株の取引に欠かせない板情報の基本を知ろう

株式投資の基本

株の注文状況が分かる板情報とは

株を売買する際、何を見れば良いでしょうか?「株価チャート」を見る、という人もいるでしょう。もちろん、株価チャートを見ることも大切です。なぜなら、これまでの株価の動きが明確に分かり、どのあたりが底で、どのあたりが天井になったのか、ということが視覚的に分かるからです。FXの場合は、株価チャートを見て、「このあたりで注文を出したい」と思った時に、チャートをクリックするだけで注文できる、という機能を搭載している会社もあるくらい、チャートが売買において重要な位置を占めますが、株の場合はチャートよりも板情報を見て売買することがほとんどです。今回は、株の注文において重要な「板」について解説します。

「板情報」とは、銘柄ごとに売り注文、買い注文の状況が分かる売買情報のことです。別名「気配情報」と言い、通称「板」とも呼ばれます。板情報は、どの価格にどれくらいの売り注文と買い注文が入っているのかが分かるのが特徴です。
板情報はこのような感じで表示されます。

売気配株数 気配値 買気配株数
30000 OVER
4000 1200
3000 1195
2000 1190
1185 10000
1180 20000
1175 30000
1170 100000
UNDER 500000

このように、どの価格にどれくらいの注文が入っているのかが分かるのが板情報の特徴です。それぞれの価格の左右に入っているのが買い注文、売り注文になりますが、これは指値で入っている注文ということになります。ちなみに、この銘柄の場合、刻み値(別名“呼値”)と呼ばれる売買の価格単位は5円単位であることが分かります。板情報を見ることで、刻み値を知ることもできるのです。

例えばこの板情報を見て、1,185円で5,000株の指値注文を入れれば、「1,185」と書かれた横の「10,000」が「15,000」に変わります。なお、もしも1,185円で5,000株買いたいという人が現れた場合、後から入れた5,000株ではなく、最初に入っていた10,000株の注文のうち、5,000株分が約定することになります。指値注文は、同じ価格に関しては時間優先ということになり、要は早いもの勝ちで先に注文を入れた方からどんどん約定していきます。そのため、後から入れた注文については、この価格で買いたいという人や成行注文を発注する人が他に現れない限り、約定しないということになります。

板情報はこの先の株価の動きを予測するのに役立ちます。上の板情報の場合、売りと買いでは圧倒的に買い注文の方が多いわけです。ただし、この状態では値段がつかず取引が成立しません。この後、1,190円に買い注文が入るか、あるいは1,185円に売り注文が入る、あるいは成行注文が入ればそこで売買が成立します。この板情報の場合、買い注文が多いことから、始値が付いた後は、どんどん株価が上昇していく可能性が高いことが考えられます。

反対に、売りが多いケースももちろんあります。その場合は売り注文の数量の方が圧倒的に多く、始値が付いた後はどんどん値下がりしていくことが考えられます。

成行注文は基本的に板情報には表れない

ここまで書いたとおり、板情報からは、始値が付いた後、どのような動きになるのかを予想することができる、というメリットがあります。ただし、成行注文に関しては、板情報に現れないため注意が必要です。正確に言えば、取引が始まる前…寄り付き(前場と後場、それぞれ最初に行われる取引)前の状態では、成行注文が入っていることが分かります。
このような感じです。

売気配株数 気配値 買気配株数
30000 成行 50000
30000 OVER
4000 1200
3000 1195
2000 1190
1185 10000
1180 20000
1175 30000
1170 100000
UNDER 500000

成行注文は「どんな値段でも買います(売ります)」という注文ですので、取引が始まると板情報に表示されません。なぜなら、表示される前に売買が成立してしまうからです。そのため、寄り付きから順調に上がっていったとしても、大量の売りの成行注文が入れば、一気に株価が下がることもあるのです。このような状況を避けるためにも、「歩み値」を利用すると良いでしょう。歩み値は別名ティックと言い、約定した株数の履歴が分かります。買い注文の勢いが強いのか、売り注文の勢いが強いのかを歩み値からある程度推測することができますので、板情報と併用すると良いでしょう。

板が薄い状態は注意が必要!

