利益を出せる株を買うにはどうすれば良いか?~その②~

株式投資の基本

増収増益率を確認し、今後の成長が期待できる銘柄を探す

株価は、簡単に言えば、買いたい人がたくさん集まった時や売りたい人がたくさん集まった時に動きます。つまり、それだけその株を買いたい人や売りたい人が多い時に、株価が大きく動くということになります。例えば、株を買いたい人が多く集まる時というのは、何か良い材料が出た時…例えば、その会社が画期的な新製品の発売を発表したり、会社の業績を上方修正した時が該当します。また、アナリストがこれまでのレーティングを引き上げた時も、買いたい人が多く集まる時となります。

とはいえ、このような発表があった時には、その銘柄にはすでに買いが集まっていて、買おうにも株価がずいぶんと上がってしまっているケースもよくあります。ですので、トレーダーとしては、「今はあまり注目されていないけど、これから上がりそうな銘柄を安いうちに先回りして買っておきたい」というのが本音ではないでしょうか。

このような銘柄を探すのは簡単です。シンプルに言えば、「業績が良く、今後の成長が期待できる割安な銘柄」に注目すれば良いのです。

業績が良いかどうかは直近の業績を確認すれば分かります。問題は、今後の成長が期待できそうかどうか、ということになります。

今後の成長が期待できるかどうかという点については、これまで増収増益を続けてきているかどうかがポイントになります。なお、増益については営業利益と経常利益のどちらを見るべきか、正直悩ましいところではあります。本業で得た利益である営業利益に注目すべきだという意見もあれば、営業外損益を入れた経常利益で判断しても問題ない、という意見もあります。

本業の勢いの強さを見る意味で営業利益は非常に重要ですが、最終的に株主にとって重要となる純利益を算出するには、営業外損益も含まれた経常利益をその前に算出する必要がありますので、その流れを考慮すれば、経常利益を見れば良いということも言えます。

どちらが良いかは意見が分かれるところですが、損益の実態評価を考える上では経常利益が妥当なのかもしれません。とはいえ、コアとなる利益は営業利益ですので、この点については、各トレーダーの判断にゆだねる部分であると言えるでしょう。

増収増益を長年にわたり続けている会社であれば問題ないのですが、より大きな株価上昇を期待したいのであれば、増収率や増益率の推移にも注目したいところです。増収率や増益率を見て、これまで前年の増収率・増益率を上回るペースで成長を続けてきているのであれば、文句なしに買いの候補に入る銘柄ということになります。さらには、よく上方修正をしているのであれば、その会社の業績には勢いがある、ということになります。この「勢い」のことをモメンタムと言い、業績の上方修正や下方修正から判断することができます。上方修正をすればモメンタムが良好、下方修正をすればモメンタムが悪化したと見なすのです。

怖いのが、これまで上方修正が続くなど順調に成長してきた会社が業績を下方修正した時です。この場合モメンタムが悪化したと考えられ、その銘柄は売られて株価が下落します。

ただ、下方修正を発表してもそれほど株価が反応しないこともあります。それは、もともとの会社予想が強気すぎた時です。

例えば、これまで前年同期比で5%~15%の増収増益を続け、毎回前期を上回る増収増益率を達成してきた会社があるとします。そんな会社が、来期に関しては前年同期比80%の増収と60%の営業増益を予想したとします。仮にこれまでにないくらいの大口の発注があり、その期中に売上に計上されるのであれば、この数字にはある程度根拠がある、と言えます。

しかし、実際にはそれほどの売上が見込めるものではないとすれば、増収増益予想を発表しても、株価にはそれほど大きな反応はみられない可能性があります。そして、当初の予想を下回ることが途中で分かり、例えば、会社が前年同期比35%の増収、18%の営業増益に下方修正した場合も、すでに想定済みとみなされ株価は大幅な下落はしないと考えられます。なぜなら、会社が当初出していた予想があまりにも強気すぎるために実現に疑問があったのと、下方修正した場合でも、これまでの増収増益率を上回っているからです。

このようにモメンタムの良化・悪化については、それまでの増収率や増益率を追うだけである程度判断できますが、会社の立てる予想値にも注意が必要です。あまりにも実体から乖離していそうな数字を発表しているようであれば、おそらく未達になるだろうと従前から予想でき、会社が下方修正したとしても、株価にはある程度織り込まれてしまっているからです。

なお、これまで順調に増収増益を続けてきた会社が下方修正した際に大幅下落しやすいのは、すでにその銘柄の人気が出てPERが高くなっている場合です。この場合は、下方修正をきっかけに株価が下落する可能性が高くなります。

妥当な水準となるPERがどれくらいかを確認する

これまで順調に業績が上がっている会社の銘柄の株価が割安かどうかは、すでに書いたとおりPERを見て判断します。通常、PERは15倍程度を平均として考えますが、順調に増収増益を続けた結果3年後の利益はどうなるかということを考え、PERを算出しなおします。

例えば、毎年10%の利益成長(営業利益または経常利益を見ます)を続ける会社の場合、3年間で1.1×1.1×1.1=1.331倍の利益成長をすることが判ります。つまり、平均PER15倍とした場合、1.331倍まで買われる可能性がある、ということが考えられますので、15×1.331=19.965≒20となり、約20倍までPERが上がり、株価もそれに伴い上がるだろうということが予想できます。この場合は、PER20倍が妥当である、と考えられます。

毎年20%の利益成長を続けている場合も同様です。3年間で1.2×1.2×1.2=1.728倍の利益成長をすることが判り、その場合のPERは15×1.728=25.92≒26となり、約26倍までPERが上がり、株価も上昇するだろうと考えられるのです。

このようにして出すPERは、その銘柄の妥当なPERであると言えます。しかし、銘柄によっては、「これまで高成長を続けてきたけれど、事業環境の変化などから今後はこれまでのような事業成長は難しいかもしれない」といったケースや、「これまで毎年7~8%の利益成長を続けているけれど、会社の財務状況が非常によく、これからもっと利益成長が見込める」などといったケースは、算出したPERをディスカウントしたり、少し引き上げたりしても問題ありません。どの程度ディスカウントしたり引き上げたりすればよいかということに対し機関投資家はさらに細かい計算を重ねますが、専門的な知識が必要になりますので、とりあえずはざっくりとしたものでも問題ありません。先ほど挙げた後者のケースで言えば、1.08×1.08×1.08≒1.26、15×1.26=18.9≒19となり、計算上はPER19倍まで買われることになりますが、例えば25倍までプレミアをつける、というのも問題ありません。

このように、割安かどうかを確認するには、これまでの利益成長を鑑みて妥当なPERを算出すると良いでしょう。さらに個々の会社の状況に応じ、ディスカウントしたり、プレミアをつけたりしてPERを調整しましょう。そのうえで、現在のPERがどの程度か確認します。もしも計算上妥当とみなされるPERが現在のPERよりも高いようであれば、現在その銘柄は割安な水準にあると判断します。

まとめ

今回は株式投資で利益を出すためのシンプルな方法となる「業績が良く、今後の成長が期待できる割安な銘柄」を探すために何をすべきか、ということを具体的に解説しました。見るべきポイントは、その会社が増収増益を続け、上方修正をするなど業績のモメンタムが良好かどうか、ということと、妥当PERがどの程度なのか算出し、現在のPERが割安かどうかという2点になります。

実は、この他にもチェックしたい項目がありますが、それに関しては次回解説します。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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