配当狙いでの企業の選び方と投資法

株式投資の基本

株式投資の利益には、インカムゲインとキャピタルゲインの2つがあります。主に注目されるのは、株式を売買することでその差額による利益を狙うキャピタルゲインですが、最近では安定した利益を狙えるインカムゲインにも注目が集まっています。
そのインカムゲインの一つである配当を狙うためには、企業選びが重要です。また、なるべく大きな利益を狙うには高配当株を選ぶ必要があるでしょう。
その企業の選び方と、高配当株への投資法について解説します。

配当に期待できる企業は?

配当というのは、全ての企業で分配しているわけではありません。また、今までは配当が分配されていた企業でも、業績の悪化や経営方針の変更によって配当がなくなることもあります。そこで、まずは配当に期待できる企業の選び方から解説していきます。

配当に期待できる企業はどんな企業でしょうか?実は、キャッシュリッチ企業と呼ばれている、無借金での経営を続けている企業、または有利子負債よりも保有している現金の方が多い企業などは、自社株買いや増配を行うことが多くなります。また、株式や企業で所有している不動産の時価が大きい企業であれば、潤沢な資金を得やすくなるでしょう。

つまり、企業として保有する現金が多ければ、それだけ投資家に利益を還元しやすくなるため、自社株買いや増配につながりやすい、ということになるのです。自社株買いや配当の面から企業をチェックする方法としては、これがもっとも簡単な方法と言えるでしょう。ですので、まずはこの点から企業を見てみるのがおすすめです。

また、成長性が見込める企業も、今後自社株買いや増配が行われる期待を持つことができます。特に注目するべきなのが、成長期に入った企業のうち、株価が一時的に下落しているところです。このような判断ができるタイミングで投資を行うのが効果的です。成長性が期待できる企業にこのようなタイミングで投資をすると、その後は期待していたような成長を遂げ、株価も一気に回復したりする可能性が高いのです。

見込みどおり会社の業績が大きく成長したり、株価が回復したりした場合、企業側も資金に余裕が生まれることになります。資金的な余裕ができた分、投資家に還元しようと自社株買いや増配に動くことがよくあります。特に増配については、一度行われたらその後も継続される可能性があるため、期待大です。

資金をシフトする企業を狙う

企業の成長をステージごとに分けると、初期段階、成長段階、成熟段階、衰退段階という4つに大きく分けられることになります。このうち、成長段階に入った企業は、自社株買いや配当を発表することが多くなります。企業が、このステージのうちどの段階にいるのかを見分けるには、キャッシュフローから判断することができます。それぞれの段階におけるキャッシュフローは、下記のようになります。

〇初期段階
・営業キャッシュフロー…-
・投資キャッシュフロー…-
・財務キャッシュフロー…+

〇成長段階
・営業キャッシュフロー…+
・投資キャッシュフロー…-
・財務キャッシュフロー…+

〇成熟段階
・営業キャッシュフロー…+
・投資キャッシュフロー…-
・財務キャッシュフロー…-

〇衰退段階
・営業キャッシュフロー…-
・投資キャッシュフロー…+
・財務キャッシュフロー…+または-

このうち、投資をするベストのタイミングとしては成長段階、それも初期の段階となるのですが、企業の成長段階というのは様々な面で投資をする必要もあり、そちらに資金を費やすことが多いので、配当性向および配当金は低くなる傾向があります。そのため、自社株買いや配当についてはすぐに実施されることは少なく、またその恩恵を受けたとしても大きな利益にはなりにくい可能性も高いのです。そのため、成長段階の企業については自社株買いや配当に期待するのではなく、成長に伴って上昇する株価に期待したキャピタルゲイン狙いの投資として考えた方が良いかもしれません。

一方で、成長段階を過ぎて成熟段階に入った企業は、すでに十分な成長を遂げているため、今後は大きな成長に期待することが難しくなっています。企業の成長戦略として、設備投資などを積極的に行うことが初期段階や成長段階に比べて少なくなり、それに必要な資金も減少していきます。そうなった企業は、これまで整腸戦略に使っていた資金を投資家への利益還元策にシフトしていく動きを見せることが多くなるのです。

