2020年7月30日の相場解説
7月29日の日経平均株価は、円高を嫌気したことから前日に続き輸出株を中心に売られる展開に。
また、前日発表された国内企業の決算が、新型肺炎の悪影響が事前予想を上回るものが目立ったことも、株安を後押しした。
それに加え、前日の米株安も投資家のリスク回避姿勢を強めることとなった。
最終的に日経平均株価は、前日比260円27銭安の22,397円11銭で取引を終えた。
NYダウは、この日最終日となったFOMCで事実上のゼロ金利と量的緩和の維持を決定したことを好感し、反発。
さらに、9月のFOMCで追加策を決定することを示唆したことも、買いを後押しした。
そのため、NYダウは前日比160.29ドル高の26,539.57ドルで取引を終えた。
また、ナスダックも140.85ポイント高の10,542.94で取引を終えた。
東京時間のドル円は、序盤、1ドル105円10銭台で推移した。
しかし、日経平均株価がマイナス圏で始まり案兆に推移すると、1ドル104円96銭に軟化。
仲値近辺で実需筋のドル買いが入ったことから、売りが一服すると1ドル105円20銭台に持ち直した。
また、財務省幹部が「為替の安定は重要であり、緊張感を持って市場動向を注視している」とコメントしたと報道されたことも、ドル円の浮上を後押しした。
しかし、日経平均株価が下落していることから、ドル円1ドル105円05銭前後に水準を落とし、同水準で小動きとなった。
欧州勢が参入すると、ドル円は円高が進行し、1ドル104円90銭台に。
ロンドン時間に入ると1ドル104円80銭台まで下落したが、FOMCを前にドルを買い戻す動きが出たことから、1ドル105円台に戻した。
ニューヨーク時間に入るとドル買い優勢となり、ドル円は1ドル105円20銭台まで上昇する場面もあった。
しかし、再びドル円は軟化し1ドル104円台まで円高が進み、FOMCで金融緩和策の継続が強調され、ドルが全面安となると1ドル104円77銭まで下落した。
ただ、ドル安に調整が入ると、1ドル105円15銭近辺まで買い戻される場面もあった。
その後、ドル円は1ドル105円近辺で小動きとなったものの、ドル売りに押され、再び1ドル104円台に値を下げた。
最終的にドル円は、1ドル104円86銭~104円96銭で取引を終えた。
本日の日経平均株価は、NYダウやナスダックの上昇を受けて買い優勢となりやすいだろう。
ただ、円高の進行が日経平均株価の上値押下げ要因になると考えられる。
本日のニュース
SBIホールディングス 顧客基盤拡大で中堅証券会社を買収へ【NHK】
売買手数料の引き下げで、ネット専業の証券会社どうしの競争が激しくなる中、大手のSBIホールディングスは、顧客基盤の拡大に向けて中堅の証券会社を買収することになりました。
発表によりますと、SBIホールディングスは、ネット専業の証券会社、ライブスター証券のすべての株式を数十億円で取得し、ことし10月をめどに完全子会社にします。
ライブスター証券は、口座数が18万で1日に何度も売買するデイトレーダーと呼ばれる個人の投資家が主な顧客です。
SBIは、傘下のSBI証券が500万を超える口座を持つ業界トップで、福島や島根など地方の銀行とも連携を広げていますが、今回の買収によってさらに顧客基盤の拡大を図りたいとしています。
ネット証券業界は投資信託の購入や株式を売買する際の手数料が主な収入源ですが、一部を無料にする動きが広がるなど競争が激しくなっています。
とりわけ中堅の証券会社にとって経営環境は厳しく、今後、大手と中堅が手を組む業界再編がさらに進む可能性もあります。
米GE、第2四半期損失は予想上回る コロナが航空機事業に打撃【ロイター】
米電機大手ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N)が29日発表した第2・四半期決算は、予想を上回る損失を計上した。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が航空機事業に打撃となった。ただキャッシュアウトフローは予想ほど膨らまなかった。
第2・四半期の産業部門からのキャッシュアウトフローは21億ドル。会社予想は35億─45億ドルだった。
カルプ最高経営責任者(CEO)は「6─7月に改善の兆しが見られた。
とはいえ、パンデミックに伴う不確実性を考慮すると、下半期に向けて慎重な姿勢を維持する」と述べた。
航空機事業は売上高が44%減となり、6億8000万ドルの損失を計上。受注は56%減となった。
GEは航空機事業の回復は鈍いとみる一方、フリーキャッシュフローは今年下半期に改善し、2021年にはプラスに転じると見込んだ。
ただ、ゴードン・ハスケット・リサーチ・アドバイザーズのアナリストは、パンデミックの影響がくすぶっているため、航空機事業のサービス部門の業績が第3四半期にさらに悪化する可能性があるとの見方を示した。
調整後1株損益は0.15ドルの赤字。前年同期は0.16ドルの黒字だった。リフィニティブのアナリスト予想平均は0.10ドルの赤字だった。
売上高は前年同期比24%減の177億ドル。
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
SCREENホールディングス【7735】
SCREENホールディングスの2021年3月期1Qは増収増益となった。
また、同社は2021年3月期の通期会社計画を発表し、上期営業利益は35億円、下期営業利益は145億円とした。
この計画から、上期が底となり、下期に回復する見通しを立てていることが分かる。
また、同社のSPE受注は、2020年3月期4Qが624億円、2021年3月期1Qが430億円となった。
2Qは500億円以上になる見通しとのことである。
なお、2021年3月期下期SPE売上計画は、1255億円としている。
そのため、3Qの受注は2Qより強含む可能性がある。
印象としてはニュートラル。