配当の基本と配当狙いの投資法

株式投資の基本

株式投資には、売買益を目的とした投資と配当を目的とした投資があります。しかし、売買益を目的とした投資については知っていても、配当については漠然としか知らない、という投資家もいるでしょう。今回は、配当の基本的な知識や、配当狙いの投資について解説します。

配当はどのようなものなのか?

まず、配当というのがどのようなものなのか、基本的な所から解説していきます。
そもそも配当というのは、企業が自社の株を保有している投資家に対して、業務で得た利益の一部を分配するものです。しかし株式の中には、配当が分配される銘柄とされない銘柄があるのですが、その違いについて気になる、という人もいるでしょう。

配当というのは、株主が企業に対して有している権利の一つであり、会社法第105条にも「剰余金の配当を受ける権利」として、そのことが記載されています。要するに、企業が得た利益の一部を、投資家が保有株数に応じて受け取ることができる権利、ということになります。

ただし、配当が行えるのは企業の純資産額が300万円以上あることが条件となっています。また、交付する金銭などの帳簿価額の総額は、効力発生日における分配可能額を超えてはならない、という決まりもあるので、どんな企業でも配当を分配できるという訳ではありません。単に利益があれば企業は配当を出せるというわけではなく、配当を出した後も安定して企業として経営していけるだけの資金が必要、ということです。そのことを守らない過剰な配当については「タコ足配当」と呼ばれ、違法配当として扱われます。これは、蛸が空腹時に自分の足を食べるという俗説から来ている呼び方です。

配当金生活は可能か?

株を保有していると配当金がもらえるとはいえ、それだけで生活するということは可能なのでしょうか?実際のところ、それだけで生活するにはたとえ高配当株であってもかなり株数を多く保有していなくてはならず、そのためには根本的に資産を増やす必要があります。つまり、なるべく多くの元手がなければそれは難しいのです。

元手を用意するために、可処分所得をほとんど全て株式投資の資金に回す人もいますが、そうなると当然、リスクも大きくなってしまうためあまりお勧めはできません。なぜなら、株は価格変動リスクがある投資商品であり、定期預金や個人向け国債のような元本割れしないものとは異なるからです。もし、配当金だけで生活できるほどの収入を得たいと思っているのなら、資産の約半分ほどは投資に回していかなくては難しいでしょう。そのため、莫大な資産のある人は別ですが、そうでない場合は、最初から配当目的の投資に全てをつぎ込むのはやめた方が賢明です。配当目的の投資を行いたいのであれば、段階を踏みましょう。

夢の配当生活を実現するには、まずは元手を増やす必要があります。まずは元手となる資金を用意し、それをどのような株に投資していけばいいのかというと、PERやPBRが低く業績が好調な、いわゆる割安株を探して投資していくのがおすすめです。そういった銘柄に投資して、ある程度資産を増やすことができたら、今度は高配当株へと投資していく事を考えていきましょう。

高配当株はどうやって選べばいい?

資産を増やすことに成功したら、いよいよ高配当株を探すことになります。その際には、好利回りランキングなどを参照するといいいでしょう。これは投資関連の情報誌や、同じく投資関連のネット記事などに掲載されています。そのランキングを参考にして、投資対象となる銘柄を絞り込んでいきましょう。ただし、いくらランキングに掲載されていたとしても、景気の動向に株価が左右されやすい商社や証券会社、金融会社等は候補から外しておいた方が良いでしょう。

ランキングを見る際に気を付けたいのは、単にランキングの上位となっている企業の銘柄を探すことはしない、ということです。ランキング下位であっても、配当利回りが高い銘柄が見つかることがあります。業績をチェックして、売上高や営業利益などとともに配当金が増えている企業は要チェックです。その中でも、サービス業や小売業の株をチェックすると良いでしょう。反対に財閥系の企業などは将来の見通しが不透明となるのでお勧めはできません。なぜなら、手広く事業を展開しているため、「あちらが立てばこちらが立たず」という状態になりやすく、先を見通すことが難しいからです。

