株式投資で重要となる会社の業績は、何をチェックすべきか

株式投資の基本

売上高と営業利益以下の利益が成長しているかどうかが重要なポイント

株式投資で利益を出すための基本が、キャピタルゲインを狙うことです。前回、キャピタルゲインを獲得するためには、「安く買って高く売る」ことが基本である、ということを書きました。「安く買って高く売る」ためには今後の成長が見込める良い銘柄を買う必要がありますが、今後の成長が見込める銘柄を買うには、まずは普段の生活の中からヒントを見つける…つまり「この会社の商品やサービスが良い」と感じたら、その会社の業績をチェックする必要があります。

業績をチェックすることは非常に大切ですが、業績の何を確認すれば良いのでしょうか?

実はチェックすることは多くありません。見るべきは売上高と利益です。なお、売上高と利益については、前回も書いたとおり、上場企業であれば、会社のHPにIR情報を掲載しています。そのIR情報の中に決算短信や四半期報告書などの情報が載っていますので、これを確認します。一番ボリュームとして見やすいのは決算短信ですので、まずは決算短信から確認してみましょう。

「売上高を見ろと言われても、売上高から何を見れば良いの?」と思う人もいるでしょう。売上高そのものを見たところで、それはただの数字でしかありませんし、それを見たからといって、そこから何か分かるわけではありません。売上高から確認したいのは、売上高そのものの数字よりも、「売上が伸びているか」ということです。つまり、前期に比べて今期は売上高が伸びているのか、ということを見なければなりません。

決算短信を見ると、売上高の数字が書かれている横に、前期比何パーセントの増収になったか(あるいは減収になったか)ということが記載されています。売上高の数字も大切なのですが、それよりも確認したいのが、こちらの数字です。10.0%、△5.2%など様々な数字がパーセントで書かれていますが、これは前年同期比で何パーセントの増収(または減収)になったか、ということを示しています。この数字がプラスであればOKということです。簡単に言えば、数字の前に△がついておらず、0.0%以外の数字が書かれていれば増収ということになります。

次に確認したいのが、営業利益と経常利益です。営業利益は本業で得た利益のことを言います。売上から本業でかかった原価や人件費などの経費を引き、残ったものが営業利益になります。一方、経常利益は本業以外で得た利益を加えたものことを言います。このように書くと、ちょっとイメージがわかないかもしれません。例えば、預金で得た利息や株の売買損益、また、輸出・輸入をしている会社の場合は為替差益・差損などが経常利益に計上されます。ちょっと乱暴な言い方になりますが、経常利益は「会社が財テクで得た利益を営業利益に加えたもの」というとイメージしやすいかもしれません。

こうして経常利益を算出した後、そこから一時的な利益や損失である特別損益を加減し、税金を引いたものが当期純利益です。投資家にとっては、この部分が一番重要になります。というのも、すでに解説したとおり、当期純利益が投資家への配当に回されるからです。この当期純利益を発行済株式総数で割ったものが「一株当たり当期純利益」です。そのままだと長いので、EPSとも呼ばれます。

例えば、EPSが30円だとすれば、1万株保有している場合は30万円分の配当が理論上は受け取れることになります。しかし、実際、当期純利益をすべて配当に回すケースは少なく、大抵の場合は将来のための投資に大部分を回し、残ったものを投資家に配当することになりますので、実際にはこの一部が配当になります。そのため、配当がある場合は決算短信の「配当の状況」の中で、年間配当金として例えば期末の部分に「5円00銭」というように記載されるわけです。この場合、先ほど書いたように1万株保有しているなら5万円の配当が受け取れる、ということになります。

このことからも分かるように、投資家にとって重要なのは基本的にはEPSということになります。配当は当期純利益から出すことになるからです。とはいえ、他の利益…つまり、営業利益と経常利益が重要ではないのかというと、決してそうではありません。なぜなら、営業利益に財テク収入を加減し、そこから一時的な損益を加減したうえで、さらに税金を引いて残ったものが当期純利益になるためです。つまり、基本的に大本の利益がなければ、配当はされない、ということになってしまいます(もちろん、例外はあります。営業利益や経常利益が赤字でも、特別利益があった場合は当期純利益はプラスとなります)。そのため、他の利益についてもきちんと見る必要があるのです。

営業利益と経常利益の見方について

営業利益と経常利益のどちらをより重視するか、ということについては、正直難しい部分があります。投資家によって、「営業利益が大切だ」という人もいれば、「経常利益が大切だ」という人もいるからです。どちらが正解ということはないのですが、やはり本業で利益を出せる体質でなければいけませんので、営業利益については特に注目したいところです。営業利益が黒字ということは、本業で利益を上げられる経営体質である、ということが言えるからです。

営業利益や経常利益についても売上高と同様、数字そのものも大切ですが、増益のパーセンテージの部分を確認しましょう。決算短信を確認すると、営業利益や経常利益の数字の横に、20.0%、△4.5%などといった数字が書かれています。これも売上高同様、数字の前に△がついておらず、0.0%以外の数字が書かれていれば増益ということになります。

ちなみに、売上高や営業利益が前年同期比プラスであれば増収増益、前年同期比マイナスであれば減収減益ということになります。しかし、売上高が前年同期比プラスで営業利益が前年同期比マイナスという増収減益や、売上高が前年同期比マイナスで営業利益が前年同期比プラスの減収増益ということもよくあります。こうなってくると判断に困るのですが、基本的には増収増益が良い、ということを押さえておきましょう。基本は売上が伸びれば利益も伸びるわけですので、その基本が達成できているか、ということが重要になります。

仮に売上は前年同期比マイナスが続いているのに営業利益が伸びているという会社の場合、コストカットで営業増益を達成し続けている可能性が高い、ということになります。放漫経営で無駄なコストをかけすぎていた、という場合はまだ良いのですが、それでも売上が減少する中でコストカットを続けて営業利益を伸ばすのには限界があります。反対に売上が伸びているのに営業減益が続いているということは、コスト面でのコントロールがうまくできていない経営下手な会社ということになります。いずれは増益に転じるかもしれませんが、その兆候が見えるまでは、基本的には手を出しにくいと考えましょう。

増収増益を達成しているかどうか、ということについては、最新の期のみを見れば良いわけではありません。成長力のある会社は、増収増益が続いているケースがよくみられますので、そのことについても確認しましょう。そして、何期連続で増収増益となっているのかについても併せて確認します。この期間が長ければ長いほど、今後も増収増益を達成する可能性が高い、ということになります。

なお、会社によっては子会社などのグループ会社も決算に加えているところもあります。このような会社は大手になればなるほど多いです。そのため、連結決算と単体決算を両方掲載している会社の場合は、基本的に連結決算を見るようにしましょう。というのも、子会社が親会社の一部門のような形になっているケースが多く、連結決算の方が実態に合っていると考えられるからです。特に子会社などがない会社の場合は、単体決算を見るだけで問題ありません。

まとめ

今回は、会社が成長を続けられるかどうかの指針として、決算短信の数字を見ることについて紹介しました。そして、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益についての基本についても解説しました。

売上高などの数字そのものも大切ですが、それ以上に見たいのが、増収増益なのかどうか、ということです。前期よりも成長しているのかを確認することが、良い銘柄を見つけるための基本となります。さらには、前期より成長しているという状態が続いているのか、ということも重要です。これまで成長を重ねてきた会社を見つけることが、今後も成長できる会社かどうかを判断するための第一歩となります。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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