先ほど板情報の例を上で挙げましたが、実際の取引では、このように注文が刻み値ごとにきれいに入り並んでいるケースもあれば、そうでないケースもあります。そうでないケースというのは、下のような状態です。

売気配株数 気配値 買気配株数
30000 OVER
4000 1240
3000 1230
2000 1225
1195 10000
1180 20000
1170 30000
1165 100000
UNDER 500000

この板情報の場合、売り注文の最安値が1,225円、買い注文の最高値が1,195円と、30円乖離しているスカスカの状態になっています。このような状態を「板が薄い」といいます。刻み値ごとに規則正しく注文が入っていないため、このような場合は一気に値が飛ぶことも珍しくありません。例えば、1,225円で約定したと思ったら、その後はなかなか注文が入らず、しびれを切らした他の投資家が1,195円で売り注文を出す…などということもよくあるのです。すると、株価はそれまでの1,225円から一気に30円値下がりし、1,195円に下落してしまいます。板情報を見るとわかるとおり、株価というのは、点で動いているのです。チャートを見ると、あたかも徐々に値上がりや値下がりをしたかのように見えますが、板情報を見るとそうではないことが分かります。正確な株価の動きを知るためにも、先ほど紹介した「歩み値」を見ると良いでしょう。

なお、このようなスカスカの板情報は、普段あまり取引されない銘柄でよく見られます。例えば、中小型株や低位株などの場合、売り注文と買い注文との乖離が大きく、入っている売り注文も買い注文も刻み値ごとになっておらず、まばらです。このような時、どうすれば良いかは状況次第です。元々取引量が少なく、それでも今後の値上がりが見込めるのであれば、思い切って薄い売り板に買いの指値注文を入れる、という判断もできます。ただ、その場合も一気に注文を入れるのはやめ、相場の状況を見ながら小分けして注文を入れていくのが良いでしょう。

特別気配やストップ高・ストップ安について

なお、板にはたまに「特」や「S」という文字が表示されることがあります。価格と買いまたは売り注文の数量の間に表示されるのですが、この「特」の文字は「特別気配」といいます。「特」の文字が表示される時は、どちらかの注文が圧倒的に多いことを示していて、買い注文の数量側に表示される場合は買い注文が圧倒的に多い「特別買い気配」、売り注文の数量側に表示される場合は売り注文が多い「特別売り気配」ということになります。

また、「S」の文字が表示される時は、ストップ高やストップ安の状態になっているということを表しています。ストップ高とは値幅制限いっぱいまで買われていること、ストップ安とは値幅制限いっぱいまで売られていることを意味しています。ストップ高やストップ安の表示さがされている場合、売買については慎重になった方が良いでしょう。「かなり安値で買ったので、ストップ高で売りたい」という場合は、ストップ高の価格に指値注文を入れておく判断をしてもかまいません。その価格に買い注文が入れば、約定します。

まとめ

今回は、株の売買に欠かせない板情報について解説しました。板情報を見て取引できるのが、株式投資のメリットです。これからどんどん上がっていくであろう株というのは、寄り付き前の板情報からも、ある程度察することができます。寄り付き前からどんどん買い注文が入り、板情報に表示される価格が切り上がっていくのです。ただし、最近ではコンピューターを使ったアルゴリズム取引が一般的になってきているため、板情報が激しく動いたとしても、思ったような値動きにならないこともあるので注意が必要ですが、ある程度の目安にはなります。特に見たいのは買い指値のボリュームです。これから上がるだろうと予測できる板情報は、買い気配の株数のボリュームが多く、刻み値ごとにたくさんの買い注文が入っています。反対にこれから下がるであろう板情報は、売り気配の株数のボリュームが多く、刻み値ごとにたくさんの売り注文が入っています。このような板情報の基本を押さえることで、その日取引する銘柄の大まかな流れを予測することができるのです。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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