そのため、成熟段階に入った企業をあらかじめチェックしておくと、自社株買いや配当、増配が発表される前に投資できる可能性が高くなるので、投資家は成長段階の企業に投資するよりも長期的に大きな恩恵を受けられるようになります。

高配当株の選び方

株式投資におけるインカムゲイン狙いは、株価の上昇や株価の下落(空売りの場合)による差益を獲得するのではなく、株式を保有することで得られる利益を狙うというものになります。そのため、利子が付くことに期待する定期預金などに似ています。ただ、現在は定期預金の金利もかなり低くなっているので、株式の配当を狙う方がより大きな利益に期待できるでしょう。

ただし、株式の場合は定期預金とは違い、インカムゲインが確実に得られるわけではなく、また元本となる株式の株価も変動します。そのため、インカムゲインを得られる時はなるべくその利益が大きくなるよう、高配当株を探したいと考えるのは当然でしょう。

高配当株というのは、要するに利回りが高い株ということになるのですが、ただ株価や利回りだけに注目して銘柄を選ぶと手痛い失敗をしてしまうことがあります。高配当株に投資する場合は、儲かる株なのかどうかを判断するための3つの要素に注目して銘柄選びをすることが大切です。これから、その3つの要素について解説します。

判断の要素①業績

高配当株の銘柄選びには、まずその企業の業績をチェックすることが大切です。前期と比較して、売上高と利益が共に伸びる…つまり、増収増益になることが予想されている企業であれば、今後も配当の継続や、増配が行われる可能性が高いと言えます。しかし、これが減収減益となっているようであれば、現在は配当金があってもその継続が困難になり、いずれ減配する可能性が高くなるので注意しなくてはなりません。

判断の要素②配当性向

企業が、年間の利益のうちどの程度の割合を配当に回しているのかを示す「配当性向」という指標をチェックすることも、高配当株の銘柄選びには重要な要素です。高配当株でこの数値が低い銘柄であれば、今後はさらに増配される期待が持てるだけではなく、業績が多少悪化しても減配となる可能性は低くなると考えられます。目安としては、高配当株の中で配当性向が50%未満の銘柄が狙い目となります。

しかし、高配当株であっても配当性向が高い銘柄の場合は、要注意となります。なぜかというと、現状は利益の半分以上を配当としていることになるので、今後増配するとしたら利益が大幅に増えた場合に限られることとなり、業績が悪化した場合は現状を保つことも難しくなってしまうからです。

判断の要素③増配の予定

高配当株の中で、会社が中期経営計画などで積極的な投資家への利益還元策を掲げていて、すでに今期の増配が予定されている銘柄は、今後に対しても期待することができます。反対に、利益還元策に消極的で増配の予定もない銘柄は、たとえ現在は高配当株であっても、今後さらに利回りが高くなることは期待できないので、あまりお勧めできません。

最低でも2つの要素を満たしている銘柄を選ぼう

高配当株の中でも、この3つの要素をすべて満たしている銘柄というのはごくわずかです。しかし、3つすべてとは言わなくても、最低限2つの要素を満たしている銘柄であれば、その高配当株は今後の利益に期待できるといえるでしょう。もちろん、3つの要素をすべて満たしているようであれば、それに越したことはありません。

まとめ

株に投資をする場合、株価の変動による売買益(キャピタルゲイン)獲得目的の投資が一般的ですが、安定した利益を狙うのであれば、配当を主軸として考えるのがおすすめです。ただし、配当狙いだからといっても、ただ配当があって利回りが高い企業に投資するだけではなく、今後も配当が継続する企業、その中でも増配に期待できる企業に投資することで、大きな利益を得ることが期待できます。そのためには、投資するタイミングや企業選びなどをしっかりと行い、失敗しないような企業を探して投資しましょう。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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