終えているため、ハイテク株を中心に買いが入る可能性があり、これらが相場を下支えするだろう。
また、都内での感染者数が高止まりとなっていることが、相場の下押し材料となるだろう。
本日のニュース
フォルクスワーゲン ことし上半期の世界販売27%減 コロナ影響【NHK】
自動車の販売台数が去年まで4年連続で世界トップだったドイツのフォルクスワーゲンは、新型コロナウイルスの影響でことし上半期の販売が27%減少しました。
フォルクスワーゲンは17日、ことし1月から先月まで半年間のグループ全体での販売台数が前の年の同じ時期を27.4%下回り、389万3100台だったと発表しました。
これはウイルスの感染拡大による経済活動の停滞や外出制限によって、世界的に自動車の需要が落ち込んだためです。
フォルクスワーゲンは去年まで4年連続で、トヨタや日産、ルノー、三菱自動車の3社連合を上回って、販売台数が世界トップで、去年は1年間で1097万台に達しましたが、ことしは上半期だけでそこから147万台余り減ったことになります。
地域別では
▽全体の4割を占める中国市場で17%の減少にとどまった一方、
▽もう1つの柱である西ヨーロッパ市場では37.5%の大幅な落ち込みとなり、回復の遅れが目立っています。
世界では経済活動を再開する動きが広がっていますが、感染が再び拡大するおそれもあり、ことし下半期の販売がどこまで持ち直すかが焦点になります。

米石油・ガス掘削リグ稼働数、11週連続で過去最低=ベーカー・ヒューズ【ロイター】
エネルギーサービス会社ベーカー・ヒューズが発表した7月17日までの週の米国内石油・天然ガス掘削リグ稼働数は、前週比5基減の253基となり、1940年の統計開始以来の最低水準を11週連続で更新した。
ただ、原油価格の上昇を受けて一部の生産会社が掘削を再開したことから、減少ペースは鈍化している。
リグ稼働数は、前年同期比では701基(73%)減少している。

【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
牧野フライス製作所【6135】
牧野フライス製作所は、コロナショックの影響で大幅下落した後、株価の戻りが小さい。
売上高や受注の減少が考えられるため、2021年3月期は赤字転落する可能性が高いとみられる。
ただ、2022年には経済活動の正常化が進むとみられ、この時には業績も回復局面に入ると考えられる。
同社は中国や米国など経済活動が正常化した際に設備投資の回復が期待できる地域の度合いが高く、また、5Gによりスマホの筐体にガラスやプラスチックが普及する場合は、金型向けに工作機械の販売が拡大する可能性があると考えられる。
さらに、同社は限界利益率が高いため、販売が回復した際の数量効果が得やすい。
このことを考慮すると、同社株は現在割安な水準にあると考えられる。
印象としてはポジティブ。