2020年8月11日の相場解説
8月10日の東京株式市場は山の日の祝日のため、休場だった。
NYダウは、トランプ米大統領が8日に新型肺炎の感染拡大に対応する追加経済対策の実施を大統領権限で命じた。
7月末に失効した失業給付の上乗せについて、週400ドルまで減額した上で年末まで継続することになり、家賃滞納者への強制退去禁止措置も延長した。
このことに加え、ムニューシン米財務長官が、追加経済対策に関する政権と議会の協議が速ければ来週に合意すると言及。
これたのことから、NYダウは上昇し、前週末比357.96ドル高の27,791.44ドルで取引を終えた。
ナスダックは、42.62ポイント安の10,968.36で取引を終えた。
東京時間のドル円は、朝方の1ドル105円96銭から1ドル105円70銭台まで下落。
午後に入ると東京市場が休場のため、膠着状態が続いたが、欧州勢が参入すると、時間外のNYダウ先物が110ドル超高まで上昇したことから、1ドル106円05銭まで浮上。
いったん1ドル105円91銭まで下落したが、押し目買いが入ったことで再び1ドル106円台に浮上し、1ドル106円20銭まで買われた。
ニューヨーク時間に入ると、米10年債利回りが低下したため、ドル円は1ドル105円75銭台まで下落。
米10年債利回りが上昇に転じると、1ドル105円95銭まで持ち直した。
最終的にドル円は、1ドル105円91銭~106円01銭で取引を終えた。
本日の日経平均株価は、NYダウが大幅上昇したことが好感され、買い優勢となるだろう。
本日のニュース
石油会社サウジアラムコ 73%減益 新型コロナで需要落ち込み【NHK】
世界有数の石油会社「サウジアラムコ」は、ことし4月から6月までの最終的な利益を発表し、前の年の同じ時期に比べ73%減少となりました。
会社は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う原油需要の落ち込みが影響したと説明しています。
サウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」は9日、ことし4月から6月までの決算を発表しました。
それによりますと、最終的な利益はおよそ246億リヤル、日本円にして7000億円で、前の年の同じ時期に比べて73%減少しました。
大幅な減益となった理由についてサウジアラムコでは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って経済活動が縮小し、原油の需要が大幅に減ったためと説明しています。
一方、原油市場をめぐっては、サウジアラビアが主導するOPEC=石油輸出国機構とロシアなどの産油国が減産を続けていますが、今月以降、減産幅の目標を縮小しています。
今回の発表の中で、「サウジアラムコ」のナセル最高経営責任者は「国際エネルギー市場では部分的に回復も見られている」とコメントし、世界各地での経済活動の再開を踏まえて原油需要の回復に期待を示しました。

米ギリアド、「レムデシビル」をコロナ治療薬として新薬承認申請【ロイター】
米製薬のギリアド・サイエンシズは10日、同社の抗ウイルス薬「レムデシビル」を新型コロナウイルス感染症治療薬として、食品医薬品局(FDA)に新薬承認申請を行ったと明らかにした。
ブランド名は「Veklury」。
同剤はすでにFDAから重症のコロナ患者に投与する緊急使用許可を得ており、日本などでも使用されている。
【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
アズビル【6845】
アズビルはAA(アドバンスオートメーション)事業において、化学業界が20%、半導体関連が占める割合は10%程度で、それ以外は自動車、産業機械関連。
半導体は好調だが、それ以外の事業が新型肺炎の影響を受けている。
一方、BA(ビルディングオートメーション)事業は大型ビル空調などを中心に堅調だが、AA事業の不振を吸収できないと考えられる。
また、BA事業は、今回の新型肺炎を機に、テレワークの導入などにより従来のオフィスの在り方を見直す動きが出てきていることから、今後の動向に注意が必要である。
同社の会社計画は保守的であるが、株価が上がりすぎているため、今後の上げ幅は限定的なものにとどまると考えられる。
印象としてはニュートラル。