2020年8月6日の相場解説
8月5日の日経平均株価は、前日まで上昇が続いた反動で、利益確定売り優勢となった。
しかし、後場に入り景気敏感株のうち割安感のあるものを中心に一部で押し目買いが入ったことで下げ幅を縮めた。
最終的に日経平均株価は、前日比58円81銭安の22,514円85銭で取引を終えた。
NYダウは、米国の追加経済対策について、米政府と議会との協議が進展しているとの報道から期待感が高まり、市場はリスクオン地合いに。
また、米製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソンは開発中のワクチン候補の治験が成功した場合、1億回分を供給する契約を米政府と交わしたことを発表。
また、米バイオ医薬品のノババックスもワクチン候補の初期段階での治験で良好な結果が出たことを明らかにした。
これらのことも市場に安心感を与え、NYダウは前日比373.05ドル高の27,201.52ドルで取引を終えた。
また、ナスダックも57.23ポイント高の10,998.40で取引を終えた。
東京時間のドル円は、序盤、1ドル105円60銭台で推移した。
一時1ドル105円59銭まで下落したものの、その後は実需筋による五十日(ごとおび)のドル買いが入ったことで、1ドル105円70銭台に浮上。
しかし、実需筋のドル売りが次第に優勢になり、1ドル105円50銭台に弱含んだ。
午後に入ってもドル円は軟調で、1ドル105円51銭まで値を下げた。
ただ、後場に入り日経平均株価が下げ幅を縮小すると、ドル円は買い戻され、1ドル105円65銭前後まで浮上。
しかし、上がりきらず、1ドル105円60銭を挟んで小動きとなった。
欧州勢が参入すると、ドルが買い戻されたため、ドル円は1ドル105円70銭台に。
ロンドン時間中もドル円は方向感に乏しい動きが続き、1ドル105円70銭台で推移した。
ニューヨーク時間に入り、この日発表の7月米ADP雇用統計が事前予想の+120.0万人を大幅に下回る+16.7万人となると、ドル円は弱含み、1ドル105円30銭台まで水準を下げた。
その後は1ドル105円50銭台~105円60銭台に持ち直したものの、米景気の先行き不安が重しとなり、ドル円は上値が重い展開に。
最終的にドル円は、1ドル105円55銭~105円65銭で取引を終えた。
本日の日経平均株価は、NYダウの上昇が安心材料となる一方で、米指標の結果が思わしくないことが懸念材料となり、もみ合いになりやすいと考えられる。
本日のニュース
ユニ・チャーム中間決算 過去最高の営業利益 マスク需要などで【NHK】
大手日用品メーカーの「ユニ・チャーム」のことし1月から6月までの中間決算は、新型コロナウイルスの感染拡大でマスクや除菌用のウエットティッシュの需要が拡大したことから、売り上げ、営業利益ともこの時期としては過去最高となりました。
ユニ・チャームのことし1月から6月までの半年間の中間決算は、売り上げが前の年の同じ時期より4%余り増えて3565億円となったほか、営業利益も41%余り増えて553億円と、売り上げ、営業利益ともこの時期としては過去最高となりました。
これは新型コロナウイルスの感染拡大で、マスクの売り上げが前の年の同じ時期より3倍も増えたほか、除菌用のウエットティッシュの売り上げも1.5倍に増えるなど衛生用品の需要が拡大したためです。
ただ、ことし6月にインドにある紙おむつなどの工場で火災が発生し、生産設備などへの被害を損失として計上したことから、最終的な利益は前の年の同じ時期より23.8%少ない192億円にとどまりました。
5日の決算会見でユニ・チャームの高原豪久社長は「感染拡大の第2波、第3波に備え、マスクの新たな設備投資をことし秋から来年にかけて計画している。医療機関向けは足りていないので、しっかりとした供給体制を整えたい」と述べました。

FB、インスタに短編動画の新サービス TikTokに対抗【ロイター】
米フェイスブック(FB.O)は5日、短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」のような新たな短編動画サービス「リールズ」を写真共有アプリ「インスタグラム」の機能として組み込むと発表した。米国など50カ国以上で導入される。
リールズのユーザーはティックトックのように、モバイルに対応した縦型の短編動画を記録し、特殊効果や音楽を追加できる。
ティックトックのメイヤー最高経営責任者(CEO)は、リールズを「模造品」と指摘。インスタグラムのシャー製品担当バイスプレジデントは4日、類似性を認めた上で「製品のインスピレーションはあらゆるところからもたらされる」と述べた。
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
武蔵精密工業【7220】
武蔵精密工業の2021年3月期1Qは減収営業赤字となった。
同社は今期の会社計画について、売上高1800億円(前期比24%減)、営業利益-9億円としている。
今1Qは主要顧客のホンダの二輪車や四輪車の販売台数に沿っているが、ホンダの今期販売計画は二輪車が同23%減、四輪車が同6%減となっている。
それと比較すると、武蔵精密工業の会社計画は保守的であると言える。
また、アイシンAWや日本電産向けの受注が拡大傾向にあり、今期に寄与する新規受注も公表されている。
このことから、同社の会社計画は保守的で、上振れ余地が大きいと考えられる。
印象としてはニュートラル。