中長期の投資法について

株式投資の基本

株を長期的に保有して、企業の成長に合わせて株価が上がるのを待つ、もしくは配当を貰うことを目的として長期投資をする場合、短期投資や中期投資とはまた違った銘柄選びをしなくてはいけません。この場合は、どのような銘柄選びをしたらいいのでしょうか?長期投資をする場合におすすめの、銘柄の選び方について解説していきます。

中長期投資では中小型の資産バリュー株を選ぼう

長期投資の銘柄選びとしてまずおすすめなのが、資産バリュー株に投資することです。資産バリュー株は、企業価値から見た株価が割安な株のことで、通常は株価純資産倍率を示すPBRから判断することが多いのですが、今回はそれだけではなく、資産の含み益についても加味した実質的な資産額から評価する方法について解説します。
この場合の計算方法は、時価総額÷(純資産+含み益)という形になります。これによって、中小型株の中から資産の含み益がある銘柄を選ぶことができ、インフレにも強い銘柄群を探すことができるようになります。
この投資法を使う場合は、時価総額が200億円以下の資産バリュー株を狙っていきましょう。その理由として、時価総額が低い銘柄の場合はその時価が正しく評価されにくく、割安であってもそのまま放置されていることが多いからです。また、大型株の場合は日経平均株価やTOPIXなどから強い影響を受けるので、これらの指数が下がった場合はそれにつられる形で売られやすくなる、というリスクもあります。一方、小型株の場合は指数からの影響が少ないので、全体的な相場の動きの影響を受けにくいという特徴があるのです。そのため、ターゲットを中小型株にして投資したほうがいいのです。

中小型株に投資する際の注意点

ただし、資産バリュー株の中でも中小型株に投資する場合は、いくつか注意しておきたい点があります。まず前提として、金融関連株や業績の変動が著しいIT関連株などは資産評価が難しいため、投資を避けておいた方が賢明です。また、多くの銘柄に投資してしまうと1銘柄当たりの投資額も少なくなってしまい、調査や分析も大まかなものとなってしまいかねないので、投資する銘柄数は絞ったほうがいいでしょう。具体的には、主力となる銘柄は多くても15銘柄までとして、調査や分析も適切にできるよう適度な緊張感を持つことができる環境を維持して投資することを心がけましょう。また、「買い」と判断した材料がなくなってしまった場合は、ためらわず損切りしてしまいましょう。
さらに、銘柄を絞り込み過ぎて、1つの銘柄に多くの資産を投資しないことも必要です。「タマゴは一つの籠に盛るな」という投資の格言がありますが、この言葉のとおり1つの銘柄に集中して投資するのはリスクが高くなってしまいます。そのため、1つの銘柄に投資する金額は、多くても資産の20%を上回らないようにしておきましょう。この投資法での目的は、資産を年率で20%前後増やしていくことです。もしも1つの銘柄に資金の大半を集中させてしまうと、失敗した時には損失も大きくなり、カバーしきれないことも増えてくるでしょう。だからこそ、銘柄1つあたりに投資する金額を抑えるべきなのです。また、割安と判断した銘柄が見つかった時にはすぐに動けるように、資金の10%程度はプールしておくことを心がけましょう。
中小型の資産バリュー株は基本的には値動きが少ないことの方が多いでしょう。とはいえ、大きな値動きが生じることもあります。その際は、いくら長期投資のつもりでも放置するのではなく、必要に応じていったん半分は利益確定をしたり、損切りできるように備えておきましょう。

ネットネット株への投資法と注意点

長期投資の銘柄としてもう一つおすすめなのが、ネットネット株といわれるものです。これは、流動資産から負債総額を引いた金額の3分の2が時価総額を超えていて、株価が割安と判断される銘柄のことです。
この場合の流動資産は、現金資産と1年以内に現金化が可能な未収金などの現金性資産と、原材料などの償却資産に分類される資産のことをいいます。この流動資産から負債総額を引き、それでもプラスとなっている銘柄がネットネット株と呼ばれているのです。
この定義を提唱したのは、アメリカの著名な投資家でありバリュー投資の父ともいわれている、ベンジャミン・グレアム氏です。ネットネット株への投資法は、今では多くの投資家にも広まり支持を集めています。
ネットネット株は、決算短信のデータから流動資産の価値を算出して、見つけることができます。決算短信には財務諸表がありますが、そこにある貸借対照表から数字をピックアップして、独自の計算式を用いることで算出できるのです。
その計算式は、

現金及び預金+受取手形および売掛金+有価証券+投資有価証券-(流動資産の貸倒引当金+固定資産の貸倒引当金+負債合計)

というものです。その結果算出された流動資産の価値が時価総額を上回っていれば、割安ということになります。ネットネット株としての条件を満たすことになり、投資先候補としてチェック対象になります。さらに業績の安定性も高いことから注目するべき銘柄ということになるのです。

投資する銘柄選びのコツ

この方法でネットネット株を選ぶ場合、「万年割安株」ともいわれるバリュートラップに気を付けなくてはいけません。バリュートラップというのは、上記の計算法の条件に合った割安株であったことから投資対象に選んだものの、その後株価がなかなか上がらず、いつまでも割安なまま低迷してしまうことを言います。あるいは、株価が上がるどころか下落してしまうケースもあります。このような状態に陥ってしまう可能性があることから、バリュートラップ(割安の罠)といわれることがあるのです。
こうしたバリュートラップにハマってしまうリスクをなるべく減らすためには、株価を上昇させる火種となるような材料がその割安な銘柄にあるかどうか、という点に注目しましょう。その火種となる材料で考えられるのは、例えば市場予想を上回るような増収増益といった良好な決算内容や画期的な新製品の発表というものもありますが、特に気を付ける点は、配当利回りと増配です。配当利回りが平均よりも高く、さらに配当が継続され増配もあるような銘柄であれば、株価の上昇に期待が持てるでしょう。
企業の流動資産の価値を正確に算出して、バリュートラップへのリスクヘッジができるようであれば、これまでネットネット株を気にしたことがない人でも投資することができるのが、この投資法の大きな特徴です。継続して上昇する株を見つけ、安定して資産を増やしたいと考えている人であれば、1度このネットネット株も投資する候補の銘柄に取り入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

短期的な投資をする場合は、現在株価の上がる材料があってすぐにでも上昇するような、影響力が高い銘柄を選ぶ必要があります。しかし、長期的な投資の場合は目先の株価上昇よりも、ゆっくりでもいいので確実な株価上昇をするような銘柄を選ぶべきです。
そのためには、まず大きく資産を減らさないことを前提として、毎年資産が少しずつ増えていくような銘柄を探す必要があります。
その銘柄を選ぶ際には、資産バリュー株やネットネット株を見つけて投資することを考えてみてください。

執筆者:佐藤真奈美より

 はじめまして、当サイトである『投資塾』で記事の執筆を担当させて頂いております、佐藤真奈美と申します。現在、複数の投資関連のメディアサイトに相場予想や投資関連の解説等の記事を寄稿しておりますが、『投資塾』では、株式投資のニュース、経済指標、金融政策等、「市場参加者が、何を見ているか」に重点を置き、株式投資の初心者にも分かりやすいよう、他では知れない情報の提供に努めさせて頂いております。

執筆者:佐藤真奈美について

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