PBRとは何か

株式投資の基本

株の投資指標「PBR」とは何か

株式投資をするうえで欠かせない指標の一つにPBRがあります。基本的な指標として出てくるPBRですが、これはいったい何なのでしょうか?

PBRに関する解説を読むと必ずと言ってよいほど書いてあるのが「会社の解散価値」という言葉です。PBRが会社の解散価値というのはどういうことなのかというと、PBRが株価÷1株当たり純資産(BPS)で算出されるからです。株価=1株あたり純資産となった時…つまり、PBR1倍になった時に、その会社の時価総額は純資産(自己資本)どおりの金額になったということが言えます。その時点で会社が解散したとしても、純資産分の価値はあるということです。仮に資産をすべて現金化した場合に、時価総額どおりの金額になるという意味です。そのため、PBRが1倍以上の場合は割高、1倍割れの場合は割安というように株式投資では判断します。

株式投資では、PBR1倍割れの銘柄を狙え!ということがよく言われます。それはなぜかというと、PBR1倍割れはその会社がディスカウント価格で買える状態になっているからです。仮にPBR0.7倍の銘柄があったとすると、その会社の資産を株主として保有するのに、本来必要な金額の3割引きの金額で買えてしまう、ということになるのです。

PBRに注目した投資方法について

PBRに注目して投資する方法はとても単純で分かりやすいのが特徴です。ただ、デイトレなどの短期トレードに向いた方法かというと、決してそうではありません。デイトレで利益を出す場合は、何か大きな材料が出た銘柄に投資するのが基本です。例えば、前日の後場終了後にその会社が上方修正を発表した、株式相場が始まる前にその会社が他の会社との事業提携を発表した、アナリストがレーティングを上方修正したなどといった好材料が出た場合に、その銘柄を早々に買い、株価の上昇を狙ってその日中に反対売買で売り抜けてしまうのがデイトレです。また、悪材料が出た場合も同様で、デイトレでは悪材料が出た銘柄を空売りし、その日中に買い戻します。この場合、PBRに注目して投資するわけではなく、事前に出た好材料・悪材料を元に取引します。たまたまその銘柄のPBRが割安・割高ということはあるかもしれませんが、取引参加者が見るポイントはPBRではないのです。

PBR投資は、基本的に長期トレードで有効です。何らかの理由で人気がなく、その会社の自己資本を下回る評価しかされていない銘柄に目を付け、徐々に値上がりしていくのを狙った投資法と言えます。

例えば、大きな赤字を出した会社があるとします。ただ、その赤字は一時的なもの…例えば減損損失を計上したために純利益が純損失となり、赤字に転落してしまったとします。そのために株価が下落し、PBRもどんどん下がってきている…そんな銘柄があるとします。このような銘柄はPBR投資には向いているといえます。さっそく「悪材料で株価が下がった!よし、すぐに買うぞ!」と言いたくなるところですが、ここは少し待ちましょう。買うにあたり、ちょっとした計算が必要だからです。というのも、ここからさらに下がる可能性があるからです。

この場合に考えたいのは、赤字を計上した際のその会社の純資産です。赤字を計上する前の純資産から純損失を差し引きます。そこで出た金額を発行済株式総数で割った数字がその会社の新たなBPSとなり、PBR1倍となる場合の株価になるということが分かります。そこで、現在の株価のPBRと現在の株価÷新たに出したBPSで算出して出したPBRとを比較し、仮に現在のPBRが1倍を超えているようであれば、まだ買わないでおきましょう。

次に赤字が出る前と赤字が出た後とを比較をしてみます。例えば、赤字が出る前のBPSが1,000円、赤字が出た後の今の株価が900円だとします。ここから、赤字が出た後の株価は、赤字が出る前のBPSの900÷1,000=0.9つまり、0.9倍になっていることが分かります。

