配当目的の投資をするのに大切なこと

株式投資の基本

株式投資では、売買によって得られる利益を目的とした投資が主なものとなりますが、投資によって得られるものはそれだけではありません。株式には配当というものがあるので、その配当を目的とした投資方法もあるのです。配当を目的とした投資の利点や、気をつけなくてはいけない点としてはどういったことがあるのでしょうか?配当を目的とした投資について、解説します。

キャピタルゲインとインカムゲイン

株式投資には、キャピタルゲインを目的としたものと、インカムゲインを目的としたものがあります。特に金額が大きく目立つのは、株の売買における差額から生じる利益であるキャピタルゲインであり、株式投資というとこちらを思い浮かべる人は多いでしょう。キャピタルゲインは、デイトレや中長期投資など様々な投資方法で獲得することができますが、株式投資をしている人の中にはインカムゲインを目的としている人も少なくありません。

インカムゲインというのは、保有していることで継続的に得られる利益のことで、わかりやすい例でいうと銀行預金で受け取ることができる利息が当てはまります。株の場合は保有しているだけで利息がもらえるようなことはありませんが、その代わりに配当金というものがあり、これが株式投資のインカムゲインとなります。また、株主優待も同様にインカムゲインとして扱われます。

株式投資では、インカムゲインを狙う投資方法には根強い人気があります。中には、配当をもらうことができる権利を獲得したらすぐに売却してしまう人もいるのですが、基本的には長期保有で何度も配当を受け取るというのがメインとなる方法です。定期預金と同じように考えることもできるのですが、大きな違いがあります。定期預金の場合は元本が減ることはないのですが、株の場合は元本割れのリスクがあるという点です。そう考えると、配当を目的として株式投資をすることにあまりメリットがないように思えるかもしれませんが、元本割れのリスクについては完全になくすることはできないものの、減らすことはできます。そのためには、銘柄選びに気を付けなくてはいけません。

元本割れを防ぐ銘柄選び

元本割れのリスクを減らすには、銘柄選びを慎重に行わなくてはいけません。そのためには、連続で配当を出している銘柄を選ぶようにしましょう。連続といっても、過去3年や5年といった期間ではありません。もっと長く、何十年も途切れることなく配当を出し続けている会社を選ばなくてはいけないのです。

長期にわたって配当を出し続けられる会社というのは、安定した業績を誇っていて、財務状況も良好な会社が多いのです。配当というのは、基本的にキャッシュが潤沢な会社でなければ出すことはできません。それを長年継続できるということは、毎年それだけ安定して経営を続けているという証明にもなります。

ただし、配当を出しているからと言って必ずしも経営が順調とは限りません。中には違法な「タコ足配当」を行っているケースもあります。「タコ足配当」とは、利益よりも多い配当を出していたり、そもそも配当を出せるだけの利益がないのに会社の資産を削ってでも配当を出すことを言います。なぜ、会社の資産を削ってまで配当を出すのかというと、株価の下落を防ぐことが目的として挙げられます。これまでは配当を出していた会社が、業績悪化によって急に配当を出せなくなってしまうと、株主からの突き上げもありえます。また、市場においても配当が出せないというのは悲観的な材料となってしまうので、株を売る動きが活発となり、株価が下がってしまいます。それを防ぐために、場当たり的な対処として配当金に不足している分を補填するために、会社の資産を売却したりするのです。

本来であれば、配当というのは利益余剰金や資本余剰金から支払われるのですが、余裕がないからといって会社の資産を売却して配当を出してしまうと、今度は会社の事業資金が減少することになってしまい、会社の体力その物が減っていくことになります。そうなると、事業規模の縮小や倒産にもつながっていくので、大きなリスクを伴う方法なのです。
タコ足配当かどうかを知るためには、配当性向という指標をチェックしてみるといいでしょう。これは、1株当たりの税引き後の利益を配当金で割った数値であり、これが100%を超えているとその会社はタコ足配当だということがわかります。

配当目的の投資をするには

配当というのは、株式投資における大きな魅力の一つでもあります。この配当を目的として投資する際の基本は、何十年もの長い間配当を出し続けているような会社に投資することです。その株を長期的に投資して配当をコンスタントに得ていれば、いずれ投資元本を回収することができます。これも、配当目的の投資の魅力の一つです。

