配当や株主優待の基本について

株式投資の基本

配当や株主優待はインカムゲイン

株には値上がり益の「キャピタルゲイン」を狙う以外に、配当や株主優待といった「インカムゲイン」を狙う方法もあります。実際、キャピタルゲインではなく、配当や株主優待狙いで株を取引する人も多く、そのような人の中には、自分が保有している銘柄の株価にはそれほどこだわらないという人もいます。目的は配当や株主優待をもらうことであるわけですので、そもそもその銘柄を手放すつもりがない、という場合は、株価が上がろうと下がろうとあまり関係ないということになります。

配当は何が重要になるのか

配当についてはこれまで何度も書いてきたとおり、当期純利益が重要になります。この当期純利益が配当に回されることになるからです。なお、仮にその期は赤字であったとしても、配当が出ることもあります。例えば、トヨタ自動車(7203)は赤字転落した2009年3月期にも配当を出しています(ただし、配当額は前年同期比から40円減額しました)。最終的に赤字になったにも関わらずどうして配当が出せるのかというと、それまでの当期純利益のうち、利益余剰金として積み重ねてきたものが配当に回ったのです。つまり、これまでの内部留保が利益余剰金に計上され、その一部を投資家への配当に回した、ということになります。この時のトヨタ自動車のように、当期純利益が赤字だったとしても、それまでの利益余剰金が潤沢にある場合は、投資家に配当するケースもあります。とはいえ、当期純利益がマイナスという状態がずっと続けば、それもいずれはできなくなってしまいますので、やはり最終黒字になることは非常に大切なのです。

さて、配当についてですが、基本的には当期純利益が投資家への配当に回る、ということはすでに書いたとおりですが、事業拡大のための投資に回すことなどを考慮すると、当期純利益を投資家に全額回すことはほとんどありません。大抵、一部を投資家に配当する形になります。

配当額は1株〇円という形で、株主総会で決定されます。なお、配当については振込んでくれる会社もありますし、郵便局や銀行などの窓口で直接受け取ることもできます。郵便為替など配当を受け取るための書類が会社から送られてきますので、それと一緒に身分証明書と印鑑を持っていくことで、支払ってもらえます。なお、証券会社の証券口座を配当の振込先に指定することも可能です。配当の受け取り方は意外と多種多様なのです。なお、配当は受け取れる期間が決まっていますので、その点については気を付ける必要があります。

配当を考える際に見たいのが、配当利回りです。配当利回りは1株あたりの年間配当金を現在の株価で割ることで産出されます。例えば、年間の配当金が1株30円で現在の株価が2,000円だとすると、配当利回りは1.5%ということになります。

東証一部上場企業の配当利回りは2%程度なのですが、これよりも配当利回りが高ければ、高配当ということになります。中には、配当利回りが10%台、20%台という会社もありますので、より高い配当を狙うのであればこのような高配当銘柄を持つという選択も有りでしょう。ただし、高配当だから何でもよいというわけではありません。今期は平均配当利回りを大幅に上回っていたとしても、翌年には平均以下の配当利回りになってしまったり、配当されない、という状態になってしまうことも考えられるからです。そのため、配当利回りだけに注目して投資するのは避けた方が賢明だと言えます。

配当目的で投資する場合に見るべきポイントとは

では、配当を目的に株式投資する場合は何を見れば良いのでしょうか?ちょっと難しい話をすると「ネットキャッシュ」の多いキャッシュリッチ企業を狙うのが良い、ということになります。ネットキャッシュとは、現金と有価証券を加えたものから有利子負債を引いたもののことをいいます。これにより算出されたネットキャッシュが豊富な企業…簡単に言えば、現金をたくさん持っている企業が配当をしてくれる可能性が高い、ということになります。ただし、ただ現金をたくさん持っていればよいというわけではありません。このことに加え、例えば自己資本比率などさらに色々な条件を見ていったうえで、「配当をしてくれそうなキャッシュリッチ企業」ということができます。

このことについてはまた別の機会に解説しますが、もし簡単に知りたいのであれば、東洋経済ONLINEや会社四季報ONLINEなどのネット記事でキャッシュリッチ企業のランキングを取り上げていることがありますので、そちらを見てみるのも一つの方法でしょう。

