CFD取引といえば、レバレッジを効かせた取引が可能ということで人気があるのですが、具体的にはどのくらいのレバレッジをかけて取引することができるのでしょうか?CFD取引がなぜレバレッジをかけることができるのかということと、そのレバレッジの倍率について解説します。
CFD取引はなぜレバレッジをかけることができるのか?
まず、CFD取引はなぜレバレッジをかけて取引することができるのか、という点を解説します。レバレッジといえば、まず思い浮かぶのがFXで、次いで株式の信用取引がありますが、FXの場合は売買する為替レートの差額だけを決済するもので、信用取引の場合は証拠金を担保としてお金、もしくは株券を借りて売買するという仕組みになっています。
CFDというのはContract For Differenceの略であり、差金決済取引という意味なので、CFD取引でレバレッジをかけることができるのはFXと同じ仕組みによるものです。CFD取引では信用取引と違って、現物の株や商品、債券などを受け渡すのではなく、売買した際の価格差によって生じた差額だけを決済するのです。
ちなみに、本来であれば株式売買では差金決済取引が禁止されているので、信用取引では実際に株や現金を借りる形で売買するのですが、CFD取引の場合は証券会社が仲立ちとなっていることで、差金決済取引を可能としています。ただし、2013年以降は現物株式の差金決済取引は禁止されたままとなっているものの、国内株式の信用取引における差金決済取引は事実上解禁されています。
CFD取引のレバレッジは?
信用取引ではレバレッジが最大で3.3倍、FXではレバレッジが最大25倍と決まっているのですが、CFD取引の場合はまたレバレッジが異なります。
CFDのレバレッジは、取引する原資産によってかけられるレバレッジの倍率が異なります。この倍率は2009年12月28日に公布された、「金融商品取引法改正等に係る政令・内閣府令」によるもので、2011年から最大レバレッジが制限されています。
その規制によって、個別株を対象としたCFDの場合はレバレッジ5倍以下、株価指数を対象としたCFDの場合はレバレッジ10倍以下、商品を対象としたCFDの場合はレバレッジ20倍以下、債券を対象としたCFDの場合はレバレッジ50倍以下となっています。このレバレッジ規制は顧客保護を名目としたものですが、取引所CFDであるくりっく株365の場合はこの規制の対象とはなっておらず、取り扱っているのが株価指数であるにもかかわらず最大レバレッジはおよそ30倍となっています。
代表的な個別株CFD取引
個別株を対象としたCFD取引には、国内株式を対象としたもののほかに米国株式や中国株式など、外国株式もあります。特に、外国株式は基本的に信用取引ができないので、相場が下落している時に売りポジションから取引を開始するということができないのですが、CFDであれば売りポジションからも取引を開始することができ、レバレッジもきかせることができるため外国株式の投資には人気があります。
人気がある外国株式として、米国株式ではAmazon、Apple、IBM、アフラック、スターバックス、マイクロソフト、Facebook、Twitterなどがあります。これらの銘柄は、GMOクリック証券やサクソバンク証券、IG証券などで取引できます。
代表的な株価指数CFD取引
株価指数を対象としたCFD取引の中でも代表的なものとしては、日本の日経平均株価指数、アメリカのNYダウ、ドイツのDEX🄬、イギリスのFTSE100などがあります。これらの株価指数は取引所CFDのくりっく株365で取り扱っているので、SBI証券や岡三オンライン証券、カブドットコム証券、マネックス証券など、多くの証券会社で取引ができます。くりっく株365であれば、必要な証拠金は取引金額の20分の1から30分の1程度なので、20倍から30倍のレバレッジで取引ができます。
GMOクリック証券など、くりっく株365以外のCFD取引を扱っている証券会社では、これ以外にも米国NQ100やユーロ50、インドNIFなどを対象としたCFD取引ができます。証券会社の店頭CFDであれば10倍が最大レバレッジとなりますが、その代わりに数多くの株価指数を対象銘柄として取引できます。
GMOクリック証券では、合計10種類の株価指数銘柄を取引できますが、さらに株価指数連動型のEFTも21銘柄取引できます。
代表的な商品CFD取引
商品CFDは、商品先物取引と混同されることも多く、その対象となる銘柄も多くが先物取引と共通しています。代表的なものとしては、貴金属の金や銀、エネルギーの原油や天然ガス、農作物のコーンや大豆があり、いずれも最大レバレッジは20倍となっています。
GMOクリック証券では上記の6銘柄を取り扱っていますが、スターリング証券では銅や小麦も取り扱っています。また、サクソバンク証券は取り扱い銘柄が多く、貴金属ではプラチナやパラジウムも取り扱っていて、さらにペアとなる通貨も米ドル以外に日本円やユーロ、豪ドルなどがあります。エネルギーでは、ガソリンやヒーティングオイル、CO2排出権などを取り扱っていて、農作物ではコーヒーやココア、生牛も取引銘柄となっています。
商品CFDの中には、期限がある先物も含まれているので、先物の場合は期限に気を付けなくてはいけません。
代表的な債券CFD取引
債券CFDは最大で50倍のレバレッジで取引できるものの、取り扱っている証券会社が少ないのがネックですが、IG証券では多くの債券CFD銘柄を取り扱っています。その銘柄としては、日本国債、米国2年国債、米国5年国債、米国10年国債、米国30年国債、ウルトラ米国長期国債、ドイツ10年国債、英国10年国債、イタリア長期国債、OAT-フランス国債と合計10銘柄があります。また、サクソバンク証券では直接債権をCFD取引では取り扱っていませんが、各国の債券を対象としたETFであればアドバンスコースのCFD銘柄として数多く扱っています。
金利調整額や配当調整額に注意
CFDでは、権利月最終日に個別株CFD銘柄や株価指数CFD銘柄のポジションを保有していると、配当調整額というものが発生します。また、日をまたいでポジションを保有していると金利調整額が発生するのですが、FXのスワップポイントとは違って、買いポジションで保有していると金利を支払うことになり、売りポジションで保有していると金利を受け取ることになります。
この金利や配当に関しては、レバレッジを効かせて保有しているとその分大きな金額となってしまうので、受け取る状態で保有しているのであればともかく、支払うことになるポジションで保有している場合はその額が大きくなりやすいため、注意しましょう。
まとめ
高いレバレッジでの取引が可能で、通常であればレバレッジをかけて取引することができない外国株投資なども5倍のレバレッジをかけて取引ができ、売りポジションから取引を始めることもできるCFDは、最近特に人気が高くなっています。
そのレバレッジは取引の対象となる原資産によって異なり、また証券会社によって取り扱っている原資産も異なるため、投資を始める際はよく吟味したうえで投資対象を決定しましょう。
ただし、なるべく高いレバレッジで株価指数を取引したい場合に限っては、証券会社の店頭CFDではなく取引所CFDであるくりっく株365で投資することをおすすめします。