2020年8月7日の相場解説
8月6日の日経平均株価は、続落。
企業の決算内容が思わしくないことや、中国株が下落したことから、相場の先行きに対する警戒感が強まった。
最終的に日経平均株価は、前日比96円70銭安の22,418円15銭で取引を終えた。
NYダウは、米新規失業保険申請件数が事前予想を下回ったことが好感され、5日連続で続伸。
また、動画投稿アプリのTikTokの全世界事業の買収検討が報じられたマイクロソフトを中心に、ハイテク株に買いが入ったことも、株価を押し上げた。
そのため、NYダウは前日比185.46ドル高の27,386.98ドルで取引を終えた。
また、ナスダックも109.67ポイント高の11,108.07で取引を終えた。
東京時間のドル円は、朝方からドル売りが進み、東京株式市場がスタートすると1ドル105円46銭まで下落した。
しかし、日経平均株価がプラス圏を回復すると、1ドル105円50銭台に浮上したものの、対欧州通貨やオセアニア通貨でドルが弱含み、上値の重い状態が続いた。
また、1ドル105円50銭台に入っている大型のオプションがあったことから、ドル買いが入ったため、ドル円はもみ合いが続いた。
その後も同水準でのもみ合いが続いたが、欧州勢が参入すると、1ドル105円40銭を割り込んだ。
ただ、NYダウ先物が上昇し、米10年債利回りが上昇すると、ドル円は1ドル105円60銭台に浮上。
ロンドン時間中に入ると、ドル円は、1ドル105円70銭台まで上昇したが、ユーロ・ドルが底堅く推移したため、ドル円は再び1ドル105円50銭台に水準を下げた。
ニューヨーク時間に入るとドル円は1ドル105円40銭台に推移した。
この日発表の前週分米新規失業保険申請件数が事前予想の140.0万件より良好な118.6万件となったため、1ドル105円59銭まで強含んだ。
しかし、追加経済対策を巡る米与野党協議を前に様子見ムードが強く、ドル円は再び水準を下げて、1ドル105円30銭まで下落する場面も。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、1ドル105円60銭台まで持ち直した。
その後はドルがユーロやオセアニア通貨に対し弱含んだことから、やや水準を落とし、一時1ドル105円40銭台まで下落した。
しかし、クロス円が底堅く推移したことから1ドル105円50銭台に持ち直した。
最終的にドル円は、1ドル105円49銭~105円59銭で取引を終えた。
本日の日経平均株価は、雇用統計を前に様子見ムードとなり、方向感に欠ける展開になりやすいと考えられる。
ただ、そんな中でも決算の業績が悪い銘柄が下押し要因となるだろう。
本日のニュース
メルカリ決算 6月まで1年間の売り上げ760億円超 過去最高【NHK】
フリマアプリ大手のメルカリのことし6月までの1年間の決算は、積極的な投資を進めた結果、売り上げが大きく伸びて760億円を超え、過去最高となりました。
メルカリが発表したことし6月までの1年間の決算は、売り上げが前の年度より47%増えて、762億円となりました。
新型コロナウイルスの影響で自宅で過ごす人のアプリの利用が日本やアメリカで増え、最近の平均の月間利用者数は合わせて2165万人に上ったということで、売り上げは過去最高になりました。
一方、アメリカでの事業拡大のため、広告宣伝費がかさんだことなどから、最終的な損益は8年連続の赤字となりました。
メルカリの山田進太郎CEOはNHKの取材に対して「勝負の年として投資を進め成長を求めてやってきたが、結果としては投資が実を結んだと思っている。今後も日本やアメリカの状況を見ながら、投資を進めて市場を拡大していきたい」と話しました。

コロナワクチン、11月初旬までの実用化「あり得る」=トランプ氏【ロイター】
トランプ米大統領は6日、大統領選が行われる11月初旬までに新型コロナウイルスワクチンが実用化される可能性はあるという考えを示した。
トランプ氏は、ジェラルド・リベラ氏のラジオ番組で、ワクチン実用化の時期について「年末前で、かなり前倒しされる可能性もある」と発言。
「11月3日(の大統領選)前か」との質問に「場合によってはあり得るが、その頃だ」と語った。
米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は5日、連邦政府は複数のワクチン開発を後押ししており、複数の臨床試験が行われ、年末までにそのうちの少なくとも1つのワクチンの効果と安全性が確認できるかもしれないとの見方を示した。
トランプ氏は、中国が米国からコロナワクチンを盗んだと思うかとの質問に「確証を持って言えないが、可能性はある」と答えた。
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
日本特殊陶業【5334】
日本特殊陶業の2021年3月期1Qは減収減益となった。
営業黒字を維持したことはプラスに思われるが、同社の製品のリードタイムは長く、生産の減少の影響が遅れて現れることに注意が必要である。
そのため、実質的には1Qは赤字であった可能性が高い。
生産減少の影響は2Q以降に現れると考えられることから、同社は緩やかなペースで利益回復すると考えられる。
なお、生産減少のネガティブな影響は今上期で一巡するとみられる。
プラグ、センサーなどの自動車関連部品は1Q後半から回復が加速しているため、下期からは売上が回復し、利益も改善すると考えられる。
また、一定の自動車需要があることや、新型肺炎の影響により車での移動が見直されていることなどが、同社にとってはポジティブ材料になると考えられる。
印象としてはニュートラル。