株式投資とテクニカル

株式投資の基本

株式投資とテクニカル指標

これまで、株式投資をするうえで何を見るべきなのかということをファンダメンタルズの観点から解説してきました。しかし、株式投資をするうえで見る指標には、テクニカルもあります。

テクニカル指標は、主に個人投資家が多く利用する傾向にあります。プロのいわゆる機関投資家たちは、ファンダメンタルズの観点から株式投資をします。その理由の一つが、彼らの情報力です。機関投資家たちは、個人投資家よりもはるかに多くの情報に接することができます。個別に投資先企業に赴き、現在の業績や今後の見通しなどをインタビューし、詳しい資料を入手したり、アナリストが開催する企業の説明会などに参加したりして、投資先あるいは今後投資先候補となる企業が現在どのような状況にあるのか、頻繁に情報を手に入れています。

また、機関投資家は、大手証券会社が発信する、アナリストによる各企業の業績見通しを日々目にし、それを元に売買しています。一部の証券会社では、自社のアナリストのレポートを個人投資家にも発信しているケースもあります。ただ、機関投資家の場合は、複数の証券会社のアナリストレポートを毎日入手しています。このような豊富な情報は機関投資家といったプロの投資家でないと手に入れられない情報であるため、個人投資家は機関投資家に比べて情報面で圧倒的に不利な状況にあるのは確かです。

このように、個人投資家は機関投資家に比べ手に入れられる情報が少なく、個人投資家まで情報が伝わる時には、すでに機関投資家はその情報を元に株式投資を終えているケースも珍しくありません。だから、「新聞や雑誌にその銘柄に関する情報が出た時には、機関投資家は取引を終えている」という話が出てくるのです。

このように情報面で圧倒的に不利な状況に置かれている個人投資家が機関投資家と戦うために使用するのが、テクニカル指標です。

テクニカル指標は株のみならず、FXや商品投資でもよく使用されていますが、テクニカル指標による分析が効く投資商品とそうでない投資商品があるのも事実です。例えば、FXは比較的テクニカル指標による分析が効きやすい投資商品の一つであると言えます。一方、株はテクニカル指標が効く銘柄とそうでない銘柄があります。もしも株式投資でテクニカル指標を使った分析を行いたいのであれば、機関投資家が多く取引する大型株は避けた方が良いでしょう。個人投資家の多い中小型株や、業績が国策に左右されたり商品相場に左右されたりするような銘柄…例えば、銀行や鉱山会社などの銘柄については、テクニカル分析が効くケースもあります。

テクニカル指標はメジャーなものを使う

さて、テクニカル指標に着目した株式投資ですが、数あるテクニカル指標のうち何を使用するのが良いでしょうか。テクニカル指標にはMACDやRSIなどメジャーなものから、あまり知られていないマイナーなものまで、様々な種類があります。そのため、特に投資初心者はどの指標を使うべきか迷うケースも多いのではないでしょうか。また、複数のテクニカル指標を利用している投資家の様子を見て、色々な指標を使いたくなってしまう人もいるでしょう。

しかし、テクニカル指標はたくさん使えば使うほど精度が上がるわけではなく、精度を上げようと複数使った結果、使いこなせず混乱してしまう投資家が多いのも事実です。複数のテクニカル指標を使うこと自体は問題ないのですが、3種類程度にとどめておく方が、混乱が少なく使いやすいと言えます。

また、先ほど書いたとおり、「どのテクニカル指標を使えば良いか」という問題については、「自分が使いやすいと思った指標を使うと良い」ということが書かれているのを目にします。確かに間違いではないのですが、あまりにマイナーなテクニカル指標を使っても、その指標を見ている人が少なく、例えばそのテクニカル指標が「買い」を示したポイントで買いのポジションを取っても、他の大部分の人が使っているテクニカル指標が買いを示していなければ、相場は上がっていきません。他の取引参加者が見ているテクニカル指標も「買い」を示していなければ、買い注文は集まらず株価は上がらないのです。そのため、テクニカル指標に関しては、メジャーで多くの人が使っている指標の中から自分に合ったものを選ぶのが良いでしょう。

テクニカル指標の基本「移動平均線」について

メジャーなテクニカル指標といっても、どんなものが該当するのかわからない、という人もいるのではないでしょうか。
そこで、ここではメジャーなテクニカル指標のうち、基本中の基本となる移動平均線について解説します。

移動平均線は、株式投資のみならず、FXや商品先物などでも利用されている非常にメジャーなテクニカル指標です。非常にメジャーであるがゆえに、どの証券会社のチャートにも必ず搭載されています。つまり、投資をするうえで絶対に欠かせない投資指標であるということが言えます。

移動平均線には実は色々な種類があります。必ずと言ってよいほど目にするのが単純移動平均線で、「SMA」と呼ぶこともあります。SMAとは、Simple Moving Averageの略です。通常、移動平均線と言えば単純移動平均線のことを指します。

単純移動平均線は、一定期間の終値の平均価格を線でつないだもののことです。期間は自分で指定することができます。

例えば終値が、1日目は100円、2日目は95円、3日目は100円、4日目は110円、5日目は125円、6日目は130円、7日目は120円…というように値動きした銘柄があるとします。

この場合、1日目から5日目までの平均価格は(100+95+100+110+125)÷5=106となり、106円であることが分かります。

また、2日目から6日までの5日間の平均価格は(95+100+110+125+130)÷5=112、3日目から7日目までの5日間の平均価格は(100+110+125+130+120)÷5=117となります。このようにして算出した5日間の平均値を出して線で結んだものが単純移動平均線です。

このように、単純移動平均線は指定した期間の平均値を算出して線グラフにしています。上の例では5日間にしていますが、これを3日間や7日間、30日間…というように、任意で変更することが可能です。

株式投資では、短期トレードの場合は5日、25日、75日移動平均線を使うことが多く、証券会社で用意している株価チャートのデフォルトの数値もこの数字が入っていることが多いようです。また、中期トレードの場合、13週、26週、52週、長期トレードの場合は12か月、24か月、60か月を使うことが多いようです。

移動平均線には他に、加重移動平均線や(平滑)移動平均線やといったものもあります。このうち、加重移動平均線は、WMA(Weighted Moving Average)とも呼ばれています。

加重移動平均線の特徴として挙げられるのが、直近の価格であればあるほど、比重を重くしているということです。つまり、過去になるほど比重は小さくなります。そのため、5日加重移動平均線であれば、今日の終値を5倍、1日前の終値を4倍、2日前の終値を3倍…というように加算します。そうして算出した値を倍数の合計で割るのです。従って先ほど挙げた例でいえば、5+4+3+2+1=15となり、15で割ることが分かります。こうすることで、トレンドの転換を早く予測できるのが、加重移動平均線の特徴です。

また、(平滑)移動平均線は、「単純移動平均線ではなく、こちらを使っている」というトレーダーもいるようです。海外でメジャーな指標で、EMAとも呼ばれています。なお、EMAはExpornential Moving Averageの略です。EMAは直近の終値を2倍にし、指定した期間+1で割るのが特徴です。なぜ1を加えるのかというと、本日の価格を2倍にしているため、データが1つ増えたと見なすからです。SMAではなくEMAを使う理由としては、SMAよりも実際の値動きに合った動きになりやすいことが挙げられます。

まとめ

今回はテクニカル指標の基本と、移動平均線について解説しました。テクニカル指標は多くの投資家に利用されていますが、その中でもメジャーな指標を利用するのがおすすめです。今回は、その中の基本中の基本となる移動平均線を解説しました。どんなものなのかをしっかり理解し、利用しましょう。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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