保険な意味合いとしては、高配当株で業績が上り調子なのであれば、仮にその後で株価が下落したとしても、利回りを見て買う人が多いので下値リスクはあまり考えずに済みます。そして、高配当ということに期待すれば急いで売る必要もないので、ゆっくりとタイミングを計ることができるでしょう。

増配している銘柄を狙う

株式の配当に関連して、増配というものがあります。これは、企業が株主に分配する配当が、前期よりも増えることをいいます。反対に、減った場合は減配となります。

増配というのは、経営が安定している上に、収益が増えている企業にしかできないことなので、増配をしている企業は必然的に増益している企業ということを示していて、優秀な企業という証明にもなります。

投資する企業を選ぶ際に、増配している企業を条件として絞りこむことで、優れたビジネスを展開している優秀な企業を見つけることができます。配当金を目的として投資する場合だけではなく、株価の値上がりにも期待できる銘柄を見つけることができるという点もメリットです。たとえ情報に精通していない分野の銘柄であっても、この方法なら優良な投資対象を見つけやすくなるでしょう。

業務連動型配当や連続増配の企業を狙おう
企業は、利益が増えたとしても必ず配当金を増やすとは限りません。なぜなら、今後の業績拡大のために設備投資に力を入れたり、人員補強を行ったりするからです。そのため、増収増益であっても減配することや、配当をなくする無配となることもあり得ます。

かつては、利益の大小に関係なく一定の配当を出し続ける、安定配当を行う企業が多かったのですが、最近では株主還元を手厚くしようという企業が増えていて、利益が増えればそれだけ配当も多くなるような企業も増えつつあります。こうした配当のことを、業務連動型配当といいます。このような企業が増えたことで、、配当金を目的とした投資は成功率が高くなっています。実際に、安定配当を長年にわたって続けていた大手企業が、業務連動型配当に移行したところ株価が上昇した、というケースもあります。

また、増配についての実績がある企業も狙い目です。これまで、連続増配をしたことがある企業は、基本的には株主還元に力を入れていると考えられます。そのため、今後も増益のタイミングで増配する可能性が考えられるのです。とはいえ、あくまでも「可能性が高い」という話で、株主還元に力を入れている企業であっても、状況次第では、利益が増えても必ず増配するということにはなりません。会社のこれまでの実績を会社四季報などでチェックすると、増配株への投資がしやすくなります。

配当利回りや、配当性向だけに目を向けない

配当金を目的として投資する場合、必須ともいえるのが配当利回りと配当性向のチェックです。配当利回りは、その銘柄に投資した場合、投資に必要な金額に対して年間どれだけの配当を受けることができるかという目安であり、配当性向は企業の利益のうち何%が配当に回されているかということを示しています。

一見すると、どちらも高いほうがいいように思えるかもしれませんが、配当利回りが高い企業は配当に対する株価がそれだけ低いということになるので、中には割安なのではなく、配当金は出ているものの企業としては期待されていない、という銘柄である可能性もあることになります。また、配当性向についても、成長の見込みが薄い企業がとりあえず利益を配当に回している場合もあり、配当性向があまり高いと減益の際にすぐ減配や無配になってしまう可能性が高いのです。配当目的で投資する際は、こういう点にも注意して銘柄を選ぶようにしましょう。

まとめ

配当金は、投資金額に応じてその額が増えていくことになるのですが、それほど高い割合ではないため、配当金だけで生活するにはかなりの元手が必要となります。配当金だけで生活することを目指すのであれば、まずはなるべく多くの元手を用意して、資産を増やすことから始めていかなくてはいけないでしょう。

また、配当金狙いであっても単に高配当株へと投資するのではなく、配当以外の様々な要素を加味したうえで投資する企業を選ぶようにしましょう。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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