さらに注目するべき点としては、増配を長年続けているかどうかということです。1株当たりの配当が2円だったのが、翌年には3円に増配していくなど、毎年少しずつでも配当が増えている銘柄に注目しましょう。

長年配当を出し続けられている企業は、業績も良好で株価も底堅いという特徴がありますが、さらに増配も続けているということになると、高利回りになるので投資家からの人気も高く、さらに株価は底堅くなるのです。株式投資において、元本割れリスクというものが避けがたいものではありますが、それでもその可能性はなるべく低くしておきたいと思うのが当然でしょう。そういったリスクを減らすには、増配を続ける銘柄がぴったりなのです。もちろん、絶対に避けられるというわけではありません。マーケットの状況にも影響を受けるので、市場全体が落ち込んでいる場合は、いくら底堅くても元本割れのリスクは高くなってしまいます。ただし、長い目で見た場合はやはり成長に期待できるでしょう。

増配に関しては、決算時に出される次の決算時の配当予想が後から上方修正されることがよくあります。株価は、この上方修正が出された段階から上昇していきます。ただし、継続した配当と増配の実績があるような会社は、すでにそのことを織り込んだ株価で取引されていることが多いので、ほとんどの場合値動きは緩やかとなるでしょう。そのため、短期間で資産を増やしたい場合は向いていないかもしれません。特に、大きなキャピタルゲインを期待して投資を始めた人の場合は、物足りなく感じることも多いでしょう。しかし、配当と増配に期待して投資している銘柄は値動きが緩やかな分、日々の株価の変動をあまり気にする必要がないというメリットもあります。そうして長期的に保有しているうちに、株価が何倍にも成長しているケースもあるので、その点を楽しみにしてもいいのではないでしょうか。

ほとんど毎年増配しているような銘柄は、株価も底堅く推移することが多いというのはすでに書いたとおりですが、もちろん株価が下がることもあります。そういったときには、買い増しをするのがお勧めです。特に、株価が1日で10%以上下がるようなことがあれば、買い増しをしましょう。なぜかといえば、その分配当利回りが高くなるからです。

配当利回りを高くして、配当金で投資した元本を回収することができれば、あとは何らリスクなく配当を受け取ることができ、元本を少しずつ増やしていくことができます。しかし、利回りが4%であれば元本を回収するのに25年かかってしまうので、それでは長すぎるという人もいるでしょう。この期間を短くするカギとなるのは、やはり増配です。増配銘柄は、それだけ当初の予定よりも元本を取り戻すための期間が短くなるので、今は利回りが平均的であっても増配の予定があれば、積極的に投資しましょう。

増配株に投資するメリット

増配株は、底堅い推移をするのが特徴ですが、それは本来の業務内容でしっかりと利益を出すことができているのが理由です。十分な利益を出して、投資家に還元できるほどのキャッシュを得られているからこそ、毎年しっかりと増配できるのです。このような会社は財務状況も良好で、安定した業績であることが多いのですが、それでも投資に絶対はありません。たとえ投資した会社が倒産したとしても、他の増配銘柄で回収できるように、分散投資は必須となります。また、倒産とまではいかなくても株価が大幅に下落した場合には、他の銘柄の増配分でカバーすることができます。

ただし、増配できる余裕がある会社は業績や財務にも余裕があるので、倒産のリスクもかなり低くなります。それでも分散投資をすることで、元本割れリスクを低くすることができます。また、配当金で元本を回収できる頃には、配当や株価が投資をした時よりも高くなっている可能性があるので、その場合はキャピタルゲインも狙うことができるでしょう。
配当狙いの投資をする場合は、こういったことを念頭において銘柄を選びましょう。

まとめ

株といえば、キャピタルゲインを狙って取引をすると利益も大きく、目立つ結果となります。しかし、より確実な利益を得たい場合は、配当金などのインカムゲインを狙って投資するべきでしょう。
インカムゲインを狙って投資する場合でも、元本割れのリスクは付きまとうので、なるべく元本割れを避けられるような銘柄を選びましょう。そのためには、長期にわたって配当が続いている銘柄や、増配を続けている銘柄な度に注目するといいでしょう。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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