増配と高配当を狙った投資について

株式投資の基本

投資をする際に、売買によって利益を得ようと考えている人が多いと思いますが、株式投資の場合は売買の利益以外にも、配当金を目的として投資することもできます。中でも増配と高配当は配当狙いの投資法では人気です。しかし、このような銘柄を選ぶ際には、売買を前提とする銘柄選びとはまた違った基準で選ばなくてはいけません。その際の銘柄の選び方について、解説していきます。

銘柄選びのポイント

配当を重視して株式を買う場合、どのようにして銘柄を選べばいいのでしょうか?まずは、銘柄選びのポイントをまとめてみます。
最初に注目するべき点は、配当金の増配を連続して行っている企業です。これまで増配を続けてきた企業であれば、今後も増配が続いていく可能性は高いでしょう。企業の決算数字やビジネスモデルから、企業の将来性などを分析していくことはとても難しいことですが、これまでの配当の推移や増配についてということは、簡単に調べることができるでしょう。
増配できる企業というのは、会社の経営が順調なうえにキャッシュリッチであるということなので、これからの業績も順調に伸びていく可能性が高い、ということがわかります。ただし、今後も業績を伸ばしていくには将来性に期待できるような業務内容でなくてはならないのですが、中には一過性の伸びを見せているだけの企業もあるので、そのビジネスモデルについてはしっかりとチェックしなくてはいけません。チェックする際は、最低でも過去10年程度、できれば15年は遡って増配傾向をチェックしていくことをおすすめします。

利回りについては、銘柄を選ぶ時点ではそこまで気にする必要はありません。増配が続けて行われている企業であれば、将来的には利回りが良くなっていくはずなので長期的な視点で考えましょう。それが続けば結果として株価にも反映されていくので、値上がり益を狙うこともできるでしょう。

増配が行われているかどうかだけではなく、売り上げについてもチェックしましょう。途中で頻繁に減収減益となっている企業の場合、定期的に配当を出すことが難しくなり、ましてや増配には期待できないでしょう。そういった企業に投資しないよう、少しでも増収増益となっている企業を探さなければいけません。特に、景気動向や為替変動の影響を受けやすいビジネスモデルの企業は、減収減益リスクが高くなるので、現在は配当が続いて利回りが良かったとしても、投資は避けたほうがいいでしょう。

他にチェックするべき点としては、PERがあります。株価と会社の利益とを比較して、その株価が割安かどうかをチェックする指標となるPERが高ければ、その株は割高と判断できます。たとえ連続増配となっている企業でも、株の価値自体が割高であれば今後株価が下落するリスクが高くなるので、PERは必ずチェックしておきましょう。

配当性向についても、チェックしておく必要があります。配当性向が高すぎると、実際の余力以上に配当を分配していると考えられるので、現在は増配していても近いうちにそれがストップすると考えられます。もしかすると、配当そのものもストップするかもしれません。

配当性向と合わせて利益の増加をチェックしていくと、今後増配されるかどうかの余力を測ることができます。配当性向が3割程度であれば余力は十分と考えることができ、それ以上であっても利益が順調に増えていればすぐに余力ができることになるでしょう。しかし、配当性向が高すぎると、利益が増えても増配される可能性は低くなってしまいます。

また、事業内容として設備投資や研究・開発などが重要となる企業の場合、そちらに費用がかかってしまうため、そもそも配当狙いの投資には向いていません。

高配当株の選び方

配当狙いで銘柄を選ぶ際は上記のようなポイントを重視するべきですが、高配当株の場合はまた多少異なる点もあります。また、高配当株だからこそ注意したい点についても解説します。

まずは、配当狙いの銘柄の中から配当利回りに注目してスクリーニングしていきます。その際に、高配当株の目安となるのは配当利回りが3.5%以上の銘柄です。そうして絞り込んだ銘柄から、売上高営業利益率が10%以上で、自己資本比率が45%以上の銘柄に絞り込みましょう。さらに、その中で配当性向が50%を超えている銘柄は除くようにしましょう。