配当をしてくれそうな銘柄をもっと簡単に選びたい場合は、「増配しているか」ということに目を向けてみるのも良い方法です。企業の決算の詳しい分析ができなくても、できるだけ業績の動向や財務体質の良い会社に投資したいわけです。そんな時は、「増配を続けているかどうか」ということに目を向けてみましょう。中には何十年も増配を続けている会社もあります。増配を続けている会社は経営状態が良好な会社が多いため、倒産や無配などの心配も軽減されます。さらには、配当だけで投資資金を回収できるため、その後は株価の変動を気にしなくても良くなります。ただし、投資資金の回収についてはある程度の年数がかかることは覚悟した方が良いでしょう。1年で回収できるなどとは思わず、10年単位での回収になる前提で行いましょう。

株主優待目的で投資する場合に見るべきポイントとは

ここまで配当について解説しましたが、株主優待についても基本的には配当と同じです。ただし、株主優待は「モノ」や「サービス」で還元されるため、配当よりも利回りが見えにくいかもしれません。ですが、株主優待も見るべきポイントを押さえれば、利回りの「高い・低い」が見えてきます。

株主優待でチェックしたいのは、優待利回りです。優待利回りは優待価格を投資金額で割ることで算出されます。そのため、例えば20万円で買った株の株主優待が1万円相当のモノやサービスであれば、優待利回りは5%ということになります。

優待利回りについては、自社商品や自社のサービス利用券や割引券などを株主優待にしている会社ほど高い、という傾向があります。当然のことながら、自社商品や自社サービスについては、企業が負担する部分は商品やサービスの原価部分だけになります。しかし、自社商品やサービス以外の優待を配る場合…例えば、クレジットカード会社の商品券などになると、それを会社が負担しなければならず、自社製品などにくらべると負担するコストが大きくなってしまいます。このことから、優待利回りについては、自社製品や自社サービスなどを株主優待にしている会社の方が高いのです。

優待利回りの高い銘柄を探す場合、「みんなの株式」などのサイトなどから探すことができます。また、証券会社の中には、優待利回りを指定して銘柄を検索できるよう、ホームページ上に検索ツールを用意しているところもあります。このような情報ツールを利用し、優待利回りの高い銘柄を探してみると良いでしょう。

配当や株主優待を受け取る際にはスケジュール管理が大切

配当や株主優待を受け取るために大切なのは、スケジュール管理です。というのも、株主としてこれらの権利を受け取るためには「〇月〇日時点で株主になっていなければならない」という条件があるからです。これを「権利確定日」といいます。

権利確定日に株主でいるためには、その3営業日前までに自分が配当や株主優待を受けたい銘柄を買っておく必要があります。というのも、株は受け渡しに日数がかかり、実際に株を買ってもすぐにそれを受け取ったことにはならないからです。実際受け取れるのは株を買った日(約定日)から4営業日目となります。そのため、配当や株主優待を受け取るためには、権利確定日の3営業日前までにその銘柄を買っておく必要があります。そのため、例えば権利確定日が仮に金曜日だとすれば、その週の火曜日までにその株を買っておかなければなりません。

また、土日祝日を挟む場合についても考えてみましょう。土日祝日は市場が休みになりますので、受け渡しは行われません。そのため、例えば、権利確定日が火曜日でその前の土曜日、日曜日、月曜日が休日の場合は、前週の水曜日までにその株を買っておく必要があります。

ただし、一点注意したいことがあります。権利確定日の3営業日前は、配当や株主優待をもらうために、駆け込みでその銘柄を買う投資家が増えます。そのため、株価が上がりやすくなるのです。配当や株主優待をもらう権利が確定したら、その翌日(権利落ち日)から株を売却する投資家が増えるため、今度は株価が下がっていきます。配当や株主優待をもらうことしか考えていないのであればあまり気にすることではないかもしれませんが、キャピタルゲインも狙いたい、という場合は、高値掴みを避けるためにも余裕を持ってその銘柄を買っておきましょう。

なお、株主優待の場合、その株を持っていれば必ず受けられるわけではなく、「〇株以上持っていないと受けられない」などの条件があるため、受けられるための条件もしっかり確認しておきましょう。

まとめ

今回は配当と株主優待について解説しました。この2つも株式投資の醍醐味ですが、どちらも受けるためのルールや条件がありますので、しっかり確認しておきましょう。

また、配当については、業績次第で無配になることもあります。継続して受けたい、という場合は、これまで配当をきちんと続けてきているのか、ということもそうですが、増配をずっと続けてきているか、ということをきちんとチェックしましょう。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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