2020年7月28日の相場解説
7月27日の日経平均株価は、円高を嫌気したことから輸出株を中心に売られる展開に。
また、米中対立の激化も相場の下押し要因となった。
ただ、上海総合指数やNYダウ先物が堅調に推移すると、日経平均株価は下げ幅を縮める展開に。
最終的に日経平均株価は、前日比35円76銭安の22,715円85銭で取引を終えた。
NYダウは、アマゾン・ドット・コムなど米大手IT企業の4月~6月期決算が30日に発表されるのを前に、巣籠もり需要でこれらの企業の業績が堅調であるとの思惑から、ハイテク株を中心に買いが入った。
さらに、米バイオ医薬品のモデルナが、開発中のワクチン候補について、最終臨床試験を開始したことを発表したことも、好感された。
そのため、NYダウは前日比114.88ドル高の26,584.77ドルで取引を終えた。
また、ナスダックも173.09ポイント高の10,536.27で取引を終えた。
東京時間のドル円は、序盤、1ドル106円00銭近辺で推移した。
その後、マイナス圏で始まった日経平均株価が下げ幅を縮めたものの、ドル円は米系短期筋の売りにより、下げ幅を拡大。
1ドル105円40銭台まで下落した。
後場に入り日経平均株価が買い戻されてさらに下げ幅を縮め、また、NYダウ先物が130ドル超上昇したことが材料視されると、ドル円は1ドル105円65銭前後まで浮上。
しかし、欧州勢が参入すると、ドル円は再び売り優勢となり、1ドル105円40銭台に沈んだ。
ロンドン時間のドル円は、IMM筋など海外勢の売りにより、1ドル105円20銭台に下落。
ニューヨーク時間に入るとさらに値を下げ、1ドル105円12銭まで円高が進んだ。
ドル売りが一服すると、ドル円は1ドル105円30銭台まで浮上したものの、上値の重い展開が続いた。
最終的にドル円は、 で取引を終えた。
本日の日経平均株価は、米中関係の対立が懸念され、軟調に推移するだろう。
また、円高が進行したことも、日経平均株価の上値押下げ要因になりそうだ。
本日のニュース
東武百貨店 9月から売り場の営業時間短縮へ【NHK】
デパートの東武百貨店は、ことし9月から主な売り場の営業時間を1時間から1時間半、短縮することになりました。
新型コロナウイルスの影響による消費者の行動変化や、働き方改革に対応するためだとしています。
東武百貨店は、池袋本店で食品や一部の婦人服の売り場について、ことし9月1日以降、平日と土曜日の閉店を午後8時に早め営業時間を1時間短縮します。
また、紳士服や宝飾品などの売り場は、閉店を早めるとともに開店を遅らせることで、営業時間を1時間半短縮します。
このほか千葉県の船橋店でも、食品と婦人雑貨の売り場の営業時間を1時間短縮します。
会社では、働き方改革の一環で、営業時間の見直しを検討してきたところ、新型コロナウイルスの影響で消費者が夜間の外出を控える動きが広がり、それに合わせた営業体制が必要だと判断したと話しています。
また、営業時間の短縮により、多くの売り場で交代が必要なシフト勤務を解消できるということですが、従業員の削減などは行わず日中の接客などを強化するとしています。
デパート各社は、売り上げの大幅な減少に直面していて、遅れているとされるデジタル化への対応なども課題となっています。

米モデルナ、コロナワクチン後期治験開始 「年内の実用化可能」【ロイター】
米バイオ医薬大手モデルナ(MRNA.O)は27日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、米政府の支援を受けた後期臨床試験(治験)を開始したと発表した。トランプ政権が進めるワクチン開発促進策「ワープ・スピード作戦」の下で初となる。
こうした中、米当局者らはモデルナのコロナワクチンについて、年内の実用化は可能との認識を示した。
モデルナは後期治験で、ワクチン候補「mRNA─1273」を呼吸器疾患がない3万人の成人に接種。
2回の接種で安全性や感染症予防などの効果が見られるか確認する。1回の接種による効果についても調べる。
米国立衛生研究所(NIH)のコリンズ所長は「年内に安全で有効なワクチンを提供するのはハードルの高い目標だが、米国民にとって望ましいことだ」とした。
同社が今月発表した初期段階の治験結果によると、ワクチンを2回接種した被験者から、回復したコロナ患者の平均を上回る高いレベルの抗体が確認された。
モデルナは、ひとまず年5億回分のワクチン供給を目指し、2021年以降、供給数を年最大10億回分に引き上げる方針に変わりはないとした。
米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、後期治験の結果が11、12月かそれ以前にも判明する可能性があるとした上で、初期段階の治験データを踏まえて安全性は「特に懸念していない」と述べた。
モデルナ株はこの日、8%超値上がりした。
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
スタンレー電気【6923】
スタンレー電気の2021年3月期1Qは減収営業赤字となった。
営業赤字ではあるが、Quickコンセンサス(-22億円)よりも赤字幅は小さく、ポジティブ。
現状、同社株は割安な水準にあるが、上記のことを考慮し、印象としてはポジティブ。
今回赤字幅が市場コンセンサスよりも小さかった理由として、同社の合理化効果がみられたことが挙げられる。
また、1Qの電子応用製品事業の営業利益率も前年同期比の11.4%から今回は11.9%に良化している。
その背景には、プライバシー機能付きバックライトが寄与し、製品ミックスが改善されたことが考えられる。
さらに、同社は下期に上期比で5円の増配(20円→25円)とする計画であることからも、1Q時点での収益改善の確度は高いと考えられる。
印象としてはポジティブ。