そこから、1株当たりの利益と純資産に着目して、いずれも増加傾向にある銘柄だけをピックアップしていきます。こうして残された銘柄の配当実績を見て、増配傾向にある銘柄だけを残すようにするのが、高配当株を選ぶポイントとなります。

高配当株にとって重要なのは、株価の上下ではなく企業としての安定した成長です。例えば、ストックビジネスやニッチな分野のビジネスなどがこれに当てはまるでしょう。専門性が高い業務を取り扱う企業も、競合他社が少ないために業績が安定しているのでお勧めです。

特に狙い目なのが、中小企業です。大企業は決算書をチェックするのも大変ですが、中小企業の場合は決算内容も明白なので、安心して投資ができます。

高配当株の扱い方

高配当株は人気があり、多くの投資家が注目しているので、配当を狙うばかりではなく株価の値上がりによる利益にも期待できます。その両方を狙うためには、まず3月を決算期としている銘柄を権利確定日まで保有しておき、配当を受け取る権利を確定します。そして、4月半ばまでにはすべての銘柄を売却するようにしましょう。

日本の企業は、大半が3月を決算期としているので、多くの企業が4月から新年度に切り替わります。そのタイミングでは、株式相場も大きく雰囲気を変えていき、豊富な資金を有している機関投資家が買いから入っていくのが目立つようになります。その際は、権利確定日を過ぎて権利落ちとなった高配当株の大型株も、その下落した分を取り戻すかのように株価が上昇していく傾向があるのです。

高配当株は、権利確定日が近づくと株価が最高潮となり、権利落ちとなった時点で大きく株価を下げるため、その値下がりを避けるというのは難しいものがあります。しかし、最初から権利落ちとなったら株価は下がるものだと割り切っておけば、多少の含み損が出たとしても慌てて損切りすることがなく、機関投資家によって買いが増え株価が上昇するタイミングを待つことができるでしょう。そうすれば、4月の半ばころには株価がおおよそ元通りに戻ることとなるので、そのタイミングを待って株を売却します。

しかし、株価というのはいくら上昇トレンドにあったとしても、永久に上がり続けることはありません。どこかで必ず下落することになります。大きな下落は市場に混乱をもたらし、先の展開の見通しが難しくなるので避けたいと思うでしょうが、これは高配当株を買うタイミングとしてはまたとない大チャンスになるのです。日経平均を見ても、1年の中で2,3回程度は短期間で1,000円前後下落するタイミングがあるので、このタイミングを狙って高配当株を買い戻せば、割安で高配当株を買うことができるでしょう。

高配当株は配当利回りの高さが魅力ですが、割安に買うことができれば配当利回りもその分高くなります。高配当株の場合は、利回りが下支えとなるため一定以上の下落は起こりにくいため、リスクも抑えることができるでしょう。そして、その値下がりが落ち着くと、今度はリバウンドによってふたたび株価が上昇することが多いので、株価の値上がりによる利益にも期待できるようになるのです。年末までに高配当株を買い戻したり、新規に買い入れたりした後は、権利確定日が近づくことで株価が上がりやすい1月から3月まで何もせずにおき、配当が出るまで大人しく待ちます。そして、再び同じ動きを切り替えしていくのです。

まとめ

配当狙いで投資をする場合は、値上がり益を狙った投資とはまた違ったポイントから投資する銘柄を選ぶ必要があります。特に増配株や高配当株の場合は、単に配当狙いの投資をするよりもさらに厳しい基準で、銘柄を選ぶ必要があるでしょう。
また、高配当株は通常の銘柄とは扱い方も異なっていて、値上がり益と配当の両方を狙うのであれば売買のタイミングには特に注意しなくてはいけません。銘柄とタイミングを見極めて、なるべく多くの利益を得られるように立ち回りましょう。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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