さらに、赤字が出た後のBPSについても見てみましょう。仮に赤字が出た後のBPS、つまり赤字を計上する前の純資産から純損失を差し引いて算出した金額を発行済株式総数で割った数字が800円だとします。すると、赤字が出た後のBPSは赤字が出る前のBPSである1,000円の0.8倍になることが分かります。そして、現在の株価を赤字が出た後のBPSで割ってみるのです。つまり、900÷800となり、現在のPBRは1.125倍になることが分かります。ここから分かるのは、株価はまだ割高な水準にあるということです。そのため、悪材料出尽くしとはなっていないのではないか、ということが考えられます。

赤字という悪材料が出た現在の株価はすでに書いたとおり900円、つまり、赤字が出た後の株価は赤字前のBPSである1,000円の0.9倍です。悪材料が出た場合、株価は下がりやすくなります。そのため、ここからさらに株価が下がとしたら、新たなBPSを基準にして考えると、800円×0.9=720となり、720円までは下がるのではないかという予想を立てることができます。そして、PBR1倍となるのは、800円であることから、どのような戦略で売買するかを考えなくてはなりません。

現在考えられる底値は720円ですので、720円で実際に底を打った時に買いを入れるのも良いでしょう。また、その場合の利益確定はPBR1倍の800円になると考える、というのも一つの戦略です。

PBR投資にはさらに簡単なものも

先ほど、PBRを使った取引方法について書きましたが、さらに簡単な方法もあります。例えば、年末、特に12月に入ると株価は下がりやすい傾向にあります。なぜなら、ポジションを持ち越さないよう、一度利益を確定してしまう投資家が多いからです。他の月の場合は、利益確定のために株を売っても、それを買い支える投資家が個人・機関投資家ともにいるのですが、年末になると新たに株を買ったり買い増したりする投資家が少ないため、株価は他の月に比べて下がりやすい傾向にあります。

このような時にPBR1倍割れの銘柄に投資するのです。そしてそのまま次の年の11月まで1年間持ち越すと、株価が上昇するケースが多く見られます。あるいは、5月などもっと早いタイミングで手仕舞ってしまっても良いでしょう。これを毎年繰り返すだけでも、高パフォーマンスを期待することができるのです。

PBR投資が有効なタイミングとは

PBR投資の具体例をここまで書いてきましたが、PBR投資は他にどのような時に行うと効果的なのでしょうか。実は、PBR投資に有効なのは、先ほど書いた年末時だけでなく、景気後退時や景気回復時にも有効です。

というのも、景気後退時はどの会社も業績予想を下方修正するなど、会社が発表する予想の数字の信頼性が薄まります。会社が業績予想を変更することにより、例えばPERなど会社予想の数字を使った指標の信頼度が下がってしまうのと、下方修正をした場合、PERは軒並み高くなってしまうため、あまり当てにならなくなってしまうのです。このような時は、実際の数字を使うPBRの有用性が高まります。ただ、気を付けたいのは、景気後退時の終盤になると、PBRもあまり当てにならない投資指標になってしまうということです。経済危機など深刻な景気後退時には、会社の持つ土地や建物といった資産の価値も下がる可能性が高く、これら資産から借り入れ等の負債を引いた純資産が正確な数字なのか疑問が残るからです。そのため、PBR投資は景気後退の初期段階で行うと良いでしょう。

一方、景気回復時はこれから株価が大きく上昇する可能性が高く、景気後退時に株価が解散価値未満まで下がった銘柄の回復が見込めるので、PBRを重視した投資法が有効です。

まとめ

今回はPBRについてと、PBRを利用した投資法について解説しました。PBRは株式投資の基本となる指標ですが、どのような時に使えば良いのかよく分からない人も多いのではないでしょうか。PBRそのものははすぐにでも計算できますが、使うと有効なタイミングというのが存在します。PBR投資が有効となるタイミングに効果的に使い、株式投資のパフォーマンスを上げましょう。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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