2020年9月11日の相場解説
9月10日の日経平均株価は、前日の米株高を好感し、幅広い銘柄が買い戻される展開に。
ただ、戻り売り圧力も強く、買い一巡後はもみ合いが続いた。
そのため、日経平均株価は前日比202円93銭高の23,235円47銭で取引を終えた。
NYダウはハイテク株を中心に買い戻しが入り、上昇。
ただ、その後は上げ幅を縮小し、午後に入ると売り優勢となったため、下落した。
最終的にNYダウは前週末比405.89ドル安の27,534.58ドルで取引を終えた。
また、ナスダック総合指数は前週末比221.97ポイント安の10,919.59で取引を終えた。
東京時間のドル円は、序盤、1ドル106円20銭前後で推移した。
東京株式市場がスタートすると、五十日(ごとおび)の実需筋によるドル買いが入ることへの期待感と、日経平均株価の上昇を受けて、ドル円は1ドル106円30銭まで上昇する場面もあったが、仲値近辺で1ドル106円20銭台まで押し戻された。
その後、ドル円は1ドル106円10銭台まで水準を下げ、午後に入ると米10年債利回りが低下したことから、1ドル106円を割り込んだ。
欧州勢が参入すると、ドル円は1ドル106円10銭台で推移したが、ロンドン時間になると、ドル円は再び1ドル106円10銭を割り込んだ。
そのままもみ合いが続いたが、ニューヨーク時間に入り、NYダウが高く始まると、ドル円は1ドル106円20銭台まで浮上。
しかし、NYダウが失速すると水準を下げた。
最終的にドル円は、1ドル106円07銭~106円17銭で推移した。
本日の日経平均株価は、NYダウ、ナスダックが下落したことを受けて軟調に推移するだろう。
また、週末ということで、ポジションを解消する動きが出やすいことにも注意したい。
本日のニュース
トヨタ子会社 自動運転などの最先端技術に投資加速【NHK】
自動運転などのソフトウエア開発を手がけるトヨタ自動車の子会社は、最先端の技術を持つスタートアップ企業などに投資をするファンドをつくり、自動車分野だけでなく次世代のまちづくり事業を強化することになりました。
トヨタ自動車の子会社「TRIーAD」は、トヨタがグループの部品メーカーとともにおととし設立し、自動運転技術のソフトウェア開発などを担っています。
発表によりますと、「TRIーAD」は来年1月に技術力の高いスタートアップ企業などと協業していくため8億ドル、日本円でおよそ850億円のファンドをつくります。
自動運転やAI=人工知能の開発を手がける企業のほか、デジタル技術を駆使した都市づくりなどにかかわる企業など、合わせて20社から35社程度への投資を計画し、自動車以外の分野の事業も加速させるとしています。
「TRIーAD」は、来年1月に組織を改め、トヨタが「WovenCity」と名付けて静岡県で開発を進めている未来型の都市など、次世代のまちづくり分野を幅広く手がける計画です。
トヨタとしては、今回のファンドを通じた他社との協業で、IT企業の開発競争が激しいこの分野で存在感を高めたいとしています。
キリン堂HD、MBOで株式非公開化へ【日本経済新聞】
ドラッグストア中堅のキリン堂ホールディングス(HD)は10日、MBO(経営陣が参加する買収)を通じて株式の非公開化を目指すと発表した。
買い付け価格は1株3500円。買い付け予定株数(966万株)をすべて買い付けると約340億円になる。
早ければ年内の上場廃止を目標とする。成長鈍化でドラッグストアの大型再編が相次ぐ中、非公開化で抜本的な経営改革に乗り出す。
米投資ファンドのベインキャピタルが設定した特定目的会社(SPC)を通じてMBOする。
キリン堂HDの寺西忠幸会長や豊彦社長ら創業家は非上場化した後のキリン堂HDの株式の4割を保有し、現経営陣の体制は変わる。
キリン堂HDはベインが持つネットワークを活用し、他業種の買収や協業なども検討する。
キリン堂HDは関西地区を中心に全国で370店舗を運営する。
足元ではマスクや消毒液などの衛生商品がけん引し、2021年2月期の連結売上高は1361億円と前期比2%増を見込む。

【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
西松建設【1820】
西松建設は建築が1Qで低採算案件があったものの、需要は堅調に推移すると考えられる。
また、土木については手持ち工事の採算性や事業環境に変化がないため、工事が進捗するのと同時に2Q以降は改善するものと考えられる。
また、繰越高が豊富にあることから、2022年3月期以降、本格的に売上が伸長し、それによる増益が見込める。
このことを踏まえると、同社株は現状割安な水準にあると考えられる。
印象としてはポジティブ。