2020年9月17日の相場解説
9月16日の日経平均株価は、円高が嫌気されてマイナス圏に沈む場面もあったが、下値で買い戻す動きがあったことから、その後は方向感に乏しい展開に。
この日のFOMCの結果発表を見極めたいとする思惑も強く、日経平均株価は前日比20円64銭高の23,475円53銭で取引を終えた。
NYダウは、この日が最終日のFOMCで事前予想どおり、事実上のゼロ金利と量的緩和の維持が決定され、また、会合参加者の経済・金利見通しで、少なくともゼロ金利を2023年末まで続けるとの想定が示された。
金融緩和が長期化する可能性が高まったことが好感され、NYダウは一時約370ドル高となったが、その後のパウエルFRB議長の記者会見を行い、パウエルFRB議長が「経済見通しが極めて不安定」「人々が安全だと感じるまでは、経済が完全回復する可能性は低い」など回復に慎重な見方を示し、イールドカーブ・コントロールやマイナス金利について踏み込んだ発言もなかったため、NYダウは上げ幅を縮小した。
ただ、午後に入りアップルが売られたことから、一時マイナスに転じる場面もあった。
最終的にNYダウは前日比36.78ドル高の28,032.38ドルで取引を終えた。
また、ナスダック総合指数は前週末比139.85ポイント安の11,050.47で取引を終えた。
東京時間のドル円は、序盤、1ドル105円40銭台で推移したが、東京株式市場がスタートすると、日経平均株価の下落を受けて1ドル105円26銭まで下落する展開に。
1ドル105円30銭台を回復する場面もあったが、上値は重く1ドル105円20銭台~1ドル105円30銭近辺で膠着状態が続いた。
欧州勢が参入すると1ドル105円30銭台を回復したが、再び1ドル105円20銭台に押し戻され、方向感に欠ける展開が続いた。
ロンドン時間に入るとドル円は1ドル105円10銭台まで下落したが、ドル売りが一服すると1ドル105円20銭台を回復。
しかし、FOMCを前にドルを売る動きが強く、ドル円は1ドル105円00銭まで下落した。
ニューヨーク時間に入ると、ハト派的なFOMC声明を警戒し、ドルを売る動きが強まったため、ドル円は1ドル104円96銭まで下落した。
さらに、その後発表された8月米小売売上高が事前予想の前月比+1.0%を下回る同+0.6%となったことが懸念され、ドル円は1ドル104円81銭まで下落した。
ただ、NYダウが200ドル超上昇すると、ドル円は1ドル104円91銭まで上昇。
その後、FOMCで事前予想どおり、事実上のゼロ金利と量的緩和の維持が決定され、また、会合参加者の経済・金利見通しで、ゼロ金利を平均で2023年末まで維持するとの想定が示された。
そのため、ドル円は下落したものの、1ドル104円81銭を割り込めなかったため、1ドル104円90銭台に浮上。
また、パウエルFRB議長が「経済見通しが極めて不安定」「人々が安全だと感じるまでは、経済が完全回復する可能性は低い」など回復に慎重な見方を示した一方で、イールドカーブ・コントロールやマイナス金利について踏み込んだ発言もなかった。
そのため、ドル円は1ドル105円台まで買い戻されたが、再び1ドル104円90銭台に水準を下げた。
最終的にドル円は、1ドル104円91銭~105円01銭で推移した。
本日の日経平均株価は、パウエルFRB議長が米景気の回復に慎重な見方を示したことや、NYダウが小幅上昇し、ナスダックが下落したことから、上値の重い展開になると考えられる。
本日のニュース
コロワイド 大戸屋の経営陣の大幅入れ替え求める方針【NHK】
株式の公開買い付けを通じて定食チェーン「大戸屋ホールディングス」の株式の47%余りを保有する大株主となった外食大手の「コロワイド」は、ことし11月に開かれる予定の大戸屋の臨時株主総会で、経営陣の大幅な入れ替えを求める方針を明らかにしました。
コロワイドはTOB=株式の公開買い付けで大戸屋ホールディングスの株式の47%余りを保有する大株主となり、役員の刷新を求めて大戸屋側と協議を続けてきました。
これについてコロワイドは16日、現在11人いる大戸屋の取締役のうち10人を解任したうえで、新たにコロワイド側から7人の取締役を選任するよう求めることを明らかにしました。
コロワイドはこの人事案を11月上旬に開かれる予定の大戸屋の臨時株主総会で提案することにしています。
コロワイドは当初、現在の取締役全員の解任を提案する方針でしたが、今後の事業を円滑に進めるため事業会社「大戸屋」の前の社長の山本匡哉氏は解任の対象から外すということです。
大戸屋は、新型コロナウイルスの影響で業績の回復が見通せない状況が続いていて、コロワイドは大戸屋の経営陣を大幅に入れ替えたうえで、店内で行っている調理の一部を共通のキッチンに集約するなどコスト削減策を進め、経営の立て直しを進めたい考えです。
コロワイド側が経営陣の入れ替えを求めていることについて、大戸屋ホールディングスは「臨時株主総会での株主の判断に委ねることになるが、取締役会で対応を検討した上改めて回答したい」とコメントしています。
JR東と西、ともに今期巨額赤字の見通し-新型コロナの影響鮮明に【Bloomberg】
JR東日本は16日、今期(2021年3月期)の純損益が4180億円の赤字(前期は1984億円の黒字)に転落する見通しを発表した。
新型コロナウイルスの影響で業績が不透明として従来は未定としていたが、夏の輸送実績などを踏まえて今後の収入動向などをある程度見通すことができる状況になったため開示したとしている。
JR東の今期の赤字幅はブルームバーグが集計した市場予想の平均値(1690億円)を大きく上回った。
JR東の決算資料によると、前期は3808億円の黒字だった営業損益は5000億円の損失を見込む。売上高は前期から約1兆円の減収となる1兆9300億円にとどまる見通し。
年間配当は前期から65円減配の100円とした。今期の設備投資は7110億円と前期より4%減を見込んでいる。
一方、JR西日本も同日、今期の業績見通しを発表。純損益は2400億円の赤字(前期は894億円の黒字)と市場予想(976億円の赤字)の赤字幅を上回った。
新型コロナの感染拡大で、国内では4月から5月にかけて政府の緊急事態宣言が出され、自粛の広がりで経済活動が大幅に停滞。
これにより、ANAホールディングスと日本航空(JAL)が4-6月期に大幅な赤字を計上するなど、航空や運輸、レジャーなどの関連企業で特に厳しい業績悪化が見込まれていた。
ANAHDとJALはともに今期の業績見通しを公表していない。

【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
あさひ【3333】
あさひの8月度(7/21-8/20)販売実績は、既存店ベースで前年同月比31.4%増、全店ベースで同35.3%増となった。
曜日効果は前年同月よりも祝日が2日多くポジティブで、さらに前年同月が苦戦(既存店:同4.0%減)し、そこからの回復を踏まえた上でも、今年の8月度の結果は強い数値であるといえる。
なお、3-8月累計の既存店増収率(前年同期比12.1%増)は、21.2期会社計画(既存店:同2.7%増)を大幅に上回っている。
なお、21.2期上期(3-8月)決算は9月28日発表予定であるが、会社計画を上回る着地になる公算が高い。
印象としてはポジティブ。