2020年10月29日の相場解説
10月28日の東京株式市場は、欧米での新型肺炎の感染再拡大とそれに伴う経済活動の制限措置の再拡大を受けて前日のNYダウが続落したことから、下落。
また、米フィラデルフィアでの暴動も嫌気され、株価の下押し要因となった。
日経平均株価は前日比67円29銭安の23,418円51銭で取引を終えた。
NYダウは、欧米での新型肺炎の感染再拡大と経済活動の停滞による景気回復の遅れが懸念され、大幅下落。
VIX指数は40を一時上回るなど、6月中旬以来の高水準となった。
そのため、NYダウは前日比943.24ドル安の26,519.95ドルで取引を終えた。
また、ナスダック総合指数は、前日比426.48ポイント安の11,004.87で取引を終えた。
東京時間のドル円は、序盤は1ドル104円50銭台で推移したが、仲値近辺で実需筋によるドル売りが入ったことから、1ドル104円45銭に下落。
その後も上値の重い展開が続き、1ドル104円30銭台を割り込む場面もあった。
午後に入ってもドル売りが続き、ドル円は1ドル104円20銭台まで下落。
欧州勢が参入すると、ドル円は1ドル104円20銭を割り込んだが、ロンドン時間に入るとドル売りが一服したため、1ドル104円30銭近辺まで値を上げた。
しかし、再び円が全面高となり、1ドル104円10銭台に値を下げた。
ニューヨーク時間に入ると、ドルが買い戻されたため、ドル円は1ドル104円30銭台に浮上し、もみ合いとなった。
最終的にドル円は、1ドル104円26銭~104円36銭で推移した。
本日の日経平均株価は、前日の米株の大幅続落を受け、下落しやすい展開に。
円高の進行も、重しになると考えられる。
本日のニュース
米ボーイング4四半期連続の赤字、追加人員削減へ コロナ禍響く【ロイター】
米航空機大手ボーイングが28日発表した第3・四半期決算は、4四半期連続の赤字となった。主力機「737MAX」の運航停止が引き続き売上高を圧迫する中、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による航空機需要の低迷が追い打ちをかけた。
特別項目を除く1株損失は1.39ドルと、リフィニティブのまとめた市場予想の2.52ドルより小幅だった。
売上高は29%減の141億4000万ドル。しかし、予想の139億ドルは上回った。
フリーキャッシュ流出は50億8000万ドルと、前年同期の28億9000万ドルから拡大。
総債務も610億ドルと、192億ドルから急増した。
カルホーン最高経営責任者(CEO)は社員宛てのメモで、世界の従業員数を2021年末までに13万人程度とする方針を表明。
これまでの人員削減計画のほぼ倍増となる3万人の削減に踏み切る見通し。
また、同CEOは737MAXについて、規制当局からの承認獲得が近づいているとCNBCのインタビューで語った。
さらに、年末時点の航空交通量は昨年の30─35%近辺に達する見通しとした。
ボーイングは、コロナ危機前の水準回復には約3年を要すると想定している。
ボーイングの株価は午前の取引で約2.6%下落した。

日立製作所 半年間決算は減収減益も年間利益見通しは上方修正【NHK】
日立製作所が28日発表した先月までの半年間の決算は、新型コロナウイルスの影響で減収減益となったものの、景気の持ち直し傾向が鮮明な中国でのビジネスが好調なことなどから今年度1年間の本業の利益の見通しを上向きに修正しました。
日立製作所の先月までの半年間のグループ全体の決算は、売り上げは3兆7600億円で前の年の同じ時期と比べて10.9%減少し、本業のもうけを示す営業利益も1807億円で39.2%減少しました。
新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な景気の低迷で、建設用機械の売り上げが落ち込んだことや子会社の日立金属の業績悪化が響いた形です。
一方、景気の持ち直し傾向が鮮明な中国でのエレベーター事業や、リモート技術などを活用したシステム開発のビジネスが当初の予想より好調なことから、今年度1年間の業績は本業の利益を示す営業利益が4000億円と予想していて、これまでの見通しを上方修正しました。
河村芳彦最高財務責任者は、オンラインでの会見で「ことし4月から6月までの3か月間と比べるとその後の3か月間は堅調に利益が出ている」と述べました。

【今朝の5本】仕事始めに読んでおきたいニュース【Bloomberg】

本日の銘柄ニュース
小糸製作所【7276】
小糸製作所の2021年3月期2Qは減収減益。
Quickコンセンサスの118億円を上回る152億円となった。
その理由として、コスト抑制効果や北米やアジアを中心に9月に増産したこと、グローバルでの合理化効果があったと考えられる。
なお、3Qはトヨタの増産見通しが、4Qは前年同期に中国で新型肺炎が発生し、減産した反動があると考えられる。
このことを考慮すると、会社計画は保守的。
印象としてはポジティブ。