IPOのセカンダリー投資の基本について

IPO投資

IPOのセカンダリー投資とは?

IPOは株式投資の基本となる「安く買って、高く売る」を通常の取引よりも高い確率で実現できる可能性があることから、投資家に大人気です。しかし、一番の何点は抽選に当選しなければならないということ。どんなにその銘柄を分析し万全の状態にしたところで、そもそも当選しなければ何の意味もないのです。そのため、IPOについてはセカンダリー投資を好んで行う投資家も多くいます。

IPOのセカンダリー投資とは、上場直後の株価の上昇に乗って利益を得ようとする方法です。いわゆるIPO投資といえば、上場前にその銘柄を購入し、上場時に初値が公募価格を上回ることを狙う方法ですが、これはIPOのプライマリー投資になります。セカンダリー投資は、「初値で買って、その後の株価上昇に乗ってその銘柄を売却する」というのが一般的に言われている方法となります。上場直後は株価が大きく動きやすく、その値動きの荒さを利用するのです。買いたい人が多い銘柄であれば、大きな値上がりが期待できますし、通常の株の売買よりも値動きの動向が読みやすいと言えます。また、取引規模の小さい銘柄の場合、通常は商いが薄く、「売却したいタイミングでできない」などということもよくあるのですが、上場時は活発に取引されますので、売買しやすくなります。そのため、IPOのセカンダリー投資に関して言えば、デイトレで行おうとする人が多いのも特徴の一つであると言えます。

また、新規上場直後には、空売りができない銘柄がほとんどであることも、IPOのセカンダリー投資をしたい投資家が多い理由の一つです。空売りができないため、買いポジションの解消のための売り注文が出ることになります。従って、上場直後の売り注文は、IPOで当選した人たちの利益確定売り(もちろん、公募割れとなった場合は損切りということになりますが)が多いということになります。空売りができない、ということも、セカンダリー投資のメリットです。というのも、空売りができないために投機的な売りがなく、値下がりしにくくなるからです。

さて、そんなIPOのセカンダリー投資を行うには、どのような銘柄を狙えば良いのでしょうか。実は、IPO投資の場合と同じです。つまり、

〇公募株が売出株より多いか、公募株のみの銘柄を選ぶ。
〇吸収金額が上場市場の目安となる吸収金額の範囲に収まっている。
〇再上場した銘柄ではない。
〇人気の業種。
〇増収増益が続いていて、財務状況や資金繰りも安心できる内容となっている。
〇公募価格が仮条件の上限を下回らない。
〇大株主にベンチャーキャピタルがいない。

ということになります。

IPOのセカンダリー投資で気を付けたい事

ここまで、IPOのセカンダリー投資の基本を解説しました。すでに書いたとおり、セカンダリー投資は、基本的には初値で買って、その後の株価の上昇を狙う短期売買ということになります。しかし、実際にはそううまくいかないケースも多々あるのです。

例えば、以前解説したLink-Uに関しては、初値が5,760円と公募価格の2,820円を大幅に上回る結果となりました。いったん6,000円まで値上がりしたものの、その後は利益確定売りが集中し、5,180円まで値を下げ、最終的に初値と同じ5,760円で取引を終えています。この日の出来高は111万2,700株。オーバーアロットメントを含む公募株数と売出株数の合計が58万9,900株だったことを考慮すると、倍近い出来高となっています。おそらくセカンダリー投資で同社株を購入する人も多かったのでしょうが、6,000円となったところで利益確定売りが集中してしまったのだろうと予想されます。公募価格の2倍以上の高値を付けて始まっていることもあり、株価6,000円となるとPERは約99倍とずいぶん割高な水準となってしまい、同業他社と比べてもだいぶ割高です。そう考えると、売ろうと考える人が増えても仕方がないと考えられます。また、6,000円というキリの良い数字がこの日の高値となったことを考えると、「このあたりでいったん売ろう」と考え、指値を入れていた人が多かったのではないかということも予想されます。さらには、同社の大株主であるメディアシークが保有する40万株のロックアップが4,220円だったことを考慮すると、初値は4,220円を上回っており、もしかしたら、メディアシークが保有していた株の一部または全部を売却したのかもしれません。確かにLink-Uは増収増益が予想されており、財務や資金繰りも安定していて今後の成長が期待できる会社ですが、6,000円はずいぶん割高な水準ですし、いったん売ろうと考える人が増えたのも仕方のない結果なのではないかと考えられます。

Link-Uの事例から分かるように、どんなに期待の大きい会社であっても、初値が公募価格を大幅に上回ってしまうと、そこから思ったほど上がらずに売りに押されてしまうケースがあります。そのため、セカンダリー投資は、初値で買って値上がりを狙おうと思っても、思うほど良いパフォーマンスを上げられない可能性もある、ということに注意が必要です。また、値下がりのリスクを負いたくないために、その日のうちに手放そうと考える人が多いのですが(実際、セカンダリー投資については、デイトレを勧めているサイトも多くあります)、実際には、もう少し長い期間保有した方がパフォーマンスを上げられるケースもあります。そのため、初値で買った後もその日のうちに売らず、1週間から10日ほどの期間の値上がりを狙った方が良いかもしれません。Link-Uのケースもそうですが、初値が公募価格の2倍、3倍といった大幅な上振れをした場合は、どうしてもPERが割高になります。割高なPERをもってしても、「この銘柄の今後の成長を考えると、このPERでもまだまだ低い」と考えられる場合は別ですが、そのような銘柄は決して多くありません。そう考えると、PERが同業他社と比べて極端に高い状態になるのは、セカンダリー投資向きではないと考えられます。

「そんなことを言ったって、初値がどれくらい上振れるかなんて分かるわけない」という人もいるでしょう。確かにその通りです。ですが、初値が極端に値上がった銘柄を高値掴みした結果マイナスになってしまう、という事態を避けることはできます。では、何に注目すれば良いのでしょうか。

その場合、一つの方法として、敢えて初値で買わない、ということが挙げられます。初値がどれくらいになったのかを確認してから買い注文を入れた方が良いでしょう。上場直後の銘柄は値動きが荒くなりがちなので、最初はどんどん上がっていくかもしれませんが、そこで手を出さず、利益確定売りにより徐々に下がってきたところで買い注文を入れるのです。終値あたりで買えると良いのですが、売り板と買い板の価格にあまりにギャップがある場合はやめた方が賢明です。その場合は2日目以降に買い注文を入れた方が良いと考えられます。2日目以降、損切や利益確定売りで値下がりするようなら、その時に買った方が良いのです。

また、この時に注目したいのが、公募価格がどれくらいだったのか、ということと何単元から取引できるのか、ということです。公募価格が1,000円未満の銘柄は、上場から1週間から10日間の間に大幅に値下がりすることが少ないようです(もちろん、IPO銘柄としての諸条件が良く、かつ、初値が公募価格を上回った場合。ただし、初値が公募価格を上回ったものの、それほど変わらない場合はこの条件に当てはまらない)。また、公募価格に加えて単元数が小さければ、仮に損失が出ても心理的な負担が小さくなるため、個人投資家はすぐに売りに走ることはないようです。

まとめ

今回はIPOのセカンダリー投資について解説しました。IPOのセカンダリー投資といえば、「初値で買って、値上がったところで売り抜けるデイトレード」のようなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、初値が公募価格を上回っても、そこから思うように上がらないケースもよくあります。そのため、初値で買うことやデイトレードに固執しない方が良いかもしれません。IPOのセカンダリー投資をする場合は、今回紹介したポイントを確認した上でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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